『蒼天の拳』は『北斗の拳』の過去の物語で、主人公は『北斗の拳』の「ケンシロウ」ではなく、同じ名前を持つケンシロウの祖先「霞拳志郎(かすみけんしろう)」の物語です。
『蒼天の拳』の拳志郎は歴代の北斗神拳伝承者の中で最強と言われた人物で、第63代北斗神拳伝承者の「リュウケン」の兄にあたる人物でした。
リュウケンはケンシロウが生まれた時、ケンシロウの身体に北斗七星の痣があったため、最強だった兄「霞拳志郎」にちなんでケンシロウという名を与えました。
『蒼天の拳』の世界観は『北斗の拳』とはかなり異なった世界観で、主に上海(しゃんはい)を舞台にしています。
拳志郎は仲間と共に上海のマフィアや北斗の分派の使い手と戦い、『北斗の拳』よりも横のつながりが強調されたストーリー展開がされていくのが『蒼天の拳』の特徴ですね。
『北斗の拳』はケンシロウが一人で強大な敵に挑んでいくのがメインでしたが、『蒼天の拳』の拳志郎は仲間と共に友情を大切に戦っていく姿勢がみられ、より人間ドラマが深くなっている所が魅力的です。
『北斗の拳』と言えば「ラオウ」と「トキ」を思い浮かべる人も多いと思いますが、『蒼天の拳』はラオウとトキが誕生する以前の物語であるため、当然、彼らは登場しません。
代わりに、後にケンシロウ・ラオウ・トキ等の父親的な存在になるリュウケンの少年時代が描かれていたり、『北斗の拳』につながる世界観を見せてくれる所がオススメですね。
時系列順に『蒼天の拳』から見るのも良いですが、まずは『北斗の拳』から見て『蒼天の拳』に入った方がより感動できるので、時系列順ではなく発表順に作品を見ることをオススメします。
霞拳志郎は『蒼天の拳』の主人公で、北斗神拳伝承者で圧倒的な強さを誇る人物です。
北斗神拳を使わなくても十分に強く、強敵相手に北斗神拳なしで倒すことができる実力者ですね。
大学の教師をやるほど博識な面もあり、性格は温和で女性ウケする部分もありますが、本質は自分の強さに絶対の自信を持っている気が強い人物です。
「霞羅門(かすみらもん)」は後の第63代北斗神拳伝承者リュウケンその人であり、『北斗の拳』の主人公「ケンシロウ」に北斗神拳を享受した人物です。
『蒼天の拳』ではまだ少年ですが、少年時代から十分に強く銃を持ったマフィア数人相手にも勝る実力者でした。
兄の「霞拳志郎」のことを尊敬しており、後に誕生した『北斗の拳』の主人公に兄のケンシロウの名を与えましたね。
「潘光琳(はんこうりん)」は上海の秘密結社「青幇(ちんぱん)」の総帥で、拳志郎が最も大切にしている戦友の一人です。
高いカリスマ性で多くの仲間を率いて、上海を統治するだけの力量と人望を兼ね備えた人物です。
かなり義理深く情を重んじる性格で、ヤクザ嫌いの拳志郎でも信頼している人格者ですね。
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霞羅門は後に第63代北斗神拳伝承者となるリュウケンで、『蒼天の拳』の冒頭はケンシロウを授かったリュウケンのシーンから始まります。
第63代北斗神拳伝承者となって尚、リュウケンは兄の拳志郎を慕っており、拳志郎は格の違う次元にいた北斗神拳伝承者だった旨を語っていました。
授かった子供に運命を感じ、兄の拳志郎と同じケンシロウという名を与える等、なかなか良いセンスをしていますね。
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霞羅門は少年時代から格闘センスが高く、北斗神拳ではない普通の拳法でも銃持ちのマフィアを余裕で倒す程の強さがありました。
少年にしては体格もよく、肉体的にも恵まれた感じで強さが滲み出ていますね。
しかし、若い頃の羅門は性格は明るく快活な少年で、後のリュウケンの面影は全くありませんでした。
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霞羅門の兄は『北斗の拳』の「ケンシロウ」と同じ名前を持つ「霞拳志郎(かすみけんしろう)」で、拳志郎は『蒼天の拳』における主人公です。
羅門は兄の拳志郎を誰よりも慕っており、拳志郎が上海に戻る時も別れを惜しんでいました。
後に、北斗七星の痣を持って授かった子供に、圧倒的な強さを誇った兄ケンシロウの名前を与え、北斗神拳の伝承者になるべく期待を寄せます。
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『北斗の拳』の大ボスと言えば「ラオウ」と「カイオウ」ですが、羅門つまり後のリュウケンの強さはラオウをあと一歩で倒す程の強さがありました。
残念ながら病で身体が弱っていたためラオウを仕留めることは出来ませんでしたが、リュウケンが後少し若ければラオウを倒していたでしょう。
リュウケンはさすがに第63代北斗神拳伝承者だけありトップクラスの強さを誇っていましたが、もし霞拳志郎が第63代北斗神拳伝承者になっていれば、リュウケンよりもさらに強さは上だったでしょうね。
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霞羅門(リュウケン)の声優は声優歴50年以上の麦人(むぎひと)さんで、麦人さんは声優として数々の名脇役をこなしてきた大ベテランです。
かなりマニアックなキャラクターを演じられていて、ここには掲載しきれない量ですが、ウィキペディアで見てみると興味深い名脇役を演じられていることがわかります。
2018年で74歳ですが、まだまだ現役で活躍してくれそうな雰囲気がありますね。
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霞羅門(少年)の声優は、『生徒会の一存(せいとかいのいちぞん)』の「杉崎鍵(すぎさきけん)」や『DIABOLIK LOVERS』の人気キャラ「逆巻(さかまき)スバル」の声優を務めた「近藤隆(こんどうたかし)」さんです。
近藤さんは近年はモテるイケメンキャラを演じることが多いですが、羅門はあどけない少年な雰囲気がありました。
今後もまだまだ期待できる声優なので、注目したいですね。
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成長した霞羅門の声優は、『つくもがみ貸します』の「清次(せいじ)」や、2019年より『ブギーポップは笑わない』の「早乙女正美(さおとめまさみ)」の声優を務めることが決まっている「榎木淳弥(えのきじゅんや)」さんです。
榎木さんは落ち着いたイケメン声が出せる声優で、2010年代半ばから活躍しているので、今後も期待できる声優ですね。
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霞羅門(リュウケン)は、兄の拳志郎ほどの才能は無かったにしても、後に老体でありながらラオウに勝てそうな所までいったので、相当の使い手であることがわかります。
逆に言えば、そんなリュウケンが生涯ずっと慕い続けた兄の拳志郎は、よほど強かったということでしょう。