1.パプアニューギニアってどんな国?
日本からは意外と近い国!
パプアニューギニアは南太平洋にある国で、パプアとニューギニアが合併してできました。戦時中は一時日本に占領されたこともあり、戦後オーストラリア委任統治領となったのち1975年に独立を果たした国です。地球最後の秘境と言われるほど海も美しく、自然が豊富に残る国です。
コーヒーの栽培が有名
パプアニューギニアの有名な特産物といえば、コーヒー。世界のコーヒーの生産量ランキングでは、2016年ではコスタリカ・フィリピンに次ぎ18位。アラビカとロブスタの2品種が生産されており、良質の豆だと評判です。コーヒー豆は標高の高いところで栽培されているため、その寒暖差から、身の引き締まったコーヒー豆ができるのだそう。コクがありますがクセが無く後味のスッキリしたお味だそうです。
パプアニューギニアの人たちってどんな人?治安は?
パプアニューギニアには800以上の少数部族がおり、豪華な頭飾りなどをつけた個性的な部族など、独自の文化を築いています。中にはお金に貝を使っている部族もあるということです。そんなパプアニューギニアの人々の国民性は明るくフレンドリーと言われています。
しかしながら一方で貧困層が多く、若者の失業率ランキングでは世界でかなり下位に位置していることから、主に都市部では生活に困窮した若者が「ラスカル」と呼ばれるギャング団を形成し、犯罪率が高く治安の悪い国とされています。また、男尊女卑の思想が今も根強く、女性の地位が低いことから、女性が性犯罪に巻き込まれるケースも多いようです。治安の悪い都市部に滞在する際には特に注意が必要です。
2.日本からパプアニューギニアへのアクセスと入国
案外知られていませんが、日本からパプアニューギニアへはニューギニア航空の直行便が週2回出ています。所要時間は成田からわずか6時間50分ということで、意外にも日本から近い国なのです。
ニューギニア航空は、成田とパプアニューギニアの首都ポートモレスビーを週2回結んでいます。機内では、パプア産のビールや、コーヒー、オーストラリア産のワインなどを楽しむことができるので是非お試しを。CAは親切でフレンドリーと評判です。
パプアニューギニアに渡航する際には、観光でもビジネスでも、全ての目的においてビザ(査証)が必要になります。ただし、60日以内の観光・商用目的に限り、ポートモレスビーのジャクソン国際空港で到着時に取得することができます。
その際、パスポートの残存期間が6か月以上と往復の航空券があることが条件となります。日本でビザを取得する場合は、パプアニューギニア大使館(東京・目黒区)での申請となります。ビザ取得料は無料です。
3.パプアニューギニアの魅力とは?
なんといっても大自然の美しさ!
パプアニューギニアといえば、海が美しいということで、ダイビングスポットとしてダイバーの間から人気となっています。サンゴの数が多く、種類も豊富で色彩が鮮やか。ダイビングが出来ない人はもちろんシュノーケリングでも楽しむことが出来ます。他にも原生のままの自然があふれ、渓谷のトレッキングなども人気です。
個性豊かな部族とのふれあい
パプアニューギニアには様々な部族がおり、その文化を体験するツアーも人気のひとつ。シンシンと呼ばれる民族舞踊の見学や、カラワリタリなど熱帯雨林エリアの少数部族の村訪問などは思い出深い体験になりそう。
4.パプアニューギニアの治安情報①外務省による情報
外務省のホームページで最新の治安情報をチェックしよう
このように魅力が多いパプアニューギニアですが、危険な国ランキングの上位に位置し、逆に世界の平和ランキングでは100位以下となっています。外務省から発令されている危険情報では、ブーゲンビル島アラワ市以南(アラワ市街地及びキエタ市を除く)はレベル2の危険度で、不要不急の渡航は止めるよう警告されています。その他パプアニューギニア全域も危険度がレベル1で、十分な注意が必要な地域となります。今後この注意情報は変わる可能性もありますので、渡航の際は常に最新の注意情報を、外務省のホームページから取得しましょう。
5.パプアニューギニアの治安情報②現地からの情報
都市部の治安は悪化傾向にある
外務省の注意ランクだけではなかなか実態が想像しにくいため、やはり現地の声を聞くのが一番。現地に滞在した日本人からの情報では、首都ポートモレスビーの治安は大変悪く、「(悪い意味で)天国に近い都市」や「ビジネスがやりにくい都市」ランキングで世界一をとったこともあるところだそうで、昼夜を問わず強引なスリや置き引きなどが非常に多く、女性への強姦事件も多いそうです。村の方へ行けば治安は良くなるそうで、ホームステイをする女性もいるそうですが、それでも十分に身の回りには気を付けましょう。
6.パプアニューギニア滞在中の治安対策①治安の悪い地域は避ける
ポートモレスビーの治安は非常に悪い
パプアニューギニア人の日本人へのイメージは概ね良いのだそうですが、それでもスリやひったくりなどの窃盗・強盗犯罪に巻き込まれるケースが多発しています。先ほども言及したように首都ポートモレスビーは、空港で降り立つ都市なのですが、世界で最も住みにくい都市ランキングのワースト3に入るとても治安の悪い街だそうです。現地の人やガイドと歩いていたとしても、赤信号で停まっていると強盗に襲われたりと被害にあう可能性が高いため、赤信号でも止まらないとのことで治安の悪さが想像できるかと思います。それほど危険な街なので、特に必要が迫った用事が無いのであれば、ポートモレスビーへの滞在はあまりおすすめしません。その他注意すべきエリアについては外務省のホームページで確認してください。
7.パプアニューギニア滞在中の治安対策②一人歩きはしない
必ず信頼できる車両での移動を
外務省のホームページでも警告されていますが、パプアニューギニアでは日中であっても、一人での行動は犯罪被害に遭う危険性があります。人気のないところだけでなく、人の集まるところでも関係なく強盗犯罪などが発生しています。特に徒歩移動は大変危険であり、移動には必ず車両を使うことが必要ですが、現地の人が使うようなバスやタクシーは使わないこと。信頼できる手配会社、現地の関係者、ホテルを通じて車両を手配するようにしましょう。
女性は複数人でも注意が必要
女性の場合はさらに警戒が必要です。女性への性犯罪が多発しており、過去には夫と同行した女性が夫共々武装した集団に襲われ、暴行を受けた事例も報告されています。女性は同行者が居る場合でも十分に注意しなければなりません。
ホテル選びも大事
ポートモレスビーなど治安の悪い地域では、ホテルもこのように厳重な柵つきの塀に取り囲まれてたり、セキュリティーガードがいて、宿泊者以外の人間が入らないようにしています。それだけホテルの外の治安が悪く、危険だということが分かりますね。ホテルもなるべく安いところではなく、セキュリティのしっかりした高級ホテルを選ぶようにしましょう。
8.その他パプアニューギニアで気を付けたいこと
マラリアなどの感染症
外務省から注意喚起は出ていないものの、パプアニューギニアでかかりやすい病気がいくつかあり、マラリア・デング熱・結核などがそのひとつ。マラリアについては、旅行の目的地や期間によっては予防内服が必要なケースもありますので、詳しい医師へ相談をしましょう。また、2018年4月にモロベ州の子供でポリオウイルスの病原体が発見され、現在も同じ地域で流行しており、注意が必要です。
地震や火山活動
2018年2月にマグニチュード7.6の地震が発生し、建物倒壊や土砂崩れが発生し死者も出ています。外務省HPでも、ニューブリテン島東部及びニューアイルランド島においては地震や火山活動に注意するよう呼び掛けています。万一の場合に備え、防災用の救助笛などを携帯しておくと良いかもしれません。
9.パプアニューギニアでの日本人の被害例
窃盗被害が多い
パプアニューギニアでの日本人の過去の被害については、外務省の報告によると、ポートモレスビーにて、日系企業の倉庫に侵入しての窃盗被害、日本食レストランに客を装い従業員や客に拳銃を突きつけ、財布等の強奪など、また、東ニューブリテン州ココポ市では、邦人が町中を歩行していたところ,何者かに鞄の中のポータブルスピーカーを盗まれ、モロベ州レイ市のゴルフ場では邦人がプレー中、武装した賊に銃を突きつけられ、財布やスマートフォン等を強奪されたなど、他にも未遂に終わったものの、被害に遭いそうになった事例も多数報告されています。これらのケースはいずれも無抵抗のため身体的被害はありませんでした。命を守るためには強盗などに遭った場合は、抵抗せず金品などを渡してしまうようにするのが良いようです。
テロや誘拐の危険性は
また、テロや誘拐の可能性についてですが、現在のところパプアニューギニアでは日本人がターゲットになったケースはありませんが、現地の人にとってはアジア人の区別がつきにくく、日本人が巻き込まれるケースは否定できません。シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件が発生していることから、パプアニューギニアでも警戒が必要となるでしょう。
まとめ
ここでは秘境の島といわれるパプアニューギニアの最新の治安事情についてまとめてみました。海の美しさや原始の風景が多く残る楽園のような部分と、治安面でのランキングが低く犯罪が多発する危険な部分が隣り合わせとなっている国ですが、事前に正しく危険を知り、対策することで安全な旅ができるかと思いますので、渡航にあたり参考になれば幸いです。