テレビアニメ「グリザイアの果実(かじつ)」は、2014年に放送されたサスペンス&ラブコメディ作品です。
「グリザイアシリーズ」は、アニメ化をはじめ漫画化などのメディアミックスやスピンオフ作品の発表などがされている人気の作品。
原作は、ゲームソフト会社である「フロントウィング」設立10周年記念作品として制作された同名のR18のパソコン用アダルトゲームですが、テレビアニメではヒロインたちの過去と雄二との出会いによって心が癒されていく様子が中心に描かれ、アダルト要素を排除した結果、恋愛要素は薄めになっています。
また、テレビアニメ続編として21015年に「グリザイアの迷宮(めいきゅう)」と「グリザイアの楽園(らくえん)」が放送されました。
そして、「グリザイアシリーズ」最後の作品となった「グリザイア:ファントムトリガー」が映画アニメ化、2019年3月15日より劇場公開されることが予定されていますよ。
在籍する生徒数が5人だけという「美浜学園」。
そこへ転校してきた主人公・風見雄二は、一見普通の青年に見えて、とある「会社」に所属し裏社会で活躍するスナイパー。
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「普通の学校に通いたい」と希望し、美浜学園にやってきた雄二でしたが、そこにいたのはいずれも過去に秘密を抱える5人の女子生徒たち。
雄二は女の子一人一人の過去を知り、傷を癒す手助けをしていきます。
訳ありの雄二と、同じく訳ありの女の子たちの学園&寮生活を描いた学園ラブコメディに加えて、それぞれの壮絶な過去が明かされるサスペンス要素が強い作品です。
榊由美子は、美浜学園の生徒の一人。
ロングヘアが特徴のスレンダーで清楚な感じの美少女ですが不愛想で気難しい性格に加え、人を敢えて寄せ付けない言動から美浜学園の他の4人の女子生徒とは交わらず、孤立しています。
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雄二と初めて会うシーンでは、話しかけてきた雄二に由美子はカッターナイフでいきなり切りかかるという凶暴性を見せますが、これは未知の人間を遠ざけようとしてのこと。
その後も、雄二を学園から排除しようと度々カッターナイフを振りかざす由美子ですが、そんな由美子に雄二は「俺は敵じゃない」と言い、徐々に警戒を解くよう導くのでした。
警戒心が強くて不愛想な美少女・榊由美子の声を演じたのは、声優の田中涼子さんです。
田中さんは声優として1996年から活動を開始、現在フリーの声優として活躍中です。
声優としての代表作には、「School Days」の黒田光役、「H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-」の神楽ひなた・神楽ほたる役、「リトルバスターズ!」の来ヶ谷唯湖役などがあります。
テレビアニメ以外でもゲーム作品のキャラクター声優としても活躍している田中さん。
「イースV -Lost Kefin,Kingdom of Sand-」のマーシャ役「神撃のバハムート」のアンリエット役など、人気の作品でもお馴染みですよ。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。
必要以上に自分の周りに壁を築き、未知の人物を排除しようとする由美子ですが、そうなったのには生い立ちに理由があります。
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実は由美子は、巨大財閥「東浜電鉄グループ」の総帥・道昭の一人娘。
由美子の母は没落した名家の娘で、家柄に箔をつけたい道昭の元へほとんど売られるようにして嫁ぎました。
跡継ぎとなる男子の誕生を期待していた道昭でしたが、意に反して生まれたのが女子の由美子だったため落胆します。
さらには由美子を産んだのち母が再び子供を産めないことが分かったことから、母の二人は道昭から遠ざけられてしまいショックから母が入院してしまい由美子は孤独に育ちます。
それでも心の支えである母の回復を信じ、足繁く病院を訪れる由美子…。
ところがある日「あなたが男だったら良かったのに」と呟いた母の言葉を聞き由美子は絶望してしまうのでした。
そして、愛人との間に男子が生まれたことで母は自ら命を絶ってしまいます。
その後、愛人の子供が亡くなったため、跡取りとして父いる榊の家に戻された由美子は、窮屈な「籠の中の鳥」のような生活を送ることになるのでした。
父の言いなりで転校した先で由美子に追い打ちをかけるような出来事が起こります。
仲が良いと思っていたクラスメートが由美子の悪口を言っているのを聞いてしまったことで、ただでさえも精神が不安定だった由美子は、とっさに持っていたカッターナイフでクラスメートを切りつけたのです。
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クラスメートの悲鳴が響く中で呆然と立ち尽くす由美子…。
父・道昭の力で事件はもみ消され、公にならずに済みましたが、由美子は転校を余儀なくされますが、傷害事件を起こした由美子を他の学校に転校させるのは危険だと判断した父・道昭は、由美子を監視し、社会復帰できるように学校を作り上げます。
それが、物語の舞台となる「美浜学園」及び学生寮なのです。
由美子の為に作った教育施設なため採算は度外視、生徒がたった5人でそれぞれ過去に何らかの問題を抱えた生徒ばかりなことにも納得です。
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こうして父のもとを離れた由美子ですが、その動向は父・道昭に報告され、実質上軟禁状態に等しいと言える扱いをされていたのです。
こうして、何の希望も見いだせず、毎日学生寮と学校を行き来するだけの由美子。たまに河川敷で写生することが唯一の息抜きといった生活を送ります。
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そこへ転校生徒してやってきた風見雄二が加わったことが、この後の由美子の運命を大きく変えることになります。
学園創立者の娘ということで生徒の個人情報を知ることができる由美子ですが、雄二の経歴などが偽物であることに気付き警戒を強めます。
そんな由美子の警戒を解こうと「ゆみゆみ」「ゆみこ」と呼び掛ける雄二でしたが、由美子からは「蹴りとばしたくなる」などと冷たくあしらわれます。
後に雄二が所属する「会社」が由美子の父・道昭を顧客にしており、雄二が美浜学園に転入したのもその繋がりがあったからということが判明します。
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雄二は由美子の「観察者」としての役割を担っていた部分もありますが、由美子と親しくなろうと考えたのは仕事上のもだけではなかったようです。
それは、由美子を連れ戻そうと画策した道昭の計画に逆らったことからもよくわかりますよ。
一刻も早く由美子を東浜電鉄グループの跡継ぎとして教育したいと考えた父・道昭は、雄二の「会社」の上司であるJBに「雄二を使って由美子を家に戻るよう手伝いをしろ」と迫ります。
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JBは「雄二に由美子の護衛をさせたうえで暴漢に襲わせ、雄二がやられる姿を見せることで由美子が実家に戻るよう仕向ける」という提案をしますが、雄二は作戦に逆らい相手をコテンパンにして計画を台無しにしてしまいます。
怒った父・道昭は、由美子を海外留学させ学園を閉鎖する決定を下しますが、それに反発した由美子は寮の自室に引きこもってしまうのでした。
業を煮やした道昭は由美子を連れ戻すために学生寮に乗り込んできますが、父親の言いなりになりたくない由美子は父親の前で手榴弾を爆発させ自殺をはかります。
由美子の死体を前に号泣する道昭…。
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しかし、これはすべて雄二が立てた「榊由美子をこの世から抹消する」ための作戦だったのです。
作戦は成功し、由美子は新しい戸籍を得て新しい人生を歩むことになるのでした。
なお、後日、(偽の)由美子が眠る墓の前で、「なぜ学園を潰さなかったのか」と尋ねた雄二に道昭は、由美子の遺書に学園を残して欲しいと書かれていたこと、最初で最後のその願いを叶えたのだと。
そして道昭は「由美子という娘を持ったことを誇りに思う」という言葉を残して立ち去りますが、木の陰で父の言葉を聞いた由美子は「ありがとうお父さん」と呟きます。
こうして、新しい自分を手に入れた由美子は、心の底からの笑顔を雄二に見せるのでした。
不愛想なため、言葉も少ない由美子ですが、そのかわり父との対決シーンでは心に刺さるような名言が飛び出していますよ。
ここでは、由美子の名言を紹介します。
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「あなたは私のことを分かってくれなかったけど、私もあなたのことを分かろうとしなかった」
「私のことは最初からいなかったと思って」
「ごめんね、お父さん」
手榴弾を手にした由美子が、生まれて初めて自分の気持ちを素直に伝えられた瞬間だったのではないでしょうか。
父親に最後に残す言葉としてはあまりにも寂しい名言となりました。
「お父さんとお母さんの間に生まれたことは少しだけ嬉しく思えるようになった」
「ありがとうお父さん。さようなら」
由美子の墓の前で、父の言葉を聞いた由美子の言葉。
ずっと榊の家に生まれたことを疎んでいた由美子でしたが、父と完全に決別したことで少しだけ自分を認めることができたと思える名言ですね。
不愛想ながらもスタイル抜群の由美子は、「グリザイアシリーズ」人気のキャラの一人として、フィギュアなどのキャラクターグッズも多数ありますよ。
ここでは、由美子の貴重なバニー姿のフィギュアを紹介します。
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慣れない恰好で恥ずかしいのか、ちょっと困った表情の由美子がなんとも魅力的なフィギュアですね!
どの角度から見ても由美子のプロポーションがばっちり観察できるファン垂涎の品ですよ。
この他にも由美子のフィギュアやグッズはたくさんありますよ!
「グリザイアシリーズ」に登場するスタイル抜群の美少女ながら不愛想なフィギュアなどのグッズが人気の榊由美子。
アニメ版での由美子の声は、声優の田中涼子さんが担当しました。
今回は、由美子についてネタバレで紹介しましたよ。
不幸な家庭環境に育った由美子でしたが、父との決別は悲しいながらも由美子が生まれ変わるきっかけになっています。
父との対決シーンは由美子の名言も聞けるので、ぜひ注目してくださいね。