【はだしのゲン】漫画作品『はだしのゲン』とは?
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『はだしのゲン』は、原作漫画を中沢啓治さんが描く漫画作品であり、集英社より発行されている『週刊少年ジャンプ』で1973年から1985年まで連載されました。その後、汐文社やほるぷ出版社などの多数の出版社からコミックスが発売されており、現在でも非常に人気の高い作品です。
本作は、戦時中の日本を舞台に描かれており、作中で描かれる背景は当時の時代背景をそのまま反映しています。また本作の主人公である中岡元(ゲン)は、作者の中沢啓治さん自身をモデルにしており、戦時中から戦後の日本で体験したエピソードをもとに描かれている、自伝のような作りになっています。
そのためこの漫画の最も特徴的な部分として、戦争の悲惨さや原爆がもたらす壊滅的な被害を鮮明に描いており、文化的・教育的な漫画作品として国内での評価が非常に高くなっています。また、作中での容赦ないグロテスクな表現にトラウマを植え付けられる子どもも多く、大人になっても忘れられない作品になっています。
また、本作は漫画作品からアニメ映画やドラマ、映画、ミュージカルなどの多方面へのメディア展開を行っており、2010年に行われた「読んでおきたい日本史モノマンガランキング」では堂々の1位にランクインしています。
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【はだしのゲン】『はだしのゲン』のあらすじ
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本作の主人公中岡元(ゲン)は、広島県広島市に住み国民学校(現在の小・中学校)に通う少年です。ゲンとその一家は戦争に反対する反戦思想をもった家族として「非国民」言われ罵られていました。しかし、ゲンたちはこれにめげず、家族で協力し合いながら生活していました。
そんな生活をしていたゲンたちですが、1945年8月6日の朝にゲンたちの住む広島市に突如、原爆が投下され、ものすごい爆風と光が街中を包みました。ゲンは偶然にも学校の門の影に居たことで、爆発の影響をあまり受けずに済みましたが、あたりは一瞬で焼け野原になっていました。
全身を焼かれうめき声を上げる人々に何が起こったかも分からないゲンでしたが、家族が心配になり急いで帰宅します。しかしゲンの家は倒壊し、大炎上していました。そして、家の中には下敷きになっている父の大吉、姉の英子、弟の進次が見えました。
母の君江だけは偶然にも助かっており、ゲンは君江と共に3人を助けようとしますが、家の瓦礫はびくともしませんでした。そして下敷きになった3人はそのまま焼死、ゲンは母の君江と強く生き抜くことを決心します。
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【はだしのゲン】中岡浩二のプロフィール
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中岡浩二は、『はだしのゲン』に登場するキャラクターの一人であり、本作の主人公である中岡元(ゲン)の兄に当たる人物です。彼は中岡家に生まれた長男であり、本作の序盤では17歳という年齢で登場しました。
物語の序盤では、学徒動員として工場で働いていました。しかし、中岡家での生活は「非国民」として罵られる悲惨な生活だったので、彼は鹿児島海軍航空隊の予科練に志願し、入隊しました。
そのため広島に原爆が投下されたときには、航空隊の予科練で広島を離れていたので、原爆の影響を全く受けておらず、家に帰ってから家族の父や兄弟たちが死んだことを知らされます。
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【はだしのゲン】中岡浩二の人物像
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中岡浩二は、メンタルが弱く感情的な部分が出やすいキャラクターです。そのため、「非国民」として罵られる生活に面と向かって立ち向かうゲンと比べて、彼は家族よりも国のために尽くすことを決めました。
また、広島に帰ってきた際に父と兄弟たちが死んでしまったことを知ると、自暴自棄になりかけますが、母の中岡君江に諭され、立ち直ります。また、出稼ぎの目的のために行った九州の炭鉱では、酒の誘惑に負け、とても家計を助けるような人物ではありませんでした。
しかし、母の中岡君江の病気が悪化すると、自身が行ってきた生活を後悔し、更生します。
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【はだしのゲン】中岡浩二が予科練に志願した理由
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中岡浩二やゲンたち中岡家は戦争に反対する考えを持っていました。戦時中の日本では国のために頑張ることは国民の義務であり、戦争を批判する発言をする者たちは「非国民」として罵られました。
そのため、中岡家の人物たちは全員が虐げられた生活を受けており、子どもたちは酷くいじめられるのが日常でした。中岡浩二が鹿児島海軍航空隊の予科練に志願入隊したのは、自身は、国のために命を惜しまない覚悟があることを示すことで、「非国民」としての扱いから脱却しようとしました。
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【はだしのゲン】中岡浩二の戦後の動向
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中岡浩二は、特攻隊としての訓練は受けていましたが結局戦争に行くことはなく終戦を迎えました。戦後は、父の居ない家庭を支えるために、広島の鉄工所に就職します。後に広島で働くより九州の炭鉱で働いたほうが割がよい事を知った浩二は、出稼ぎに行くことに決めます。
しかし、母の君江の病気が悪化すると、広島に戻り近場の工場で働くことにしました。最終的に浩二は、弟たちが自立するんまで面倒を見ると、その後は広子という女性と結婚しました。
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【はだしのゲン】中岡浩二のモデル
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中岡浩二には、実在した人物にモデルがいます。それは本作『はだしのゲン』の作者である中沢啓治の兄です。ゲンが中沢啓治さんをモチーフにして描かれているので、そのまま実際の兄を作中でも兄にしたようです。
しかし、中沢啓治さんの兄は、作中での浩二のように予科練に志願したり、特攻隊としての訓練を受けたりなどはしておらず、広島の呉で学徒動員として働いていたようです。この時、彼は戦艦大和の溶接を行ったようで、中沢啓治さんはこの兄の自慢話をよく聞いたそうです。
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【はだしのゲン】アニメ映画版『はだしのゲン』について【中岡浩二】
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アニメ映画版『はだしのゲン』は、1983年7月と1986年6月の2本公開されており、マッドハウスがアニメーション制作を担当しています。
本作は『はだしのゲン』の原作者である中沢啓治さんが、漫画や実写版では表現しきれなかった原爆の表現などを描きたいという意図が大きく絡んでおり、制作において中沢啓治さんは私財を一部投じてまで、こだわったアニメーションを制作しました。
また、本作の主人公である中岡元(ゲン)は、当時原作のゲンと同じくらい年齢だった宮崎一成さんが演じています。宮崎一成さんは当時小学生だったと言うだけでなく、ゲンと同じ広島県広島市で育った少年だったので、まさにはまり役だったと言えます。
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【はだしのゲン】アニメ映画版での中岡浩二
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中岡浩二は、『はだしのゲン』のストーリー上は重要なキャラクターですが、アニメ映画版では、浩二は登場しません。これは、アニメ映画版の『はだしのゲン』では、原爆が投下される前のストーリーは、ほとんどが描写されておらず、浩二が登場するシーンも全てカットされているからです。
そのため、アニメ映画版では、浩二の存在自体がなかったことになっていますが、限られた尺の中で描く必要があったようなので、仕方ないのかも知れません。
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【はだしのゲン】中岡浩二まとめ
この記事では漫画作品『はだしのゲン』におけるキャラクターの一人、中岡浩二についてプロフィールや人物像、中岡浩二が予科練に志願した理由などさまざまな情報をご紹介いたしました。
中岡浩二は、ゲンの兄で、中岡家の父が死んだあと家庭を支えるために頑張った良き長男です。個性豊かなキャラクターたちが登場する『はだしのゲン』が気になった方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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