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「もののけ姫」徹底考察!アシタカはアイヌだった?気になるその後も!

2019.10.22

ジブリの代表的作品のひとつ『もののけ姫』。美しい世界観と舞台、時代背景から考えられる世界の在り方が多くの考察を生み出す本作ですが、そんな『もののけ姫』について、舞台のモデルや時代背景、そこから考えられる世界観の考察を紹介していきます。

  1. 『もののけ姫』とは
  2. 【もののけ姫考察】もののけ姫の舞台のモデルは?【舞台・時代背景】
  3. 【もののけ姫考察】もののけ姫の時代はいつ頃?【舞台・時代背景】
  4. 【もののけ姫考察】アシタカはアイヌ民族なのか【舞台・時代背景】
  5. 【もののけ姫考察】何故タタラ場は女人禁制なのか【舞台・時代背景】
  6. 【もののけ姫考察】タタラ場の病人の病名は?【舞台・時代背景】
  7. 【もののけ姫考察】アシタカの呪いについて【舞台・時代背景】
  8. 【もののけ姫考察】もののけ姫のその後は?【舞台・時代背景】
  9. 【もののけ姫考察】女性が強い『もののけ姫』【舞台・時代背景】
  10. 『もののけ姫』の考察についてまとめ
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日本だけでなく、海外でも絶大な人気を誇る『もののけ姫』。巨匠・宮崎駿監督が手がけたジブリ作品です。『もののけ姫』は原作・脚本も宮崎駿監督が担当し、まさに宮崎駿監督の世界観が丸々詰まった作品と言えるのではないでしょうか。

タタリ神となった神を殺したことで呪いを受けたアシタカは、村を追われ旅に出ることになります。旅の途中で出会ったジコ坊から、シシ神の森の噂を聞いたアシタカは、呪いが解ける可能性があるかもしれないと、その地を目指すことに。そこで、山犬に育てられた娘・サン、山を切り崩すタタラ場を営む女性・エボシ御前と出会ったアシタカは、自然と人間たちの在り方について考えていくようになりました。

考えさせられる言葉選びや、言葉なく表現される描写なども多く、考察のしがいがある『もののけ姫』。ここでは、舞台となった場所、時代背景などを踏まえながら考察をしていきます。

美しい山々が魅力的な『もののけ姫』。そんな『もののけ姫』の舞台のモデルとなった場所は、いくつか存在するそうです。

舞台①屋久島

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まず、シシ神の森のモデルとして有名なのが「屋久島」ですよね。世界自然遺産としても登録されており、木々の力強さ、自然の美しさが感じられる場所です。その神秘的な雰囲気に、やはり『もののけ姫』の世界観を思い出す人も多いようです。

舞台②白神山地

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また、シシ神の森のモデル地として、屋久島同様、世界自然遺産に登録されている「白神山地」も挙げられています。アシタカが育ったエミシの村もこの辺りではないかと言われており、エミシの村近くにある森のモデルとも考えられますね。

舞台③菅谷たたら山内

シシ神の森近くにある、エボシ御前のタタラ場のモデルとなったのが、島根県の菅谷たたら山内。島根はもともと、たたら製鉄が有名な場所で、『もののけ姫』の舞台自体も島根だとされています。神々が住まう土地ですからピッタリですよね。

物語冒頭で、「大和との戦いに敗れて五百余年」というセリフがあるので、中世・室町時代ごろだと考えられます。日本史的に考えれば、大和と蝦夷の争いは複数回起こっており、このセリフだけで断定はできませんが、エボシ御前が作らせている石火矢が伝来したのが室町後期であることから、室町時代だと考えられます。

室町時代の後期というと、いわゆる戦国時代と呼ばれる時期ですね。タタラ場にもアサノ軍と呼ばれる侍の使者たちが、鉄欲しさにタタラ場を訪ね、襲うシーンがありますが、鉄は戦乱の世には欠かせない貴重な資源となるため、それを表現したのではないかと考えられます。軽火器はもちろんのこと、刀も鉄がなければ打つことができませんからね。

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アシタカ生まれ育ったエミシの村のモデルが、白神山地だという話をしましたが、白神山地があるのは青森県から秋田県にかけてで、大まかに言えば東北です。近年では、アイヌというと北海道に住んでいた先住民族を指すことが多いですが、昔は東北の人々のこともアイヌというように表現されていました。

ただ現在では、いわゆるアイヌと呼ばれる北海道を中心に住んでいた蝦夷の一族と、東北にいた蝦夷の一族は全く同じではないと考える学説もあり、アシタカがアイヌ民族であったかどうかははっきり断定することができません。ただ、東北地方に住んでいた民族であることは、まず間違いないでしょう。

タタラ場での話で、「女がタタラ場にいるなんてな」ということを男衆が言います。これは、元来タタラ場は女人禁制であることに由来した言葉です。何故、タタラ場が女人禁制なのかというと、タタラ場の本場である島根を中心に、タタラ製鉄の神として崇められている金屋子神が女神だからだと言われています。

日本では、女神が人間の女性を嫌うという話は多く、そういう場には女性は伴わないというのが暗黙の了解となっています。まだ男尊女卑が強い時代、女人禁制と言われるタタラ場で女性を働かせているエボシ御前は、つくづく神というものを信じていないことがわかりますね。エボシ御前は非常に近代的な思考を持った人物だと言えます。

タタラ場の場面で、包帯で身体中巻かれ隔離された人々が登場します。健常者に苦い顔をされる彼らは、ハンセン病患者でしょう。宮崎駿監督本人も、『もののけ姫』にてハンセン病患者について描いたと明言しています。

ハンセン病は感染力もあまり高くなく、現代ではほぼ治る病気とされていますが、まだ医療が発達していなかった時代では、見た目が変化すること、感染性のある病気であることから差別的な対応をされることも多かったです。まだ治療法もわからない時代に、彼らを匿い同じ空間にいることができたエボシ御前は、やはり普通の人とは違う感覚を持っていたと言えるでしょう。

物語のラスト、シシ神がすべての命を奪い、再生させた場面では、包帯が取れ「治っている」と呟くシーンが追加され、シシ神の力によって病気が治癒されたことが描かれています。

アシタカは、タタリ神に呪いを受けたことで、村を追われることとなりました。彼がシシ神の森へやってきたのは、呪いが解けるかも、という期待を抱いたからです。しかし、最初シシ神を見たときは呪いが荒ぶり、2回目に会ったときは怪我だけ治し、呪いを解いてはくれませんでした。何故シシ神は2回もアシタカの呪いを見送ったのか、それはアシタカが自分が何者かわかっていなかった、もしくは穢れた呪いは一度死を迎えなければ解けなかったから、だと考えられます。

宮崎駿監督は、「アシタカが村で髷を切ったとき彼は人間ではなくなった」と言いました。おそらく、村の習わしから外れることが人間以外の何かになってしまうことに繋がるのでしょう。しかし、そんなアシタカもサンと想い合うことで、自分がまごうことなき「人間」であると、その運命を受け入れます。その意思の変化も関係したのではと考えられますね。

また、昼間に姿を見せるシシ神は本来「生」を司る神であり、夜に見せるダイダラボッチが「死」を司る神です。呪いを消すためには、生を与えるのではなく、呪い自体を殺す「死」が必要だったのではないでしょうか。そして、「死」の神が、夜明けとともに「生」の神へと戻ることで、死から生への再生となり、呪いが解けたのではないかと考えられます。

『もののけ姫』は、サンは森で暮らし、アシタカはタタラ場で暮らすという終わり方になっています。実は、セリフはないものの、この前に出た映像の中で、アシタカはさんにプロポーズをしている、とジブリは公式で公表しているのです。サンのこのシーンでの「アシタカは好きだ」のセリフは、その答えとなっているのだとか。

別の場所で、別の考えを持っていても、心と想いは同じである、とお互い確認し会ったアシタカとサン。アシタカの言葉に、笑みを向けたサンを見てもそれはよくわかりますね。そのまま彼らが結婚したかどうか、などは明記されていませんが、宮崎駿監督が、2人はよく会っていると明かしていることから、互いを想い合う関係であることは生涯変わらないのでしょう。

エミシの村に残されたアシタカの許嫁のことを考えると少々可哀想な気もしますが、戻らないつもりで村を出たこと、ただの人間として、ただの人間を愛したことを考えると、終わり方も、その後の生き方も納得できるものではないでしょうか。

『もののけ姫』は、非常に女性が強い作品として描かれています。宮崎駿監督自身が原作も脚本も手がけるものは、だいたい女性が強いですが、それが宮崎駿らしさではないでしょうか。彼の作品では、女性は守るべきものではなく、自らの力で生きている強い存在である、というのがありありと表現されています。

そのなかでも、エボシ御前、サン、タタラ場の女性たち、モロなど、『もののけ姫』は特に女性の強さが表されているように感じますね。モロは山犬なので、人間の女性とは少々違うかもしれませんが、彼女には「母としての強さ」があります。女性キャラに母性を求めるのも宮崎駿らしさのひとつでもあるので、『もののけ姫』はまさに監督の世界観が詰まった作品ですね。

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『もののけ姫』は、日本史や日本神話など日本の歴史を抑えながら考えると、作品の時代背景がよくわかり、宮崎駿監督の好みを抑えながら考えると、考察要素にたくさん気付くことができる作品です。ただ観ても楽しく、考察しても楽しいという、ジブリらしい作品と言えますね。

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サムネイル画像は下記より引用しました。
出典: https://twitter.com/cinematoday/status/756337990155186177