乗り心地や見た目、デザインで選ぶことも多いバイク。でも、速さを軸にしてみると、どんなランキングができるのでしょうか。今回は、ただ速度順に並べてもつまらないので、250ccや400ccといった、手軽に乗れるバイクからも、高速モデルをエントリーさせてみました。では、さっそく見ていきましょう。

250ccクラスでは最速の182km/hをたたき出したのが、ホンダの「CBR250R」です。2017年に製造が終了しましたが、サーキットでも活躍するなど、多くの感動を与えてくれたバイクです。

とても250ccクラスとは思えない走りを見せてくれますね。

250ccのひとつ上のクラス、400ccクラスからは、このホンダ「CBR400RR」がノミネート。206km/hの最高速は、90年代を代表するサーキットモデルといえますね。

250ccでは味わえない、このスピード感に、圧倒されます……。

ヤマハの「YZF-R6」は、250ccや400ccよりも排気量の多い600ccの大型バイクです。サーキット向けのレース仕様車も発売され、モータースポーツファンからの熱量が熱いバイクです。256km/hまでの加速は、さすがの一言に尽きます。

このサーキットでの走行シーンも、迫力がありますね。

“サーキット最速”を目指して製造された、ヤマハの「YZF-R1」。サーキットを主眼に据えた設計は、297km/hの速度を体感させてくれることになりました。250ccのようなバイクでは味わえない、1000ccクラスならではの迫力をどうぞ。

やはり、サーキットでは映えますね。

イタリアのMVアグスタ社による「F4 1000R」。外観の美しさが素晴らしい1台です。

「F4」シリーズはサーキットも意識したモデル群で、「F4 1000R」はアメリカ・ソルトレークシティでの最高速トライアルで、当時の1000ccクラスで最速となる302km/hを記録しました。今なお語り継がれる、名車です。

“黒鳥”とファンから呼ばれる、ホンダの「CBR1100XX SuperBlackbird（スーパーブラックバード）」。1996年の発売当時は“世界最速”の量産車の称号を得ていたものの、その後に登場するカワサキのNinjaやスズキのHayabusaにより、最速の座は譲りました。しかし、310km/hの高速性能は、素晴らしいの一言ですね。

ちなみに、ホンダの技術者として多くの名車を生み出した山中勲氏が携わった最後のバイクである「SuperBlackbird」、彼は「これまでのすべてをつぎ込んだ集大成であり、最も楽しいバイク」と語っているそう。納得のコメントですよね。

パワフルなエンジンが魅力的なカワサキの北米向けモデル「ZX-14」。322km/hをたたき出した走りは、ぜひ動画でご覧ください。

ヨーロッパでは「ZZR1400」として販売されるこのモデル、ハイパワーながらも街乗りもしやすく、速度だけのバイクでないことが良く分かります。

アメリカのマリン・タービン・テクノロジー（MTT）社が開発したバイクが「Turbine SUPERBIKE（タービン・スーパーバイク）」です。もともと航空機やボート用のエンジンを製造していたMTT社。そのエンジンはガスタービンによるもの。最高速度は402km/hながら、日本では「騒音が大きすぎる」とか「消音機が装着されていない」との理由で道路運送車両法に適合せず、公道では走ることができません。

映像でもわかるように、あんな排気をされたら、後続車は怖くてついていけません。速いことは速いのですが、日本では走れないことですし、今回は少しランキング順位を落としました。

ギネスブックにも載った“世界最速バイク”、それがスズキの「Hayabusa（ハヤブサ） GSX1300R」です。その速度は333.95km/h。日本国内仕様ではリミッターが付いているので、ここまでの速度は出ませんが（公道ではそもそもこの速度は違反です!!）、海外モデルならリミッターもなく、300キロオーバーの世界を体感できますよ。

ただ、日本仕様はETC車載機が標準装備されているなど、国内で走行するには便利すぎる装備なので、手に入れるなら、やっぱり国内モデルなんでしょうね。

そして、1位は文句なく、カワサキの「Ninja（ニンジャ） H2R」です。その時速は400km/h！その迫力は、ぜひ動画でどうぞ！

こんなバイクがなぜ誕生したのでしょうか。それは、カワサキが世界のライダーを対象にしたアンケート。その中で、「最近のバイクは高性能だけど、ワクワクしない」との言葉が多く聞かれたそう。そこで、カワサキのエンジニア陣は奮起。“感動的な加速感”を追い求め、カワサキの技術を結集させた結果が、この「Ninja H2R」なのです。

番外編として、アメリカ・ダッジ社の4輪バイク「Tomahawk（トマホーク）」を紹介しましょう。あまりにも規格外なこのバイク、8300ccの排気量に500馬力、560km/hの最高速度は、どれもがバイクの域を超えたもの。6000万円を超える価格設定ながら、問い合わせの多さに限定10台で販売されたとか。

その見た目からして、異質な感じが満載ですよね。さすがにランキングに組み入れるのは躊躇しましたが、みなさんの記憶には残していただきたく、番外の形で紹介いたしました。

こうしてみると、メイド・イン・ジャパンモデルが、速度の面でも優秀であることが良く分かりますよね。もちろん速いことだけがバイクの優劣を決めるものではありませんが、話のネタとして、こういった情報を頭の片隅にでも置いていただければ、会話のきっかけをつかめるかもしれませんよ。