バイクのスリッパークラッチとは
スクーター以外のバイクのほとんどはマニュアルタイプのものがほとんどであり、マニュアルの場合は必ずクラッチの操作が必ず起きます。そんなクラッチのひとつとしてスリッパークラッチというものがあります。大型バイクには海外のメーカーを中心に標準装備として採用されていますが、最近では250ccの小排気量のバイクにも採用するモデルが増えてきており、どんどん浸透していっています。とは言ってもどういうパーツなのか全くわからないという方も多いはずです。そこで今回はスリッパークラッチの仕組みや効果、導入された経緯やデメリットなどを徹底的に解説していきます。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:基本的な仕組み
バイクを運転したことのない人でも、車を運転したことのある人なら多いはずです。特にマニュアル車を運転したことのある人なら、スピードを落とす際にシフトダウンをすると、勝手にエンジンの回転数が上がることがあります。最近のオートマ車はCVTの車が多く、なかなかスピードを落としたり止まろうとするときのエンジンの回転数が上がるという現象をイメージしにくい人が多いのも事実です。スリッパークラッチというのは、このシフトダウン時のエンジンの回転数が上がる現象を、バイクでも起こすということができる仕組みです。ちなみにこのシフトダウン時にエンジンの回転数が上がる現象を、ブリッピングといいます。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:似たような装置
スリッパークラッチと似たような装置で、バックトルクリミッターと呼ばれています。リミッターということは、制限をする装置ということになりますが、バックトルクというのは、動力の伝達経路上で、出力先であるタイヤから逆に働く力のことであり、この力が強いことによりエンジンブレーキがかかることになります。マニュアル車を運転している人であれば、シフトを下げた時にガクンとなったことのある人がいる方も多いのですが、そのような力を制限する装置であります。4輪であればガクンとなるだけで済みますが、2輪であるバイクの場合、転倒などの事故に繋がることもあるため、このような装置がついています。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:レースから生まれた
このスリッパークラッチが生まれた背景には、実はレース界と関係しています。昔のバイクレースでは、スリッパークラッチもなければ、バックトルクリミッターのような装置もありませんでした。これがレースをするライダーを悩ませていました。当時のライダーたちは自分で半クラッチをしながら減速したり、ブリッピングを自分で行ったりしながら減速しており、コーナーではブレーキングに集中できませんでした。1980年頃からスリッパークラッチを採用するチームが増え、これによりライダーたちはブレーキングに集中できるようになり、心置きなくコーナーを攻めることができるようになりました。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:エンジンブレーキを軽減する
先程のスリッパークラッチの仕組みでも触れましたが、スリッパークラッチの効果はエンジンブレーキを軽減する効果があります。エンジンブレーキが強いと、山道を下るときにおいてはブレーキを多用することがないためブレーキのペーパーロック現象を防止することができますが、バイクにおいてあまりエンジンブレーキが強すぎると、逆にタイヤがロックしてしまったりスリップしやすくなり、転倒などに繋がる可能性が高くなるため、あまりよくありません。また、エンジンブレーキが軽減されることは、それだけ進む距離が多くなるので、燃費の向上にも繋がります。これは通常の車でも同じことが言えます。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:4ストと2ストの違い
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スリッパークラッチを着けると、2ストのバイクのような感覚になることもあります。そもそも4ストと2ストの違いとは何かよくわからないという方も多いはずです。この2つの違いは、エンジンを動かす際の爆発の行程にあります。4ストは爆発の行程が4段階あり、2ストは2段階あります。2ストの場合はスリッパークラッチがなくてもエンジンブレーキの力が弱いという利点がありますが、その代わりにパワーが低く、そして環境にもよくないため、最近では2ストエンジンは現象の一途をたどっています。そのため、最近ではスリッパークラッチを採用するバイクが増えています。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:最近では小排気量バイクにも
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先の2ストエンジンと4ストエンジンの違いでも触れましたが、2ストエンジンが減ってきているということもあり、最近では小排気量のバイクにも採用されています。その他の要因として、安全面での配慮や、小排気量でもパワーが大きいものも増えているということもあります。
安全面では自動車では定番となっているABSも、最近ではバイクでも採用されるように、スリッパークラッチも同時に採用しているというモデルもあります。また、カワサキのニンジャ250のような、小排気量ながら大排気量バイク相手でも張り合えるほどのパワーを持つバイクも増えてきたので、その影響もあります。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:寿命が短い
ここまで仕組みや効果などを説明してきましたが、どんなものにもデメリットというのは必ずあります。スリッパークラッチの欠点としては、寿命が短いことです。通常のクラッチは、エンジンからのパワーをクラッチを経由して駆動系に伝える役割を果たしていますが、スリッパークラッチの場合、シフトダウン時のバックトルクを軽減するという役割もあるため、その影響で寿命が短くなります。マニュアルの醍醐味である発車時の半クラッチは、実はクラッチへの負担が大きく、半クラッチの状態を続ければ続けるほどクラッチの減りが早まるため、あまり実はよくありません。
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シフトダウンの軽いバイクのスリッパークラッチの仕組みと効果:価格が高い
マニュアル車のスポーツカーに乗っていて、カスタムなどを楽しむ人ならわかると思いますが、クラッチは実は値段が高いです。これはバイクでも同じことです。スリッパークラッチはアフターパーツとしても扱っており、後付けで取り付けることもできますが、パーツの値段が高いため、なかなか手が出せないという人も多いはずです。また、大排気量バイクでも標準装備はされているものの、長く乗っていたりすると当然クラッチは磨耗してきてしまいます。磨耗が激しいとバイクが進まないということも起こる可能性もあるため、当然交換しなければいけないときが来ます。そのため、スリッパークラッチを浸けるときは、それなりの覚悟が必要です。
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スリッパークラッチは大型バイクに必須
いかがでしたか。スリッパークラッチはシフトダウンの時のライダーの負担を軽くし、ブレーキを掛けるときのライダーの安心感を与えるパーツであることがわかったと思います。中には普段のツーリングとかなどで使うにはあまり必要がなく、レースでしか使うことがないという人もいますが、それでも普段町中を走る場合でも信号で止まるときなどに止まることを考慮すると、少しでも負担は減った方が良いものです。皆さんももしバイクに乗ることがある場合は、是非このスリッパークラッチを着けてみてはいかがでしょうか。
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