オペラの始まりは王族達の娯楽から
音楽が趣味という人でも、オペラの歴史を問われると答えに悩んでしまう人もいるかもしれません。ここで少し紹介しますと、オペラは1600年代に始まりました。今となっては、どんな人でもオペラを楽しむことができますが、昔は王族達のエンターテイメントで、もちろん、当時は今のように録音して後できくということはできなかったので、もっぱら劇場へ足を運んで観賞していました。
初めてオペラのコンサートが開催されたのは、1607年だと言われています。でも、その時はまだ庶民は楽しむことができず、大衆化されたのは、1637年以降です。同じ年に、イタリアのベネチアに最初の公開オペラ劇場が建設されます。
まだまだ王族と庶民との間で貧富の差があった時代だったため、観賞する席も分けられていました。でも、多くの人達がオペラを愛したため、1700年代に入るまでには、10を超えるオペラ劇場がオープンしました。
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オペラはミュージカルとは違うの?
劇場で行なわれるショーとして、ミュージカルもありますよね?みなさん、オペラとミュージカルの違いを知っていますか?この2つ、音楽的にみても、少しジャンルが異なります。
オペラはクラシックが原点×ミュージカルはミックス要素
オペラはクラシックが原点なのに対し、ミュージカルは色々な音楽要素が混ざっています。歴史的にみても、オペラの方が古く、ミュージカルは19世紀頃から始まったと言われています。
オペラは歌がメイン×ミュージカルはダンスも有り
また、実際に上演中のパフォーマンスをみてみても、オペラは歌が多いのに対し、ミュージカルは歌以外に演技やダンス要素も含まれます。歌い方も双方では違っていて、オペラは主に声量が求められるのに対し、ミュージカルは声量よりも個性が求められることが多いです。歌手の中には、両方に適している人もいますが、どちらにも求められるのは、表現力になります。
オペラvsオペレッタ
日本では余り聞いたことがないかもしれませんが、オペラに似た言葉で、「オペレッタ」というものがあります。オペレッタはイタリア語で小さなオペラという意味で、規模的にもオペラと比べると小さく、上演時間も短いです。また、オペレッタは19世紀頃からフランスで生まれ、オペラと比べると喜劇的なストーリーが多く、せりふも多いです。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲①:フィガロの結婚(Le nozze di Figaro)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが30歳の時に作曲したのが、この「フィガロの結婚」で、彼は作曲だけをして、ロレンツォ・ダ・ポンテがせりふを付けました。フィガロの結婚は、フィガロとスザンナの結婚をテーマに、2人の1日の出来事をストーリーにしています。フィガロとスザンナの他にも、伯爵と伯爵夫人、医師バルトロ、女中頭マルチェッリーナ、ケルビーノなどの登場人物が出てきます。伯爵は、スザンナがお気に入り!スザンナの初夜権を奪おうとしますが、それをフィガロが止めようとします。
医師のバルトロは、昔伯爵夫人と結婚したかったのですが、フィガロの策略で伯爵と結婚してしまいます。これをずっと恨んでいたバルトロは、フィガロの結婚をどうにか止めようと試むなど、他にも女中頭マルチェッリーナ、ケルビーノなどが加わって、ドタバタ劇が始まります。そして最後は、フィガロの結婚とタイトルにもあるように、ハッピーエンドで終わります。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲②:アイーダ(Aida)
フィガロの結婚と同じくらい有名なのが、「アイーダ」ではないでしょうか?ジュゼッペ・ヴェルディが作曲したもので、ファラオ時代のエジプトを舞台に、主人公は将軍ラダメスと女王アムネリスの侍女アイーダです。2人は愛し合っていましたが、ある日エジプト王が将軍ラダメスに、女王アムネリスと結婚するよう命じ、これを拒否します。その結果、獄中生活を強いられることになりますが、彼のことを思っていたアイーダは、自ら牢の中へ行きます。最後は、ラダメスとアイーダが天上の世界で結ばれるという、切ない終わり方をします。
アイーダは、劇団四季が定期的に上演したりすることもあります。また、劇中の「凱旋行進曲」は、テレビやCMでもよく使われてます。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲③:魔笛(The Magic Flute)
アイーダに続いて紹介するのが、「魔笛」です。こちらもモーツァルトの作品です。おそらく、彼の作品の中で一番最後に作曲されたものです。魔笛は、当時とっても人気で、彼が亡くなるまでに100回以上は公演されたそうです。
魔笛のストーリーは、タミーノ王子を主人公に、捕られの身であったパミーナを見つけに森に行きます。途中、ヘビに追いかけられ、タミーノ王子は気を失います。気が付くと、タミーノ王子の家来だったパパゲーノが、オレがヘビを倒した!といいます。ところが、実際には夜の女王に仕える3人の侍女をヘビを倒します。嘘をついたパパゲーノは、口に鍵をかけられます。
魔笛は、ストーリーがいくつかに分かれています。そして、最後はハッピーエンドで終わります。魔笛もそうですが、1700年代のオペラ作品の多くがロマンスや戦いをテーマにしています。時代的な背景かもしれませんね。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲④:カルメン(Carmen)
魔笛に続いて、「カルメン」も有名ではないでしょうか?カルメンは、ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラです。イタリアではなくフランス語のオペラで、元々はプロスペル・メリメの小説を元にオペラ化したといわれています。スペインを舞台に、ジプシーの女であったカルメンとカルメンに翻弄される男性達のストーリーで、最後はカルメンが殺されて終わります。カルメンの歌う「ハバネラ」という曲は、とても有名です。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲⑤:蝶々夫人(Madama Butterfly)
カルメンに続いて、「蝶々夫人」の紹介になりますが、蝶々夫人は比較的新しく、最初の公演は1904年です。ジャコモ・プッチーニ作曲で、舞台は日本の長崎。芸者の蝶々は、アメリカ海軍兵のピンカートンと結婚。でも、結婚生活は長く続かず、ピンカートンはアメリカに帰国して別の女性と結婚。ピンカートンはアメリカに帰国した後に、蝶々は子供を出産。別の女性と結婚した事実を知った蝶々は、二人の子を残してこの世を去るという悲劇的なストーリーです。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲⑥:ドン・ジョヴァンニ(Don Giovanni)
クラシック音楽の作曲家として知られる、モーツァルトですが、実はピアノの曲以外にもオペラ音楽を色々作っています。「フィガロの結婚」がヒットしたため、その後に作曲されたのは、「ドン・ジョヴァンニ」という曲。順番でいうと、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」ときて、最後に「魔笛」になります。ストーリーは、女好きのドン・ジョヴァンニが主人公で、男女間の愛や裏切り、悲しみなどをテーマにしています。最後は、ドン・ジョヴァンニ自身が地獄に落ちて終わります。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲⑦:椿姫(La traviata)
ジュゼッペ・ヴェルディの作品で、主人公は高級娼婦のヴィオレッタ。貴族のアルフレードと恋に落ちますが、彼のい父ジェルモンが、彼らの仲を引き裂きます。一度娼婦を離れたヴィオレッタでしたが、再び娼婦に戻ります。その後、2人の間に誤解があったことを、ジェルモンからきいたアルフレードは、ヴィオレッタへ謝りにいきます。ところが、すでに難病に冒されていたヴィオレッタだったため、彼の許しと2人で一緒に暮らす約束が果たせず亡くなります。
初心者でも知ってる!?オペラの有名定番曲⑧:フィデリオ(Fidelio)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの唯一のオペラ作品で、16世紀のスペインの刑務所を舞台にしています。政治家の妻だったレオノーレは、刑務所長のピツァロの悪徳を暴く為に、男装して刑務所にもぐりこむというストーリーです。夫婦愛と誠意をテーマにしています。
初心者でも趣味でオペラを学べる?
最初はオペラを鑑賞したり、聞いたりするのが趣味だった人の中には、実際自分もオペラを学んでみたいと思う人もいると思います。オペラも他のジャンルと同様に、音楽の基礎的な知識が必要になりますが、初心者でも趣味程度で楽しむなら、オペラのクラスに参加することができます。オペラを学んでみたいという人は、近くにある音楽教室などに問い合わせてみましょう。過去に声楽や合唱経験者かを問われるところもあれば、過去の経歴に関係なく年齢でクラスを割り振っているところもあります。
また、最初は趣味レベルでも、徐々に趣味以上のレベルにあげてみたいという人もいると思います。そうなった場合は、アマチュアやセミプロのオペラ歌手を目指してみてはいかがでしょうか?趣味程度で終わらせるのはもったいないと思います。確かに、プロのオペラ歌手になるには、かなりの年数とコネクションが必要になりますが、けして不可能ではないと思いますよ!
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まとめ
いかがでしたか?今回は、オペラの歴史や初心者でも楽しめるオペラの定番有名曲について紹介してみました。オペラに興味のある人や好きな人は、ぜひ劇場へ足を運んでみませんか?耳に心地よい響きと美しい歌声を満喫できますよ!