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『グラップラー刃牙』は、漫画家・板垣恵介が描いた格闘漫画です。1991年から1999年まで、週刊少年チャンピオンで連載され、その後『バキ』『範馬刃牙』『刃牙道』『バキ道』と、続編が描かれました。2001年1月にはアニメ化もされています。
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地上最強の生物と名高い父親を超えたいと願う、範馬刃牙。範馬親子を中心に、様々な格闘家が登場し、各キャラクターの背景が細かく描かれているところが特徴です。また一般的な格闘技だけでなく、様々な条件下での闘いが多く描かれているところが、読者を飽きさせません。正に格闘漫画の金字塔と言える作品、それが『グラップラー刃牙』です。
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主人公の範馬刃牙は、地上最強の生物と言われる範馬勇次郎の息子です。範馬刃牙の目標は、そんな父親を超えること。そんな思いから範馬刃牙は、東京ドームの地下に作られた秘密の地下闘技場で闘い続けています。
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さてそんな範馬刃牙ですが、地下闘技場でとある空手家と闘うことになったため、空手を知るために空手のオープントーナメントに出場することになりました。ここから地下闘技場のチャンピオンである範馬刃牙は、空手家のみならずボクサーや用心棒、暴走族など、世界中から集った様々な強敵と闘い、父親を超えるため更に成長していきます。
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『グラップラー刃牙』に登場するキャラクター、徳川光成とは、徳川家十三代目頭主の老人です。東京ドームの地下に地下闘技場を作らせた張本人で、地下闘技場で行われるトーナメントの主催者でもあります。その権力は、日本の首相すら動かせるほどのもの。徳川光成は、闘いを求める格闘家たちに相応しい相手を用意することを天命と見なしており、それを全うするためなら自分の命も惜しみません。
徳川光成は格闘技好きなため、様々な闘いの舞台を用意しては問題を起こしているのですが、事の発端になっているという自覚があるかは疑問です。この辺がファンからクズと言われる理由のひとつですね。闘いは好きですが、惨い殺し合いが好きなわけではありません。その殺し合いの発端になっているのも徳川光成が多いような気がするのですが…。自分に欲望に正直な人間なのですね。そんな徳川光成の詳しいクズっぷりは、後述します。
徳川光成のお抱え科学者たちによって、クローン人間として復活させられた伝説の剣豪・宮本武蔵。作られた存在とはいえ、彼は死の直前までの記憶を持つ、紛れもない本人です。霊媒師である徳川光成の姉・徳川寒子が冥界から宮本武蔵の魂を呼び戻し、クローン体に入れたことで完全復活となりました。
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武闘家たちの対戦相手に、とうに亡くなった人間をクローン人間として蘇らせる。徳川光成の身勝手が表れています。そしてこの宮本武蔵の手によって、一般人に死傷者が出るわけですね。これは完全に徳川光成の責任でしょう。
あまりに強く、一般人、そして人気キャラクター烈海王まで殺すという、読者もびっくりな暴挙の限りを尽くしていた宮本武蔵。そんな宮本武蔵が、ついに主人公・範馬刃牙と闘い、敗北するときがやってきます。と、そこに霊媒師の徳川寒子が乱入。徳川寒子の力によって、宮本武蔵はあっさり昇天してしまいました。
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そして残ったクローン体は、冷凍保存されることに。徳川光成、全く懲りていませんね。範馬刃牙は徳川光成の身勝手さを指摘しましたが、老獪な徳川光成ははぐらかしてしまいました。
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まさかの結末に、読者たちは唖然としましたね。自分で復活させておいて、利用するだけ利用して結局昇天させる。散々迷惑をかけた宮本武蔵ですが、彼も被害者のひとりだったのかもしれません。
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主人公・範馬刃牙と、地上最強の生物の言われるその父親・範馬勇次郎の親子喧嘩。当時癌に侵されていた徳川光成でしたが、この親子喧嘩によって一般人に被害が出ないよう政府に働きかけ、警察や自衛隊が動員されます。しかしニュースでこの親子喧嘩のことを知った群衆が押し寄せる結果に。親子喧嘩は中止かと思われましたが、徳川光成は首相に話をつけ、親子喧嘩は続行します。そして親子喧嘩が終わったとき、徳川光成の癌は完治していました。
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人として生まれ、男として生まれたからには、誰だって一度は最強を志す。地上最強など一瞬たりとも夢見たことがない、そんな男は一人としてこの世に存在しない。と、断言した徳川光成。世の中そんな肉食系の男ばかりだったら、えらいことになりそうですね。
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最凶死刑囚編にて、範馬刃牙や愚地独歩が敗北した際、その敗因を指摘した徳川光成。その批評は花山薫を怒らせますが、それに対し徳川光成は泣きながらこのように反論しました。死刑囚たちに地下闘技場のファイターたちは負けないと、一番信じて期待していたのは徳川光成だったのです。
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アニメ『グラップラー刃牙』で徳川光成の声を担当したのは、第1作目が楠見尚己さん。第2作目が麦人さんです。
楠見尚己さんは福岡県出身の声優・ナレーター・俳優。所属はマウスプロモーションです。アニメでは『王ドロボウJING』(グラッパ)、『Fate/Zero』(フィン・マックール)などに出演。ゲームでは『オーバーウォッチ』(ロードホッグ)、ディシディアファイナルファンタジー(エクスデス)などに出演しています。映画の吹き替えなども担当しており、『ハリー・ポッター』(バーノン・ダーズリー)などに出演しています。
麦人さんは、東京都出身の俳優・声優・ナレーター。個人事務所・じゃがいも村の代表です。他出演作品に『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』(アイザック・ギルモア)、『ナノ・インベーダーズ』(ゼロ)『美男高校地球防衛部LOVE!』(ウォンバット)などがあります。また麦人さんは、アニメ『グラップラー刃牙』第1作で、愚地独歩の声を担当していました。
数々の名勝負のお膳立てをしてきた徳川光成ですが、同じくらい問題も引き起こしていますね。読者からクズと言われるのは、格闘技が見たいという自分の趣味を崇高な使命に置き換えて、そのために権力を振るい、事の収拾は他人任せなところでしょう。また闘いで贔屓の選手が傷つくと痛ましげな顔をする偽善的なところも、良く思われていないようです。今後徳川光成が改心することはあるのでしょうか?ないような気もしますが……注目ですね。
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