格安SIMで発生する固有の問題
格安SIMの登場によって、ユーザーは自分のスタイルに合った携帯電話プランを選ぶ自由を得ることができました。通信キャリアを選んで、学生割引や家族割引などを活用するしかなかった数年前と比べれば、随分と選択肢が増えてきています。
しかし、格安SIMを導入することによって、新たな問題が出てきているのも事実です。選択肢が増える一方で、それぞれのユーザーが抱える問題が細分化してしまい、情報の共有が上手く進んでいないのが現状です。多くのユーザーから報告されている情報をまとめて、格安SIMにまつわる問題点を整理してみます。
アンテナピクト問題① アンテナピクトって何？
アンテナピクトとは、スマホの画面の一番上に表示される携帯電波の受信状況を示したマークのことです。通常、SIMカードを差した状態のスマホでは、受信している電波の強度によって1本から5本程度のアンテナが立った状態になります。
しかし、格安SIMを差したスマホでは、なぜかアンテナピクトが立たない状態（つまり圏外の状態）になるケースがあります。これが一般的にアンテナピクト問題と呼ばれている現象です。iphone端末とアンドロイド端末の両方で発生している問題です。
sc02f データSIMだとアンテナピクト出ないんだ pic.twitter.com/uQBK8kegpM
— ray (@hestiaris) January 6, 2018
アンテナピクト問題② どんな悪影響があるの？
アンテナピクト問題によってアンテナが立たない状態になることは、何となく気になるというだけではなく、実際のスマホの使い勝手にも影響が出ます。格安SIMを差したことによってスマホ電池の減りが早くなることがあり、実はこれがアンテナピクト問題によるものなのです。
アンテナピクト問題③ 電池が早く減る理由
iphoneをはじめ高機能なスマホは、元々あまり電池の持ちが良くありませんが、格安SIMを差してアンテナピクト問題が発生しているスマホは、さらに高速で電池がなくなってしまいます。
どうして電池の減りが早くなるのかというと、格安SIMではデータ通信専用のものが多く、通話機能が無いためです。アンテナピクトはデータ通信ではなく、通話のための電波の受信状況を示すものですから、圏外となっているのも当然なんです。
iphoneなどの多くのスマホでは、通話のための電波を常に探し続けています。これによって通話をしながら車で移動しても切断されることなく会話が出来るのですが、格安SIMでは永遠に通話のための電波を発見することが出来ず、電池ばかりが消耗されることになるのです。
アンテナピクト問題④ 問題を解決する方法 3つ
アンテナピクト問題を解決する方法として、まず最初に挙げるのは、当然ながら通常のSIMカードに変更するという方法です。料金を安くするために格安SIMが使いたいという事情は分かりますが、このために電源を探し歩くのは大変ですので、やはり格安SIMをやめて通常のSIMカードに戻すのもひとつの選択肢です。
また格安SIMカードのなかにも音声通話に対応したものがありますので、データ通信専用のものよりも価格が高くなってしまいますが、これによってアンテナピクト問題は解消されます。格安SIMであることが問題なのではなく、通話機能がないことが問題ですので、これで解決です。
そして解決法の3つ目は、通話機能は無くてもSMS受信機能がある格安SIMを選択することです。実はショートメッセージを送受信するSMSは、データ通信ではなく音声通話と同じ電波を使用しています。このため、SMS受信機能さえあればアンテナピクト問題を解決できるのです。
以上の方法は、iphone端末とアンドロイド端末で共通の方法です。格安SIMを利用したために電池の減りが早くて困っている方は是非、試してみてください。
格安SIMを購入するときの注意点 3つ
以上のような問題と解決法をまとめる形で、格安SIMを購入するときの注意点を3つ確認しておきましょう。
格安SIMを購入する際には、まずご自身が使用されているiphoneやアンドロイドなどのスマホ端末がアンテナピクト問題の発生するものかどうかを確認しましょう。次に、購入を検討している格安SIMがアンテナピクト問題の発生するものかどうかを確認しましょう。そして最後に、プランが複数ある場合には必ずSMS機能のあるプランを選択するようにしてください。
これら３つの確認事項に注意すれば、iphone端末でもアンドロイド端末でもアンテナピクト問題を回避することができ、快適なスマホライフを楽しむことができます。
