Another(アナザー)は綾辻行人(あやつじゆきと)原作のホラー小説で、中学校を舞台に沢山の生徒や人物たちが霊的な力で死を遂げる作品です。階段から足を滑らせ運悪く傘の先端が喉に刺さる、エレベーターのワイヤーが運悪く切れ転落など、登場人物たちの多くがツイてない死に方をします。残酷で目を覆いたくなるシーンが中盤から後半にかけて続きますが、ホラーが好きな人はのめり込むこと間違いないです。ヒロインの見崎鳴(みさきめい)や赤沢泉水(あかざわいずみ)等、魅力的な美少女も登場するのでおすすめします。
「Anotherなら死んでた」の具体的な使い方ですが、例えばAnotherではない作品において、Anotherの世界だったら確実に死んでいるけど、その作品においては生きていた場合に使われます。特に、日常系のほんわかした雰囲気のアニメ作品に用いられることが多く、ほとんどネタとして使われています。言葉だけではイマイチ理解できないと思うので、ここではより具体的な例を、メジャーな例とマイナーな例を合わせて紹介したいと思います。
まずはWORKING!!(ワーキング)の主人公、小鳥遊宗太(たかなしそうた)の例を紹介します。これは有名な「Anotherなら死んでた」の例なので、特に覚えておくと良いでしょう。宗太はワグナリアというファミレスでバイトをしていますが、男を見るとつい殴りたくなる病を持っている伊波まひるに頻繁に殴られて苦労します。
まひるのパンチ力はコンクリートを粉砕するレベルなのですが、これがもしAnotherだったら確実に死んでいるでしょう。「Anotherなら死んでた」の具体的に使われる場面というのは、このような日常の生活を扱った作品で、死の危険が伴う程の身体的ダメージを負った場合に使われやすいです。
大人気アニメ作品とらドラ!。この作品でも、「Anotherなら死んでた」が使える場面は多いでしょう。特に使える場面としては、物語の後半、大河が雪山で行方不明になるシーンがありますが、これはAnotherだったら確実に死んでいます。
とらドラ!では竜児が大河を発見しましたが、Anotherだったらそのまま発見されないか、凍死している所を発見される悲惨な結末を迎えたでしょう。もし、とらドラ!のこの場面で大河が死んでいたら、あれだけ盛り上げておいてこんなオチかいということになっていたので、とらドラ!がAnotherじゃなくて良かったです。
人気アニメ、俺の妹がこんなに可愛いわけがないの主人公、高坂京介(こうさかきょうすけ)も、Anotherなら確実に死んでいるシーンが多数あります。そのシーンがどこかと言えば、沢山ありますが主にヒロインの一人で外見は清楚だけど内面はヤンデレの新垣あやせとのやり取りでしょう。
あやせは京介のことが好きで、京介もあやせを大事に思っているのですが、無自覚にセクハラしたり女心がわからない京介に対して、あやせは殴る・蹴る・突き飛ばすの暴力行為を繰り返します。壁にたたきつけられたり階段から落とされたこともありましたが、これは間違いなく「Anotherなら死んでた」です。
最も有名な泣けるアニメ、CLANNAD(クラナド)の登場人物、春原陽平(すのはらようへい)も、間違いなく「Anotherなら死んでた」の典型例でしょう。むしろ、彼ほど「Anotherなら死んでた」が当てはまる人物もいないかもしれません。春原はキャラで損しているのか、事あるごとにモブやヒロイン勢に暴力を振るわれ、Anotherじゃなくても死んでるシーンが多数存在します。特にヒロインの一人、坂上智代(さかがみともよ)には不評で、智代の連続攻撃を何度も受け、瀕死状態なっていましたね。
社会現象を引き起こした人気アニメ、けいおん!の主人公、平沢唯(ひらさわゆい)も、Anotherなら死んでました。一見、けいおん!の中に「Anotherなら死んでた」が当てはまるシーンなんて無いように思えますが、一か所、現実でも十分に死に得るシーンがあります。それは、劇場版で唯たちがロンドンに行った時、唯がコンセントにプラグを注入した瞬間です。日本製のプラグと海外のコンセントは電圧が違うため、感電しそうになるのですが、これは間違いなくAnotherなら死んでましたね。
京アニの人気アニメ、氷菓(ひょうか)でも「Anotherなら死んでた」シーンがありました。それは、主人公の折木奉太郎(おれきほうたろう)達が温泉に行く話ですが、長旅でバス酔いした奉太郎は、温泉でダウンしてしまい気を失います。Anotherでは水難事故がありましたが、折木もそのままのぼせて「Anotherなら死んでた」でしょう。しかも、温泉回は少し霊的なニュアンスも含んでいたので、なおさらAnotherっぽいです。温泉でゆでだこになり死んでしまった奉太郎なんて、誰も見たくないですね。
ここまで「Anotherなら死んでた」の一例を紹介してきましたが、実は「Anotherなら死んでた」には対義語が存在します。それが、「リドルなら生きてた」です。ここで言うリドルとは、2014年に放送した悪魔のリドルというアニメ作品を指しています。悪魔のリドルでは、Anotherとは対照的に主要な登場人物たちが最後までしぶとく生き残るという大団円を見せますが、そのリドルでの生存ぶりがAnotherの死にっぷりとあまりに対照的だったので、「リドルなら生きてた」というネタが生まれました。
では、「Anotherなら死んでた」の対義語「リドルなら生きてた」の具体例を紹介します。まずは有名な例から紹介したいと思います。ブラック・ブレットの千寿夏世(せんじゅかよ)は、よく「リドルなら生きてた」で使われるので、彼女の例からいきましょう。
夏世はブラック・ブレットの主人公、里見蓮太郎(さとみれんたろう)の力になるべく、ガストレア(本作の敵)の大軍を相手に奮闘します。しかし、傷を負いガストレアのウイルスに侵されてしまったので、蓮太郎に殺してほしいとお願いするのですね。結果的に夏世は蓮太郎が殺してあげるのですが、これは「リドルなら生きてた」と嘆かれるシーンでもあります。
こちらは大人気アニメ作品、コードギアス反逆のルルーシュのヒロイン格の一人、シャーリー・フェネットの場合です。シャーリーは後半まで前線に出ることはなく、ルルーシュと良い関係になっていったので最後まで生存するかに思えましたが、後半ルルーシュの義理の弟であるロロの気持ちを逆なでしてしまい射殺されます。
シャーリーの死に際に駆け付けたルルーシュですが、時すでに遅く、シャーリーに「死ぬな!」とギアスをかけても彼女は生存することができませんでした。毒を飲んでも刺されても生きていたリドルの登場人物と比較すれば、このシャーリーも「リドルなら生きてた」と言えそうです。
語るまでもない超名作、幽遊白書の浦飯幽助(うらめしゆうすけ)も、「リドルなら(余裕で)生きてた」人物でしょう。そもそも、リドルでは体育館の天井の大型セットが落ちてきても、100階建てのビルから落ちても、死ぬことはありませんでした。もともと肉体が強そうな幽助だったら、リドルなら交通事故くらいで死ぬことは、まずないですね。まぁ、幽助の場合は一度死なないとお話にならないので、彼は一度は死んだ方が良かったキャラですが。
「Anotherなら死んでた」と「リドルなら生きてた」を紹介しましたが、特に前者はパーカーにもなった程のネタです。その名もAnotherなら死んでたパーカー(まんまですね)。Anotherの死亡シーン等が描かれたパーカーで、ややマニアックな商品です。
これらのネタは、2010年代前半に一部で言われていたものですが、今後も多くのアニメ作品で「Anotherなら死んでた」「リドルなら生きてた」な場面が登場するでしょう。思い出した時にこのネタを使うのも面白いので、ぜひアニメを見ながら「Anotherなら死んでた」「リドルなら生きてた」シーンを見つけてほしいと思います。