カキン王国第四王子であるツェリードニヒは一見知的な若者です。しかし、権力志向の強い野心家です。人体収集家という一面を持ち、若い女性を解体するという残虐性を持つサイコパスなキャラクターです。ハンターハンター界でも特に異端と認識されています。

緋の眼の最後の所有者であり、クルタ族の生き残りであるクラピカの最終標的でもあります。この記事ではツェリードニヒの念能力、念獣及び強さについて考察します。

カキン王国の国王であるナスビ・ホイコーロが、暗黒大陸へ進出すると全世界へ宣言します。暗黒大陸はハンターハンター界でも未踏の地です。暗黒大陸へ向かう渡航船BW（ブラックホエール）号の中では次期国王を決めるための王位継承戦が行われます。14人の王子たちの生き残りを懸けた戦いが繰り広げられます。

「ハンターハンター」とは週刊少年ジャンプで長く連載されている、冨樫義博による大人気のバトル漫画です。主人公であるゴン・フリークスが偉大な父を探す冒険物語で、仲間との絆も描かれているストーリーです。一人前のハンターになるべく修行を積み、数多くの強者達と戦い成長していきます。念能力を用いたバトル描写もアイデアに長けていて面白いと大変人気の漫画です。

ハンターハンターは現在「暗黒大陸編」及び「王位継承戦」の物語が進んでいます。ナスビ・ホイコーロ国王は次期国王を決めるために14人の王子達に生き残りをかけたサバイバルを課しました。暗黒大陸へ到着するまでの間に最後の一人になるまで戦わなければならず、不参加や途中離脱は認められません。また、それぞれの王子には守護霊獣という能力が授けられますが、王子達の意思で操ることはできません。

王子一人一人に最大15人まで護衛をつけられます。上位の王子ほど権力が強く有利な立場にあります。継承戦にはタブーもあり、王子たちは互いを直接殺しあうことはできません。直接手をかけた場合は重罪人となります。また、王子たちの間には連絡手段ルールも存在します。上位王子から下位王子への連絡は出来ますが、その逆は不可です。下位王子が上位王子へ連絡するには、全体共通チャンネルを使用します。

ハンターハンター王位継承戦の中でも読者の注目を集めているのがツェリード二ヒとクラピカの対決です。クラピカは第14王子であるワプルの護衛です。しかし、ツェリード二ヒに接触し緋の眼を取り返すことが目的です。最終的に誰が生き残るのかと、クラピカは緋の眼を取り戻すことができるのかが王位継承戦の注目ポイントです。

ハンターハンターの登場人物の中でも一際異端な面が際立つツェリードニヒは、暗黒大陸編のキーパーソンともいえるキャラクターです。ファンの間では念能力の強さからラスボス候補ともいわれています。クラピカとの今後の対決も注目を集めている理由です。表向きは紳士的に振舞っていますが、禍々しく残酷な一面を持つツェリードニヒの人物像から解説していきます。

ツェリードニヒの王位は第四王子にあたります。第一王妃であるウンマを母に持ち、第一王子であるベンジャミンとは実の兄弟です。王子たちには産まれた順で1～14までの番号が振り分けられていますが、継承戦の順位には関係ありません。あくまでツェリードニヒは4番目に誕生したホイコーロの子という意味合いでの王位です。

ツェリードニヒはハンターハンターの中でも残酷で無慈悲であり、サイコパスな性格の持ち主です。自身に絶対的な自信を持っており、無知なことを徹底的に嫌っています。他の王子たちのことも見下しており、王位継承戦で全員一掃しようと企んでいます。また、権力の強さを利用し、自身の犯罪をなかったことにする自分本位の面も覗かせます。ツェリードニヒのこの世で一番嫌いなものは嘘をつく女性とのことです。

仮に自身が王となった場合には、ツェリード二ヒは「国民を使えるゴミと使えないゴミに二分する」と発言しています。このセリフからもツェリード二ヒの利己主義的な性格が伺えます。ツェリード二ヒの独自の美学に沿わないものはどんな扱いを受けるか想像ができません。

ツェリードニヒの正確な年齢は明らかとはなっていませんが、30代～40代ではないかとの考察があります。ツェリードニヒは緋の目をいくつか所有しておりクラピカの標的です。そのことからもクルタ族が虐殺された6年程前にはそれなりの金銭的余裕があったであろうということも根拠です。

ツェリードニヒの趣味は若い女性や有望な若者を解体して惨殺することです。作中では部下にクラブで声をかけ連れて来させた女性二人を惨殺するシーンがありました。殺害する際にはこだわりがあるようで、まずヒトか否かの最低ラインをクリアしているか確認します。それはカキン王国の首都名、与党名および国王名を知っているかということです。この基準を満たさないと、ヒトではなくブタやサルと同等とのことです。

作中でツェリードニヒが求めているのは「前途ある若者が極限状態下で産み出す総合芸術」と語っていました。つまりは知識豊富で有望な未来ある若者の命を奪うことです。結局はツェリードニヒのヒトとしての基準をクリアしていても惨殺されることには変わりありません。人道離れした非常に悪趣味な趣味といえます。ハンターハンター作中の中でも随一の残忍な面を持ち合わせているといえます。

ツェリードニヒの家族関係は良好とはいえません。他の兄弟たちのことをゴミやクズ呼ばわりし、徹底して見下しています。「無知の不知。身の程を知らぬ者こそ最大の罪人」とまで言い放ち侮辱しています。特に第一王子ベンジャミンに対しては「震えて眠れベンジャミン。国王は俺だ」と宣戦布告もしました。継承戦で兄弟たちを皆殺しにしようと企む様子が伺えます。

王子一人一人に憑く守護霊獣は、対象となる人物のオーラに応じて姿や能力を変えます。ツェリード二ヒの守護霊獣は、本人の性格を表現しているかのような異形の守護霊獣です。能力もツェリード二ヒの性格を反映したものとなっています。ツェリード二ヒの守護霊獣の強さについて解説していきます。

守護霊獣とは、王位継承戦にて王子たちに憑りついている念獣のことです。初代カキン王が具現化したと言われる壺を使い、壺中卵の儀を行うことで念獣が現れます。守護霊獣には独自のルールがあります。それは守護霊獣同士は攻撃はしないこと、そして守護霊獣が憑りついた王子たちにも攻撃をしないことです。守護霊獣はあくまでも王子たちのサポート的存在とのことです。

守護霊獣が憑りついた王子たちは、たとえ念能力者であっても自身の念獣を視認することができません。故に自身の守護霊獣に具体的な指示を与えることもできません。守護霊獣は自発的に行動する念獣であり、行動が読めない点が厄介であるとクラピカも語っています。

ちなみに「守護霊獣」はカキン王族が使用している言葉であり、「念獣」はそれを知らないハンターたちが使う用語として分けられています。クラピカ含め他のハンターたちは念獣という言葉を使っています。

ツェリード二ヒの一体目の守護霊獣は異形な姿をしています。四足歩行の馬のような胴体を持ち、前足はにわとり、後ろ足はハイヒールを履いた女性のものとバラバラです。そして長い首の先には女性の顔がついており、禍々しさが伺えます。また、女性の顔は開くと更に別の子供のような顔があり、口からは長い舌が出ています。

女性の顔が開くと現れる子供のような顔は、クラピカの幼馴染であるパイロではないかとの推測があります。単純に似ているというだけではなく、裏付けもあります。それはツェリード二ヒが緋の目を所有しており、その中にパイロに似た頭部も描写されていたことです。さらにツェリード二ヒの聡明な子が好みであるという条件にもパイロは当てはまります。

作中ではツェリード二ヒが所有する頭部や守護霊獣の顔がパイロであることはまだ明らかとなってはいません。しかし、緋の目を所有していることでツェリード二ヒは既にクラピカの標的となっています。今後、クラピカがツェリード二ヒの念獣や所有する頭部を見た時の反応でパイロであるかが判明すると推測されます。仮にクラピカの幼馴染のパイロだと確定した場合は、クラピカの怒りが爆発することが予測されます。

ツェリード二ヒの一体目の守護霊獣の能力は、ツェリード二ヒに嘘をついた者を異形のものに変えるというものです。3つの段階を経て対象者を異形のものに変化させます。一度目は対象者に小さな傷をつけます。二度目には傷が広がり、念獣が対象者に直接言葉で警告します。そして三度目に対象者を人間ではない異形のものに変化させます。

嘘をついてもすぐに殺されるわけではない理由は、念獣の役目があくまで仲間を増やすことだからです。これは他の王子たちの念獣にも該当します。仮に異形のものに変えられた場合には、一生ツェリード二ヒの下僕として操作されるのではとの考察もあります。ツェリード二ヒの「嘘をつく女が嫌い」という性格が反映している能力です。

ツェリード二ヒは本能から自身の念能力で2体目となる念獣を具現化させます。2体目の念獣はツェリードニヒの分身でもあり、1体目と同じく異形な姿をしています。ツェリード二ヒの潜在オーラの量がとてつもなく多いことを踏まえると相当な強さを持っていることが伺えます。また、2体目の念獣の腹部には「666」という数字が刻まれていることが確認できます。

2体目の念獣の能力についてはまだ明らかとはなっていません。しかし「666」という数字から不吉な能力を持つと推測されます。「666」はキリスト教徒の間では悪魔を意味する数字とされ、縁起が悪く不吉と言われているためです。無意識に不気味な2体目の念獣を産み出したツェリード二ヒは天才的な念能力の才能を持っています。しかし、ハンターハンター界のパンドラの箱を開けてしまったとも推測されています。

2体目の念獣はツェリード二ヒが意識的に産み出したわけではありません。今後、ツェリード二ヒは意識的に更なる強さの念能力を開花させる可能性は十分あります。どちらの念獣も禍々しく不吉であることから、邪悪な能力が生まれるのではと読者から注目されています。

ツェリード二ヒは当初念能力については知らず、念を既に会得している他の王子たちよりハンデを背負っていました。しかし、ツェリード二ヒの天才的な念能力のセンスは主人公であるゴンを凌ぐほどだと言われています。ツェリード二ヒが念能力取得について天才と評される理由や、念能力の強さについて解説していきます。

念能力について知らなかったツェリード二ヒは念の修行を始めたばかりです。念能力の基本である四大行を取得するだけでも通常半年はかかると言われています。しかしツェリード二ヒはオーラを集約させる「凝」をたった半日で取得します。通常取得まで半年から一年はかかると言われている「発」も、修行開始から一週間ほどで取得しています。念能力の操作において天才的センスを持っていると言われています。

ゴンやキルアも「凝」を半日で取得していますが、二人はもともと念の修行をしていたという実績があります。それでも半日で「凝」を取得したゴンやキルアも天賦の才を持っています。しかしツェリード二ヒは念自体の修行を始めたばかりで、一週間程で「凝」を取得します。二人を遥かに凌駕する速さで念を覚え、その天才的な才能が驚異であり、恐ろしい強さだと言われています。

ツェリード二ヒのオーラの系統は特質系であると判明しています。ハンターハンター界において、念の系統を確かめるためには「水見式」という方法があります。コップに注いだ水に葉を浮かべ、自身のオーラを当てることで系統がわかります。通常は水の量や味が変わる、葉が揺れるなどの変化です。ツェリード二ヒの水見式の結果は非常に禍々しいものでした。

ツェリード二ヒの水見式の結果は、葉だけではなく水をも腐らせ、異常な匂いを放つという衝撃的なものした。禍々しいオーラを纏っていたネフェルピトーの水見式の結果でさえ、葉が枯れるというものでした。葉だけなく水全体も変化させていることから、念の6系統全てを発動させているのではという考察もあります。水見式の結果からも、ツェリード二ヒが想像を絶する強さを持っているのではと話題になっています。

ツェリード二ヒの念能力は「刹那の十秒（未来予知夢）」というものです。目を閉じて「絶」を行うことで発動します。絶を行ったと同時に10秒先の未来を知ることができます。ツェリード二ヒが予知夢を見ている間の時間は現実世界では一瞬の出来事です。ツェリード二ヒが目を開けると予知夢でみた世界がその通りに流れます。予知夢での出来事は現実世界の人間にとって絶対的なものとなります。

予知夢でみた世界が流れている間、ツェリード二ヒは別空間に存在していることになり自由に動けます。そして予知夢でみた未来、および現実を自在に改変することも可能です。改変されても現実世界の人間はそのことに気付くことができません。例えば話しかけられたり殴られたりしても全く気づかず、予知夢通りの行動をします。ツェリード二ヒは自身の都合のいいように現実を変えることができるということです。

目を閉じている間は10秒から先の未来も見続けることが可能です。しかし、現実世界の時間も同時に流れ出します。つまり現実世界ではツェリード二ヒの絶から1秒ずつ進み、ツェリード二ヒは11秒から先の未来を見るということです。ツェリード二ヒが一瞬で絶を発動できれば、絶対無敵の強さの念能力といっても過言ではありません。

ただし、発動条件が「絶」という完全無防備になってしまう制約となっています。10秒から先の未来を見続けるためにも完全な絶状態を維持する必要があります。ですので、接近戦で絶を常に繰り返して戦うことは非常に困難であるといえます。そして、予知夢で見ることのできる範囲も自身と数周囲メートルと広範囲ではありません。広範囲に及ぶ攻撃の場合、予知夢を見ている間に逃げ切らなければなりません。

仮にクラピカと対決となった場合、ツェリード二ヒの念能力の方が有利であると考察できます。予知夢を見ることに成功した際には相手の命を奪うことも可能だからです。ツェリード二ヒは念能力の取得は天才的なスピードです。しかし、実践経験がありません。ハンターハンターでの念の戦闘においては、念能力の使い方次第で勝敗が分かれます。仮にこの二人が戦闘となっても、どちらが勝っても不思議ではありません。

テータはツェリード二ヒを護衛する警備兵で、プロハンターの女性です。クラピカの船内放送により、念能力の存在を知ったツェリード二ヒに詰め寄られ、念を教えることになりました。テータの念能力や強さはまだ明らかとなってはいません。しかし、ツェリード二ヒに念を教えていることとプロハンターであることからそれなりの強さと実力はあると推測できます。

テータはツェリード二ヒに詰め寄られてやむなく念を教える立場になりました。以前からテータは、ツェリード二ヒの残忍で凶悪な性格から「念を学ぶべき人間ではない」と考えていました。しかし、ツェリード二ヒは既に念能力について興味を持ち、学ぶ気でいます。なのでせめて自身が念を教えることで悪用できる危険な念能力の開発を防ごうと試みます。

具体的にはツェリード二ヒの念の特性と合わない系統の修行をさせたり、燃費の悪い能力を教えることです。遠回りに念能力を教えることで時間を稼ぐという試みです。しかし、勘の鋭いツェリード二ヒに見破られ、この試みは失敗に終わります。

ツェリード二ヒは「嘘をつく女」がこの世で一番嫌いです。この性質はツェリード二ヒの念獣にも反映しており、一体目の念獣は嘘に関してとても敏感です。テータはツェリード二ヒが念を取得するべき人間ではないと判断し、ツェリード二ヒの暗殺を試みます。具体的にはツェリード二ヒに「絶」まで取得させ、絶で無防備状態となったところを銃で暗殺する計画です。

ツェリード二ヒは天才的な速さで絶を取得し、それは大きな物音にも動じないほどの完璧さです。ツェリード二ヒが絶を発動させたタイミングにテータは計画を実行します。しかし、ツェリード二ヒの「刹那の十秒」によって作戦は失敗に終わります。ツェリード二ヒの念能力について知らないテータは何が起こったかわからないまま念獣から警告を受けます。

ツェリード二ヒに二度嘘をついたことでテータの顔には小さな傷と刺繍のような痣がつけられました。作戦が失敗したことでツェリード二ヒに裏切りが発覚しましたが、テータはなんとか生き残りました。さらに、ツェリードニヒは嘘をつく女が嫌いでしたが、心境の変化が起こりテータに興味を抱き始めます。

自身に念を教えてくれるテータのことを信頼していたツェリードニヒは、テータの裏切りにショックを受けます。しかし、同時に自身の心境の変化にも気づき、自分でも驚いていると語っています。ツェリードニヒは基本的に女性を女あるだけで軽視し、侮蔑の対象とみているところがあります。そこへ嘘をつくという裏切り行為も加わることで、ツェリードニヒの「この世で一番嫌い」な存在になります。

しかしテータの裏切りを知った後、ツェリードニヒはテータのことを「裏表のある女って可愛いよな」と語っています。この発言から少なくともテータはそれまでツェリードニヒに嘘をついた女とは違う存在と予測できます。

ツェリード二ヒに二度嘘をついたことで念獣に警告され、もうテータには後がありません。次に念獣に嘘をついたと判断されれば、テータは人間ではないものに変換させられてしまいます。現状なんとか生き残ってはいるものの、テータの今後は絶望的だと考察されています。ツェリード二ヒにとってキーパーソンとなったテータの今後の活躍に注目が集まっています。

ツェリード二ヒはハンターハンター作中最もといっていいほどの天才ぶりで、恐るべき速さで念を取得中です。しかし、残虐な性格から念能力を他人の為に使うことはとても考えにくいと考察されています。実践経験はないものの、その天才的な念取得のセンスで、メルエムをも凌ぐ強さを持つことになるのではとの声もあります。ツェリード二ヒの最新の情報はここまでとなり、今後の活躍に注目したいキャラクターです。