攻殻機動隊とは、1989年から連載が始まった士郎正宗さん原作の漫画作品とそれを原作とする作品です。1995年には劇場版攻殻機動隊が公開され、2002年にはテレビアニメ版となる攻殻機動隊の放送が始まりました。現在では世界中にファンを持つ大人気作品の一つとなっています。
２１世紀の日本では科学技術が飛躍的に高度化し、中でも電脳化技術と義体化技術が発展・普及していました。その結果数多くの人々で電脳だけで直接インターネットにアクセスできる時代が到来し、生身の人間、電脳化した人間、アンドロイド、サイボーグが混在し犇めく社会となりました。
『攻殻機動隊』は、そんな社会で巻き起こるテロや暗殺、汚職といった犯罪を事前に察知して被害を最小限に防ぐ『公安9課（通称：攻殻機動隊）』の活躍を描いた物語です。
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クゼ・ヒデオとは本名を漢字で『九世英雄』といい、全身を義体化しカスタマイズされた義体を使用している男性型サイボーグです。身長178cmのB型で、顔面に神経ネットワークを定着させるためにマイクロマシンを使用しなかったためにほとんど表情筋を動かすことが出来ません。しかしクゼの顔は世界屈指の造顔作家が作り出した美顔であり、定着していなくても崩れない優れものです。
クゼは幼いころに全身を義体化してから長年に渡り、心と身体が一致しないことを悩んでいました。さらにクゼはこの心身の不一致に加えて孤独と言う悩みを抱えており、同じ境遇の仲間を探し求めていた時期もありました。
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そんな悩みを抱えるクゼですが、豊富な経験と優秀な義体を操る精神力があるので戦闘力は非常に高く、追跡してくる草薙素子を撒いたりバトーを戦闘不能に追いやることまで可能。さらには頭の回転も速く指揮者としてのカリスマ性も備えているクゼは卓越した指揮力を発揮し、その能力に対して『完璧すぎてまねできない』と自信で賞賛しています。
そしてクゼは『攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG』の中心となる事件『個別の11人事件』の犯人の一人であり、招慰難民自立と解放を革命と言う形で実行しようとした人物です。
草薙素子とは『攻殻機動隊』の主人公であり、幼少期に脳と脊髄の一部以外の全身を義体化した女性型サイボーグです。原作となるコミックによればこの『草薙素子』という名前は偽名であり、遠隔操作式の予備の義体を複数所持しています。
世界屈指の義体化使いである素子は公安9課（攻殻機動隊）の実質的なリーダーであり、ボスである荒巻大輔は素子のハッキング能力を『エスパーよりも貴重な存在』と高く評価しています。冷静沈着な素子は判断力、統率力、身体能力、戦闘能力などに突出した才能を持っており、事件解決のためなら法律を犯すことすら躊躇わない性格です。
公安9課（攻殻機動隊）に所属する以前に軍に所属していた経歴を持つ素子は9課のメンバーから『少佐』と呼ばれており、公の場では礼服仕様の軍服を着用しています。また素子の身長は168cmと公安9課（攻殻機動隊）のメンバーたちに比べると小柄ですが、これは任務において外見的な支障をきたさないための配慮してのこと。
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『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX 2nd GIG』に登場するクゼ。この物語は幼少期に『航空機事故』で重体になった2人の少年（クゼ）と少女（素子）を描いたものであり、主人公である草薙素子の義体化エピソードも描かれています。
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クゼがまだ幼かった頃、乗っていた飛行機が墜落する飛行機墜落事故に遭遇してしまい、瀕死の重体ながらも奇跡的に生還します。次々に被害に遭った生存者が死んでいく中で、左手しか動かない全身麻痺の状態で生き残った男の子がクゼでした。
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クゼは両親を亡くしており、見舞いに足を運んでくれていた親族の足も途絶えてしまい、クゼは自分は一人ぼっちだという辛い現実を突き付けられました。被害者の中にいた女の子（草薙素子）は依然として意識が戻らず、クゼは唯一動かせる左手を使い彼女のために鶴を折り、だんだん上手に折れるようになった折り鶴はベッドの周辺にたまっていきました。
クゼはこの寂しい現実の中で、唯一共に生き残った彼女のことをいつしか友達だと思うようになっていました。しかしある日素子の容体は急変し、病室からいなくなってしまいます。生きる希望であった少女が居なくなったクゼは生きる気力を失くし、その後2年間はただ彼女のために折り鶴を折る日々が続きました。
そんな絶望の中でクゼの前に現れた男に全身を義体化することを勧められますが、当時の技術で作られた義体では力加減が上手くいかず鶴を上手に折れなくなるという理由で拒否しました。しばらくするとその男は少女を連れて再びクゼの前に現れます。
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少女の顔を見たクゼはその少女が素子であることに気が付きましたが、素子は少年がクゼであることに気が付きませんでした。クゼが死んだと思っていた素子は全身を義体化することで生き永らえることに成功していたのです。全身を義体化し、不器用ながらも懸命に鶴を折る素子が去り際に言った『今度は私がクゼの為に鶴を折る』という言葉を聞いたクゼは自身も義体化してもう一度彼女に会うことを決意しました。
義体化後のリハビリ治療は想像を絶する辛さでしたが、クゼは同じ苦しみを味わった素子のことを思い出し辛いリハビリに耐えました。しかしその後、クゼが彼女と再会することは出来ませんでした。
年月が流れ、その後は追う側と追われる側に分かれてしまったクゼと素子は刃を交えることになってしまいます。素子については事故以前の記憶があるのかは不明ですが、クゼについては過去に使っていた義体に記憶を置いてきているので、記憶になかったことになります。さらに人生観が変わるほどの体験をしたクゼは当時の未練や執着を捨ててしまい、素子に「左手だけで鶴は折れるか？」という質問をされても思い出せなかったのでしょう。
生きる希望を与えてくれた女の子のことをクゼはきっと好きだったのではないでしょうか。そして素子も幼い頃自身のために鶴を折ってくれた男の子が初恋だったのではないでしょうか。クゼは最後、『先に行くぞ』と言い残しネットに旅立ってしまいます。
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数々の心に響く名言を生み出している攻殻機動隊ですが、今回はクゼの名言をピックアップしてご紹介します。
『英雄の最後は死によって締めくくられ、永遠を得る。』
『人は本来、他者の介在があって初めて存在し得るものだということを難民に教えられた。』
クゼ・ヒデオの声優は小山力也さんが担当しています。小山さんは海外ドラマ『24』のジャック・バウアー役の吹き替えを担当し、熱のこもった演技が多くの視聴者の心を鷲掴みにしました。そんな小山さんの出演作は『名探偵コナン』の毛利小五郎や『HUNTER×HUNTER』のジン＝フリークス、『うしおととら』のとらなどが有名な作品となっています。
今回は『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX 2nd GIG』に登場するクゼ・ヒデオについてご紹介させていただきました。クゼの過去や素子への想い、そして最後のクゼの言葉など、涙が出ること間違いなし！是非一度攻殻機動隊STAND ALON COMPLEXをご覧になってみてはいかがでしょうか。
