引用: https://www.flickr.com/photos/15155155@N00/24592772127/
イタリアの大晦日の楽しみは、なんといっても「CENONE(チェノーネ)=大晦日の大正餐」。家庭やレストランで、気の合う仲間が集まり、大晦日の夜の9時ごろから年明けまで、時間をかけてお料理を楽しみます。テーブルセッティングもとてもおしゃれ。日本では、縁起を担いで大晦日に年越しそばを食べますが、イタリアでは、豚足にハーブなどで味を付けた豚のひき肉を詰めた「ザンポーネ」にレンズ豆を添えて食べる習慣があります。細くて長い年越しそばに「長寿」という意味があるのと同様、金貨に形の似たレンズ豆には「金運上昇の効果」があるといわれています。もうひとつの定番年越し料理は、豚の腸に豚のひき肉を詰める「コテキーノ」。年末年始にイタリアを訪れる観光客は、これらの伝統的なお料理を食べるチャンスがありそうですね。そして定番の飲み物は、開封時に景気の良い音がするシャンパン(スプマンテ)になります。
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ほとんどすべてのイタリアのレストランは、大晦日の夜は夜通しの「CENONE(チェノーネ)」か、休業となります。間に合うようでしたら、気になるレストランに問い合わせ、予約をとりましょう。予約を取り損なってしまえば、お昼にしっかりと腹ごしらえをし、夜はスーパーマーケットなどで軽食を調達し、ホテルの部屋で食べる旅行者が多いようです。
引用: https://www.flickr.com/photos/comunerimini/8337923674/
引用: https://www.flickr.com/photos/skrb/5441686508/
みなさんご存じのように、年末年始は、ゴールデンウィークやお盆と同様、航空券やツアー代金が高くなる時期なのですが、どうしてもこの時期しか休みの取れない人や、年末年始をイタリアで過ごしたい人には、それは仕方のないことですね。ただ、ミラノの2019年のセール「SALDI(サルディ)」は、1月5日から3月5日までの60日間開催される予定です。旅費の元を取るチャンスです。ショッピングに興味のある方はどうぞご参考に。
引用: https://www.flickr.com/photos/kizeme/8287489161/
また、年末年始の注意点は、元日にはほぼすべてのお店が閉店になりますが、2日からは通常営業となります。また、1月6日もエピファニア(公現祭)で祝日のため、多くのお店が閉店。そして、この祝日をもちまして、クリスマスシーズンが終了となります。12月26日にすべてのクリスマスツリーが撤去される日本と違い、イタリアでは1月6日まではクリスマス気分を楽しめます。レストランは元日もオープンしているお店が非常に少ない為、予約必須となります。ちなみに12月25日のクリスマスと翌26日の聖ステファノの日も休業しているお店が多いので、ご注意ください。
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レストランの予約も取りにくく、交通機関も大幅減便。でも、それでもミラノで年末年始を過ごしたい理由は、野外で楽しむカウントダウンなのではないでしょうか。ミラノでは、ランドマーク的存在の「ドゥオモ(ミラノ大聖堂)」の前がその「メイン会場」となります。大勢の若者が集まり、花火や爆竹で新年を祝います。
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1386年起工、1570年代に献堂されたものの、完成は19世紀なかばだというから驚きですね。全長は158m、交差部ドーム上の塔の高さは108m、幅93mという巨大な建物。世界最大級のゴシック建築です。メトロ1号、3号線Duomo駅から徒歩1分のロケーション。年末年始はメトロも減便、タクシーもつかまえにくくなりますので、ご注意ください。
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年末のカウントダウンは大変なお祭り騒ぎで、特にミラノ・ドゥオモ広場周辺を中心に爆竹があちこちで鳴り響き、酔っ払った人びとでごったがえし、警察の車と救急車が脇で常時待機といった、少し危険な状態になりますので、スフォルツェスコ城の前辺りまで歩いて、少し落ち着いた場所でカウントダウンを迎えることをお勧めします!
カウントダウンは「ドゥオモ(ミラノ大聖堂)」から「スフォルツェスコ城前」の広場付近で行われます。女性グループや、高齢者やお子さんのいるご家族連れはこちらでのカウントダウンが断然おすすめ。メトロ1号線Cardona駅から徒歩3分のロケーション。「ドゥオモ(ミラノ大聖堂)」や「ガッレリア」からは、徒歩15分程度で到着します。
「ドゥオモ(ミラノ大聖堂)」前のカウントダウンの動画がありましたので、ご確認ください。ご覧のように地元の若い男性が多く、爆竹などが苦手な方やお子さん、ご年配の方、女性には厳しいかもしれません。
引用: https://www.flickr.com/photos/sigalrm/36571779342
カウントダウン前のDuomo広場は、爆竹が鳴り響き、時には地響きがするぐらいの大きな爆発音が鳴ってます。
やっぱり恐ろしい〜〜!!でも、年を越すまでは…と、絶えながら(?)Duomo広場で様子を眺めています。
爆竹は、平気で人に向けて投げられています。
危ない!危ない!
気を抜くと、足元で破裂して破片が当たって痛い。フード付きのコートを着ている人は、必ずフードをかぶって下さい。
私の前にいた人は、空から振ってきた爆竹がフードに入り、フードの中で爆発してました。火が点かなくて本当に良かった。
ついお酒(スプマンテ)が入るとハメを外してしまうもの。それはイタリア人も同じです。爆竹と花火は、年末になるとどこでも手に入り、大晦日は昼間からいたるところで景気の良い音を鳴らしています。「大晦日の花火・爆竹の自粛」が呼びかけられてはいるものの、多数のケガ人や死者まで出すことがあるそうなので、この風習に慣れていない旅行者は要注意。花火や爆竹の音で一年の厄を落とし、新年を迎えるというのは昔ながらのイタリアの風習ですので、禁止とまではならないようです。また、広場は大混雑となりますので、スリや置き引きなど、海外旅行時の基本的な注意も払いましょう。もちろん、手ぶらがおすすめです、
引用: https://www.flickr.com/photos/bigcif/3155970451/
元日は、ほとんどのお店が休業となります。また、「チェノーネ(大正餐)」などで皆が夜更かしした翌日ですので、もちろん午前中のミラノ市内は静まり返っています。寝正月しているか、家族で教会に出かけたり、ゆっくり過ごすイタリア人が多いようですね。
引用: https://www.flickr.com/photos/10113461@N00/13394288965/
イタリアでは赤を「ラッキーカラー」としていますので、お金の形に似ているという理由でおめでたい食べ物とされるレンズ豆と同様、ザクロも人気のお正月料理です。また、大晦日に赤い下着を付けるとラッキーが舞い込むという言い伝えもありますので、年末から赤い下着がたくさん販売されます。ぜひお試しください。ちなみにこの下着は年明け以降は、使ってはいけないそうです。
引用: https://www.flickr.com/photos/igor29768/7109872373/
ほとんどのミラノっ子が朝寝坊をしている元日。旅行者は逆に早起きして静まり返った街に撮影に出かけてはいかがでしょうか。普段のミラノでは撮れない貴重なショットが手に入るかも。
引用: https://www.flickr.com/photos/memo52memo/11730830453/
イタリアのクリスマスは、1月6日の「広現祭・Epifania(エピファニア)」まで続きます。イタリア人のお正月は1月1日だけなのですが、2日からはふたたびクリスマスムードに染まってみてはいかがでしょうか。ちなみに「広現祭」とは、東方の三賢人がお祝いの品を持って、誕生したばかりのイエスさまのもとを訪れた日です。
引用: https://www.flickr.com/photos/sciamano/74890455/
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2020年のミラノのセール(SALDI(サルディ))は、1月5日からスタートします。ドゥオーモ広場の北に位置する「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」には、グッチ、ルイヴィトン、プラダなどの有名ブランドが軒を連ねています。ブランド品にはあまり興味のない方は、床にある牡牛のモザイクのうえをクルリと一回転すると、またミラノに来られるという言い伝えがあるので、ぜひお試しください。
引用: https://www.flickr.com/photos/9464735@N06/5884375117/
引用: https://www.flickr.com/photos/9725223@N08/5653466591/
ミラノはローマにつぐイタリア第二の都市で、ミラノコレクションなどがあることから、「ファッションの都」とよばれています。成田からミラノマルペンサ空港には直行便が就航しており、所要時間は約12時間。日本とイタリアとの時差は8時間(4月頃から10月頃までのサマータイム時は7時間)で、日本の方が8時間(7時間)進んでいます。通貨はユーロ(1ユーロ=約120円:2019年12月現在)。気候や物価はほぼ日本と同じ感覚で大丈夫です。
引用: https://www.flickr.com/photos/turismo-comunecervia/12011008754/
引用: https://www.flickr.com/photos/rakam/6533374881/
ミラノの大晦日のカウントダウンや年末年始の風景はイメージしていただけたでしょうか。読者のみなさんの年齢や性別などによって、おすすめは変わりますが、女性の場合、評判の良いレストランで「チェノーネ(大正餐)」を楽しみながらのカウントダウンが、安心なのではないでしょうか。ドゥオモなどの野外でのカウントダウンに参加される場合は、手荷物はできるだけ少なく動きやすい服や靴で出かけられることをおすすめします。※最新の情報は公式サイトをご確認ください。