はじめに~苔の魅力って何?
自然の苔&庭園の苔
↑奥入瀬渓流
↑屋久島の白谷雲水渓
↑西芳寺
雨上がりの野山に出かけると、ひときわ足元がキラキラと輝いて見える「苔」。よく、滑らかな質感が「ビロードのよう」とたとえられます。
世界では約2万種、高温多湿の日本には約1800種の苔が生育しており、実にさまざまな種類があります。日本では昔から自然の苔を始めとし、京都の寺社などの庭園に植えた苔が鑑賞されてきました。そのため園芸家の方たちは、苔の栽培に関するノウハウも豊富に持っています。
ミクロの世界を鑑賞「テラリウム」
苔は、自然のものや庭園だけではなく、単独で、または他の植物と一緒にして盆栽や苔玉として室内で栽培することもできます。なかでも最近人気の栽培方法が「苔テラリウム」です。直径が数センチメートルのガラスビンの中で栽培する方法です。室内に居ながらにして、まさに苔が織りなすミクロの世界を堪能できます。
最近は「苔女(こけじょ)」または「苔ガール」というジャンルが確立されるほどに若い女性に大人気の苔です。そこで今回は、園芸家の方たちがおすすめする、初心者にも簡単で室内栽培ができる方法についてご紹介します。まずは苔のあれこれについてご紹介します。
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❶苔の種類
苔の語源は「木毛」にあります。つまり、元々の苔は、樹の幹などに生えている小さな植物の総称だったという方もいます。
地面の表面や岩の上を覆いつくすように広がる苔は、「苔類」「蘚類」「ツノゴケ類」の総称として、まとめて呼ばれています。
さらにコケは、「苔類」「蘚類」「ツノゴケ類」に加えて、「菌類」と「地衣類」、そして一部ですが、ごく小型の「維管束植物」(代表的なものはシダ類、ツクシの他にフラワーアレンジメントで用いられるトクサも)、「藻類」などが含まれます。
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❷苔の性質
簡単に言うと苔の性質は、次の2点が挙げられます。
①乾燥に強いが、高温の「蒸れ」には弱い。
②夏は苦手、冬には強い。
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❸栽培の3つのポイント
苔の性質を踏まえると、栽培のポイントは次の3つになります。
①水はけを良くする
苔は、根からではなく葉や茎から直接水分を吸収するため、土壌の水分は多くなくてもOKです。葉の表面に潤いを与えてあげましょう。過剰に水分があると蒸れやすくなります。
②通気性を良くする
一般的に植物は、根腐れ防止のために、排水性と通気性をよくしなければなりません。根も呼吸しており、いつも水であふれていたり、空気ができない状態になると、根が窒息してしまいます。
③落ち葉を取り除く
半日陰が好きな苔ですが、やはり苔も成長するために光を必要とします。落ち葉を取り除いて光合成を良くしましょう。
あまり難しいことは考えず、とりあえず上の3つの栽培のポイントだけに気を付けて栽培してみましょう!
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❹身近な苔
ギンゴケ
身近で見かける苔は、よくアスファルトの隙間やコンクリートの壁と道路の間などで見る「ギンゴケ」。名前の由来は、乾燥すると白っぽくなり、「いぶし銀」のような色味になることから。ハリガネゴケ科ハリガネゴケ属に分類されています。普段は意識していないかもしれませんが、何となくこんもりと盛り上がっている苔を目にしているはず。葉は、ツンツンとした針山のような形が特徴です。
スナゴケ
明るい緑色をしており、真上から見ると星の形のように見えるかわいらしい苔が「スナゴケ」。日当たりの良い石垣や土、石、コンクリートの上など、身近な場所で見ることができます。色味や扱いやすさから、苔テラリウムや苔庭などの定番の苔として人気です。
ジャゴケ
日が当たらず、家の裏などにジメジメした場所に出てくることが多いようです。「ジャゴケ(蛇苔)」の命名からも分かるように、葉の部分に蛇の鱗のようなイボがあり、ちょっと見た目がグロテスクに感じることから、好き嫌いが分かれるようです。
ハイゴケ
マット状に葉を広げ、モールのようなもこもこした形が特徴的です。苔庭や、苔玉の定番です。草むらや公園の木の下で草と一緒になって生えています。また、切り株の上も好きなため、切り株の上を覆っています。
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❺自分で用意する
それでは苔テラリウムの作り方をご紹介します。あまり難しく考えず、基本の作り方をご紹介します。ここでは、「はりゴケ」の方法です。はりゴケとは、マット状に剥がしたコケをそのまま庭や培養土などに貼る方法です。
①器(ビン)
器は、やはり透明なガラスのビンが最適です。さまざまな角度からミクロの世界を堪能しましょう!ビンは、角型、丸型、長方形型、吊り下げ型などさまざまなかわいいビンがあります。どこに置くか、全体のインテリアを考えてビンを選びましょう。
②土
土は、「黒土」または「黒土と川の砂を半々に……」などいろいろな意見があるようです。苔は、前述したように「蒸れ」と「日差し」を避けると意外に強いので、土は絶対にこうでないといけない、というのは無いようです。
まずビンに、土を敷きます。底面を覆い尽くすくらい、薄めでOKです。
③石
苔を素敵に見せてくれる「石」も置きましょう。石も土と同じように特にこれでないとだめ、という決まりはないので、身近にある石を使うとよいでしょう。
石は、ビンの真ん中に重ね置きし、仕切りを作ります。仕切りが作りやすい薄い石がおすすめです。。
仕切りの奥のほうに土を敷いていきます。前後に高低差を作り、陸地と水中になる部分を作ります。
④苔(&植物)
いよいよ苔です。苔も前述したように、身近な苔を採取してきましょう。いろいろな種類があるので、お好みの苔をいろいろ探してみましょう!
苔は、陸地の部分に植えます。仕切りが前に倒れないように、仕切りをしっかり支えながら植えましょう。
次に、水草を植えていきます。水草の長さは、陸地の部分、水面の部分というように、それぞれの高さに合わせてカットします。木もあるとさらに雰囲気が良くなります。
アクアテラリウムの作り方
~アクアテラリウム、難しいのは名前だけ! 簡単セッティング方法をご紹介~
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❻キットで栽培する
引用: https://item.rakuten.co.jp/hyakunote/sei-kokebon/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868
上記でご紹介したように、自然に生えている苔を採取する方法もありますが、やはりここは楽に、そして手軽にいきたいところです。そんなときには通信販売や園芸店で販売されている、土やビンなどの容器がセットになった「キット」を購入するのが一番です。キットは、いろいろな種類のセットがあるので、自分の部屋のインテリアに合ったものを選びましょう。
苔 (コケ) モストレ 育成キット (ホソバオキナゴケ) 容器なし
価格
¥ 1,680
苔のテラリウム 薬瓶 羊のいる風景
価格
¥ 5,184
多くのメーカからいろいろな種類が販売されている「苔栽培キット」要チェックです!
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❼苔玉もおすすめ
引用: https://gcg.shop-pro.jp/?pid=93748456&utm_source=google&utm_medium=ppc&utm_campaign=ecbooster&gclid=CjwKCAjwo_HdBRBjEiwAiPPXpK88rxszdOIV-RpZk4QHD7j4QHPir2adWFsd0mX7Pd0tKcp-zObjwRoCyRgQAvD_BwE
引用: https://www.hanadonya.com/magazine/hanarecipe/ukiuki/1010.html
苔玉は、昔から親しまれてきた植物を栽培する道具の一つですが、上の写真のような華やかにアレンジして楽しむ方法もあります。和と洋のミスマッチが素敵です。
苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】 ❽皆さんの苔テラリウムいろいろ
苔の中に一本映える紅葉。グリーンとモミジ色が素敵です。そして物思う博士?いろいろな想像が膨らみます。
クジラですね。ちょっと意外に組み合わせが◎
こちらも意外な組み合わせ。牛と苔と人。たまらなく楽しい世界が広がっていきます。
『もののけ姫』の世界ですね。
苔はミクロの世界。小さなオブジェも配置して、あなただけのミクロの世界を思う存分に楽しみましょう!
◆まとめ~苔の栽培おすすめの方法!【初心者さん必見】
初心物でも簡単にできる苔の室内栽培の方法についてご紹介しました。意外に繁殖力の強い苔。基本的に難しいことはありませんが、①蒸れさせないようにする ②強い日差しに当てない ③排気性と通気性を良くする、などの注意点が必要です。苔を始めとする材料は、ビン以外は、材料を野山や庭などの自然から採取してくれば良いので手軽に済みます。しかしもっと手軽に楽しみたいという方は、室内栽培用のキットを購入しましょう。キットには、土とビン、石などがセットになっており、栽培方法もついています。室内で楽しむ苔のミクロワールド!楽しみましょう♪