はじめに~ご存知ですか?塩うがいのすごい効果!
最近注目を浴びている健康法の一つに「塩うがい」は、「口臭」や「口内炎」などの予防に力を発揮してくれます。「うがい」と「塩」が「抗菌」の働きをしてくれるのです。では具体的に、「うがい」と「塩」の効果についてご紹介していきます。
うがいの効果
「うがい」は、多くの皆さんが子供のころから、外出先から帰ってきたら手洗いと共に行う必要があると習慣づけられていると思いますが、それほどに効果があるものです。「喉の奥が痛い」「喉の奥がイガイガする」などの場合に、うがいをすると力を発揮してくれます。「うがい」は単なる「口をすすぐ」場合とは違い、喉の奥にくっついている雑菌などを取り除いてくれるからと考えられます。つまり「抗菌」作用があるからです。
「うがい」の語源は日本の伝統漁法の「鵜飼い」にあるようです。「鵜飼い」の鵜に魚を飲み込ませ、その後これを吐き出させる様が似ているので「うがい」と呼ばれるようになったとされています。日本では「手洗い・うがいで風邪やインフルエンザを予防しよう」と言われていますが、その理由は、日本の冬季は湿度が20~30%くらいまで乾燥するので、うがいによって喉に潤いを与える効果があると考えられます。近年は、風邪・インフルエンザの感染予防は、「咳(せき)エチケット」「手洗い」を推奨しています。海外では、人前でうがいをすることがエチケット違反と捉えられることもありますので、注意が必要です。
塩の効果
「塩」も古来から、「抗菌」効果のある食品として知られてきました。おにぎりを作るときに塩を手にまぶして握ることもその理由です。と言うことは、口臭や口内炎にも効果があるのは納得できます。しかしなぜ塩に「抗菌」効果があるのかと言うと、塩そのものというよりも、塩の「浸透圧」が要因のようです。ちょっと難しい話のようですが、とにかく、科学的なことが解明される前に実践していた昔の人の知恵はすごいなあと感心します。
塩の防腐作用は塩の浸透圧によるものです。浸透圧により微生物中の水分が細胞外に引き出されて、微生物(細菌、カビ、酵母菌など)は死滅します。(しかし、後に述べる好塩菌は、カリウム塩類などを細胞の中に蓄積して細胞の外の浸透圧とバランスさせていますので死滅しません)。浸透圧は塩だけではなく砂糖でも生じますので、砂糖漬けとしても食品を保存できます。塩は砂糖よりも入手しやすく、少ない重量で大きな浸透圧が得られますので防腐効果が高いといえます(表参照)。
塩うがいのすごい効果!
「うがい」と「塩」が組み合わさった「塩うがい」は単純そうに見えますが、実に効果的なことが医学的見地からも明らかです。そして多く言われている具体的な効果は次の7つが挙げられます。
①風邪・インフルエンザの予防 ②風邪を治す ③口臭を抑える ④口内炎を抑える ⑤虫歯を予防する ⑥花粉症の症状をやわらげる
⑥痰を取り除く
それではさらにひとつひとつ、その効果についてご紹介していきます。
塩うがいのすごい効果!❶風邪・インフルエンザの予防
うがいは、「風邪の予防」になりますが、それは喉の奥にくっついた風邪のウィルスを取り除いてくれるからです。これが「抗菌」作用があるということです。さらに塩が入っていることでその効果は高まります。そして風邪だけではなく、インフルエンザにも効果を発揮するという点が、その力のすごさを物語っています。
しかし最近の意見として、インフルエンザの予防にはならないとの見解もあるようです。その理由は、「ウィルスは、喉につくと20分もすれば体内に入ってしまうため」と言われています。この見解からすると20分に1度はうがいをしなくてはいけないことになりますが、それはとても無理です。専門家にお聴きしないと実際のところはわかりませんが、「まったく効果的ではない」ということではありません。もちろん効果は100%ではありませんが、やはり「うがい」を実践したほうが良いと言えます。
塩うがいのすごい効果!❷風邪の治療
塩うがいは風邪を予防するだではなく、「風邪を引いてしまった」場合にも効果を発揮してくれます。野菜の浅漬けをつくるときに「塩もみ」をしますが、水分が早く抜ける現象が起きます。これは「脱水作用」というもので、人間の身体にも同じことが言えます。つまり、喉にくっついて炎症を起こしている風邪のウィルスが、塩の脱水作用によって水分とともに取り除いてくれるからです。「もう手遅れ!」と思わず、トイレに行くときなどにでも、こまめに塩うがいを実践しましょう。
塩うがいのすごい効果!❸口臭予防
塩には抗菌作用があることをご紹介しましたが、塩にはさらに「唾液の分泌を促す」作用もあります。唾液が少ないと口臭が強くなると言われています。塩うがいをすることで、唾液の分泌を促し、気になる口臭を抑えることができます。しかし口臭の原因はほかにも考えられることがあるそうです。塩うがいだけで治らない場合は、専門家に相談をしてみてください。
塩うがいのすごい効果!❹口内炎予防
口の病気のひとつに「口内炎」があげられます。口内炎は、口の中にできた、お肉がむきだしになったもの。ここに食べ物が触れると、とても痛くてつらいです。しょう油や塩だとなおさらです。歯ブラシやデンタルフロスを使うのも、とてもつらいものがあります。それでも本当は頑張って歯磨きなどをしたほうが良いのですが、どうしても痛みに耐えられない場合に「塩うがい」をしましょう。
「痛いから」と言ってそのままにしておくと、余計に口の中が不衛生になり、口内炎が治りにくくなります。歯ブラシ等が口内炎に触れるよりも、塩水のほうがまだ痛みが少ないはずです。
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塩うがいのすごい効果!❺虫歯予防
次に、塩うがいは「虫歯」の痛みを抑えてくれる作用もあります。歯ぐきから血がにじんでしまったり、歯の治療で出血してしまったりということもあります。そういう場合にも塩うがいは効果を発揮してくれます。歯磨き粉のテレビコマーシャルなどで聞き覚えのある方もいらっしゃると思いますが、塩は「歯ぐきの血管を引き締める」効果があるそうです。しかし、万が一血が止まらないという場合は、塩うがいはせずに必ず歯医者さんで診察をしてもらってください。
塩うがいのすごい効果!❻花粉症対策
日本人の25%、4人に1人が花粉症と言われています。花粉症は、スギやヒノキなどの植物が原因となり、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こす病気です。花粉症はさらに、大きく二つに分類されます。一つは、「季節性アレルギー性鼻炎」で、原因である花粉の飛ぶ季節にだけ症状が出ます。日本ではなんと、60種類ほどの植物が花粉症を引き起こすことが報告されています。もう一つは、「通年性アレルギー性鼻炎」で、ダニや家の中のホコリが原因とされています。アレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あるため非常に厄介です。
塩うがいは、特にひとつめの「季節性アレルギー性鼻炎」に効果的とされています。外出先から帰ったらまず玄関で上着を脱いでチリやホコリなどを払いましょう。そして塩うがいを実践してください。
塩うがいのすごい効果!❼痰の除去
ここまでいろいろご紹介してきましたが、喉に良い塩うがい。当然ですが、喉にからんだ「痰」をすっきりと取り除いてくれる作用があることがわかります。塩の抗菌作用が、力を発揮してくれます。イガイガする喉を塩うがいですっきりさせましょう!
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塩うがいのすごい効果!【作り方】と【方法】
さて、それでは塩うがいを実際にしてみましょう!用意するものは、「塩」「水」「コップ」だけです。作り方は、以下のようになります。
3つの道具が揃ったら、コップ1杯のお湯か水を用意し、指で塩を‟ふたつまみ”ほどコップに入れてください。
【Step 1】 手を洗います(手についた雑菌を洗い流すため)
【Step 2】用意した塩水を口に含み、口の中の汚れを取るように強く「クチュクチュ」と洗います。そして水を吐き出します。
【Step 3】 また塩水を口に含みます。そして飲まないように気を付けながら、口を大きく開けます。次に胸を広げて肩を後ろにそらし、上を向き、声を出して「あ」の発音を5秒ほどしてください。
【Step4】 静かに吐き出します。
まとめ~塩うがいのすごい効果!
以上、「塩うがい」の効果とその方法についてご紹介しました。塩うがいは抗菌作用があるため、「風邪とインフルエンザ」の予防、「風邪の治療」「口臭」や「口内炎」の予防に力を発揮してくれます。そして効果的な方法は、口をすすぐだけではなく、口の中で強く「クチュクチュ」と塩水を動かします。そして胸を広げて肩を後ろにそらし、上を向き、声を出して「あ」の発音を5秒ほどすることです。塩うがいを毎日して、健康的な生活を送りましょう!