ひな祭りの料理・ハマグリのお吸い物
ひな祭りの定番の料理といったら、甘酒や白酒・菱餅にひなあられ、そしてハマグリのお吸い物ですよね。これらのひな祭り定番の料理の由来は平安時代までさかのぼる古いものから、歴史が浅くて江戸時代以降、明治の近代から食べられるようになったものまでさまざまあります。
ハマグリのお吸い物の歴史は古く、その由来をたどるとひな祭りの元となる行事が中国から日本に伝わった平安時代にまでさかのぼることができます。今回の記事では、ハマグリのお吸い物がどうしてひな祭りで食べられるようになったのかという理由や、女の子とハマグリの関係について詳しく見ていきます。
ひな祭りでハマグリを食べる理由
ひな祭りは別名「桃の節句」とも言い、女の子のためのお祭りとなっていますよね。ひな祭りは元々中国から伝わった五節句「上巳(じょうし)の日」が由来となっており、平安当時の女の子たちはハマグリを用いた「貝合わせ」という遊びをしていました。これは貝の内側に美しい絵を描き、その絵の美しさを愛でたり貝同士を組み合わせて本来の対を見つける、という遊びです。
ハマグリは夫婦円満の象徴
ハマグリは大きな貝で装飾しやすく、元の一対の貝でなければなかなかピッタリとははまらないことを理由に、一対の夫婦として仲の良い幸せな夫婦の様を表している縁起物とされました。女の子が幸せな結婚をするように、良縁を得られるようにと願う気持ちからひな祭りでハマグリが食べられるようになったと言われています。
ハマグリを漢字で書くと
ちなみにハマグリを漢字で書くと「蛤」となり、合という漢字が使われています。虫へんが使われていますが、これは本当の虫ではなく鳥や獣・魚以外は虫とつけていたことから虫へんが使われているという理由があります。虫へんに合でハマグリなので、漢字でも縁起がよいのが分かります。
ひな祭りだけでないハマグリと女の子の関係
嫁入り道具として
上流階級のお嬢様たちは、お嫁入りの時にハマグリの貝に美しい絵柄を描いたものを入れた「貝桶」を嫁入り道具として婚家に持参していました。これは女の子の末永い幸せを願うという理由からで、江戸時代の大名家のお姫様の嫁入り行列では先頭に装飾したハマグリを入れた「貝桶」を立たせ、婚家に着いてからは「貝桶渡し」という儀式が行われていました。
ひな人形の飾り道具
引用: https://www.amazon.co.jp/dp/B00GNUMYP0
最近では段数の多い大きなひな飾りを飾るお宅は減りましたが、ひな祭りで飾るひな飾りの中に「貝桶」は健在です。こちらの画像の中断、右側にあるのが絵を描いたハマグリを入れた「貝桶」です。
着物にも登場
引用: https://www.amazon.co.jp/dp/B07NRKQ524
こちらは女の子の七五三用の着物ですが、「桜に貝桶」の模様となっています。ハマグリはひな祭りだけでなく、女の子の幸せを願う縁起物として着物の絵柄にもよく用いられるようになりました。知らないうちに着ていた、という人も多いのではないでしょうか。
ひな祭りで食べるハマグリは栄養豊富
ハマグリは鉄分・カリウム・亜鉛やビタミンB2・ビタミン12・タウリンなどの栄養が豊富な食べ物です。元々のひな祭りの由来となった五節句、「上巳(じょうし)の日」は縁起が悪い日なので旬の食べ物を食べて邪気を払うという日なので、ひな祭りに栄養価の高いハマグリを食べるというのはピッタリですね。
ハマグリはひな祭り意外でも、子どものすこやかな成長や幸せを願う「お食い初め」などで鯛やお赤飯などのおめでたい食材と共に、お馴染みの定番食材になっています。
ひな祭りのハマグリには女の子の幸せを願う意味がある
ハマグリと女の子との関係、ひな祭りに食べるようになった理由を解説してきましたがいかがでしたでしょうか。ハマグリは良縁の象徴として、女の子の幸せを願うための縁起物として広く使われています。栄養も豊富なので、ひな祭りではぜひおいしいハマグリのお吸い物を召し上がってみてくださいね。