腹筋運動の王様クランチとシットアップ
腹筋運動と聞くと多くの人は上体起こしを思い浮かべるはずでしょう。上体起こしは別名「クランチ」「シットアップ」と呼ばれており、実はそれぞれ運動方法に違いがあることはあまり知られていません。腹部正面の腹直筋を鍛えてお腹のラインがくっきりと分かるまでに仕上げるためには、腹筋トレーニングをキチンと理解して行わなければいけません。「どこの部位を鍛えるのか」「どの程度の負荷を与えるのか」をよく考えることが効果的な腹筋の鍛え方につながります。そこで、今回は腹筋の王道である「クランチ」「シットアップ」についてトレーニング方法を動画と事例を交えてご紹介していきます。
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腹筋運動の王様クランチとシットアップの違い
「クランチ」は仰向けになった状態で、上体を床から少し浮かせる程度に起こす腹筋運動です。体をあまり起こさないことで、「腹直筋の上部」に特に強い負荷を与えることができます。腹筋に限定して負荷を与えることができるので、腹筋の鍛え方としてトレーニングジムなどではクランチをメニューに推奨するところが多いようです。
「シットアップ」は床に仰向けに寝た状態から、体を起こし切る腹筋運動です。クランチは腹筋にのみ負荷をかける運動でしたが、シットアップは体を起こす際に「腰」と「大腿筋」も使用するため、鍛えることのできる範囲が広範囲に渡っています。ただ、腹筋のみにかかる負荷を考えた場合、シットアップはクランチよりも低いため、効果や効率の点においてクランチは勝っています。
クランチで腹筋を鍛える①【クランチの基本】
基本的なクランチのポジションは、膝を立てて仰向けに寝るところから始まります。この時膝の角度は、トレーニングの負荷のかけかたや運動のしやすさを考慮して調整してください。
クランチを行う際の手の位置については、「首の後ろで手を組む」「胸の前で手を交差させて組む」「両手を膝頭の上に置く」などいくつか種類があります。手の置き場所によって、負荷や運動のしやすさが変わるためトレーニングレベルや目的に合わせて使い分けをするのが効果的です。クランチでの鍛え方は「膝の角度」「手の位置」を意識すると効果が変わります。
クランチで腹筋を鍛える②【サイドクランチ】
サイドクランチは文字通り「腹部の横側」を鍛えるクランチです。腹斜筋を鍛えることができるため、くびれの形成や脇腹の引き締めに効果的な運動です。ホームポジションとして、まず体の側面が地面につくよう横になり、上の手を耳の後ろ側辺りに当てます。腹斜筋に負荷がかかっているのを意識しながら、上体をゆっくり上下させます。
サイドクランチは足を真っ直ぐ伸ばして行うものとは別に、上体と足を同時に上へ引き上げる方法もあります。この方法で行う方が、腹斜筋に対する負荷が足を真っ直ぐ伸ばして行うものよりも強くなります。よって、ある程度基本になれて運動のコツが分かってきて鍛え方に変化をつける際に活用したいところです。
クランチで腹筋を鍛える③【バイシクルクランチ】
バイシクルクランチはクランチの中でも鍛え方の難しい運動です。特に足の動かし方が難しいので、まずは上半身の動きとは別に練習するとよいでしょう。足の動きは片方の足を真っ直ぐ伸ばして、もう片方の足は体に引き寄せる交互の動きを繰り返します。上半身は軽く地面から浮かせ、両手を頭の後ろに軽く添えます。
足の動きに合わせて、上半身を左右非対称に交互に内側にひねります。一連の動作をスピーディに行うことで有酸素運動としての効果が出てきます。また、腹直筋、腹斜筋、他の体幹を一度に鍛えることができるのでとても効率的な運動です。基本クランチをしっかりと覚えて、バイシクルクランチへステップアップするとよいでしょう。
クランチで腹筋を鍛える④【リバースクランチ】
基本クランチは腹筋上部への負荷を意識して行うものですが、腹筋下部へ負荷を与えたい場合には「リバースクランチ」がおすすめです。「リバース」には「反対」という意味があり、その名の通りリバースクランチは基本クランチと鍛え方が異なります。基本クランチは上半身を起こしていました。しかし、リバースクランチは仰向けの上体で床に横になり、お尻を床から引き離すように上げ下げします。そのとき膝を胸につけるくらい上げるとより効果的です。
リバースクランチを行う際の手の位置は、まずお尻の下に置くところから始めてください。それによって、お尻を浮かす感覚を得る補助的な役割になります。少しなれてきたら両手を頭の後ろに添えることでより負荷をかけた効果的なトレーニングが可能です。
クランチで腹筋を鍛える⑤【シザーキッククランチ】
リバースクランチでトレーニングを重ねて下腹部の強化を行ったら、次はその応用編であるシザーキッククランチに移るとよいでしょう。シザーキッククランチは仰向けに横になり、両足を天井に伸ばした上体がホームポジションとなります。この姿勢を維持するだけでも、それなりの筋力が必要となるのでまずは練習してください。
シザーキッククランチの鍛え方は足の動きによって変わってきます。左右交互にハサミの動きのように前後させることで下腹部へ負荷を与えますが、足をどのように動かすかでその運動強度と負荷のかかる範囲が調整できます。最初はあまり高く足を上げず、低い位置で下腹部へ負荷のかかり具合を確認しながら行うのがよいでしょう。
クランチで腹筋を鍛える⑥【ダンベルクランチ】
トレーニングを重ねていくと自重だけでは物足りなくなるでしょう。クランチも鍛え方によってはウェイトを使って負荷を上げることができます。ダンベルクランチと呼ばれるこのトレーニング方法は重りであれば、ダンベルでもウェイトプレートでも利用可能です。基本クランチと動作は変わりません。ただ、ウェイトを胸のあたりで持ちながら固定します。
また、ロングアームウェイテッドクランチという鍛え方もあり、ウェイトを胸の位置ではなく手に持って真っ直ぐ伸ばします。この方法は胸の位置に持って行うものよりも、腹筋への負荷が強くなります。さらに、腕を伸ばしているので方や腕の筋肉も合わせて鍛えることができます。とても効率のよいトレーニングです。
シットアップで腹筋を鍛える
シットアップは上半身を起こしきることでより広範囲に負荷をかけることが可能です。基本クランチとリバースクランチを総合したような運動であるため、きちんと行うにはある程度の筋力が必要となります。まず、コツをつかむためにクランチのように膝を立てた上体で上体を起こしきります。ここで、ある程度感覚がつかめてきたら、足を伸ばます。足を伸ばすことでサポートがなくなるため腹筋への負荷が増大します。
ただ、単調にシットアップの作業を続けることに飽きてしまう場合は、このような歌に合わせて運動を続けることで、ペース配分を上手く行えるようになります。さらに、モチベーションもあがり効果的な運動になります。
クランチとシットアップまとめ
いかがでしたでしょうか。クランチとシットアップには実は明確な違いがああり、「腹筋」にはたくさんの種類の運動が実は存在しています。クランチは「基本クランチ」と「リバースクランチ」を基本に腹部上部と下部を鍛え分けできます。それに対してシットアップは体を起こしきるため、幅広い範囲に負荷を分散して腹筋運動ができます。
目的に合わせてトレーニングを組み立てて、6パックやくびれを作ってくださいね!