銀魂の地雷亜について
月詠の師匠として登場した地雷亜。
銀時に致命傷を負わせたほどの強敵で、滅私暴行を信条としながら忠誠を尽くした将軍の命を奪おうとするなど非常に歪んだ心の持ち主です。
弟子の月詠に自分と同じになることを求め、変装しやすくするために自分の顔を潰しているなどその狂気で強烈な印象を残しました。
一方で地雷亜のことをウザいと嫌っているファンも少なくありません。
アニメ銀魂の紅蜘蛛篇はアニメセレクションの際に、1位に選ばれるほどの人気エピソードですが、地雷亜の存在や月詠の出番が多すぎるともいわれ好き嫌いが分かれているようです。
地雷亜の元ネタや生い立ち、狂気が感じられるセリフなどについてまとめてみました。
銀魂の紅蜘蛛篇(地雷亜篇)とは?
地雷亜が登場したのは銀魂の紅蜘蛛篇です。
公式ガイドブックの「銀魂くんのあゆみ」では、紅蜘蛛篇ではなく地雷亜篇と書かれています。
またアニメ銀魂では月詠篇と表記され5週にわたって放送されました。
銀魂の代表的な長編として名前が挙げられる吉原炎上編の後日談にもなっています。
吉原炎上編で解放された吉原でしたが、鳳仙がいなくなったせいで犯罪が増えていました。
中でも非合法薬物の取引が一番の問題になっていました。
元締めの男を捕まえる依頼を受けた万事屋。
銀時と月詠は薬物の出所と噂される紅蜘蛛党に潜入します。
そこに亡くなったはずの月詠の師匠地雷亜が現れます。
地雷亜と月詠の師弟関係だけでなく、吉田松陽と銀時の過去が描かれるなど銀魂の中でもかなり重要なエピソードになっています。
銀魂の地雷亜とは?
地雷亜は極細のワイヤーを自由自在に操り、どんな場所でも縦横無尽に移動する能力を持ちます。
このワイヤーは蜘蛛の糸をイメージしたものになっています。
暗殺においては御庭番衆でも随一であり、最初の戦いでは銀時を圧倒しました。
簡単に変装を行えるように鼻を削ぎ落として皮膚を焼いているため、彼の素顔は非常にグロテスクなものになっています。
かつて将軍家に仕えていた頃は将軍の命令で一族郎党皆殺しにするなど、どんな汚れ仕事でも請け負うなど病的な忠誠心を持っていました。
しかし、その意図は忠誠を尽くした将軍を最終的に殺して、自分が快感を得るためというひどく歪んだものになっています。
その一方で孤独に耐えられないものを弱者と蔑み、自分を捨てて己が信じるものに尽くす滅私奉公をとく狂気の人物です。
弟子の月詠にもこの考えを伝えていて女を捨てさせるために、顔に傷をつけさせたのも地雷亜です。
自分の全てを教え込んだ彼女のことを芸術品と評価していました。
しかし、吉原が解放され迷い持ち始めた月詠の前に敵として現れます。
月詠をワイヤーで捕らえる姿はまさに蜘蛛です。
銀魂の地雷亜の声優について
アニメ銀魂で地雷亜の声優をしたのは屋良有作さんです。
現在は声優とナレーターのマネージメントをする事務所ビーボの代表を務めています。
ちびまる子ちゃんのさくらひろしを演じていることで有名です。
冷酷な悪役を演じることも多いですが、とぼけた役や2枚目役など幅広い役柄を演じています。
アーノルドシュワルツネッガーとスティーブンセガールのデビュー作で、吹き替えを行なった最初の人物としても知られています。
アニメや特撮、報道番組などで多数のナレーションを担当しています。
テレビアニメのはじめての出演は宇宙の騎士テッカマンの警備兵役です
「天外魔境 ZIRIA 」にも出演していて、あくろう王を演じていました。
最近のアニメでは「鬼平」の孫吉や「異世界食堂」のトマスの声優をしています。
地雷亜の過去と本当の名前
地雷亜の本当の名前は鳶田段蔵です。
伊賀でも有数の大家に生まれた段蔵は、神童と呼ばれていました。
しかし、鳶田家と敵対する一族に襲撃され、一族は段蔵と妹を残して皆殺しにされてしまいます。
その後、妹を人質に取られた段蔵は仇に仕えることになります。
妹を守るために憎しみを抱えながら、敵の一族に仕え続けた段蔵。
彼は己の心を殺し機械のように命令に従い続けました。
後に忠誠を誓った将軍を殺そうとしたのは、間接的に復讐を果たそうとしているのでしょう。
しかし、そんな段蔵の姿に耐えられなくなった妹は自決する道を選びます。
大切なものを失うことにも怯えるようになった彼は、孤独であることこそ強さであると自分を追い込んでいきました。
重責から逃げずに受け止める弟子の月詠の姿に憧れるとともに、仲間ができた月詠が手の届かないところに行くことを恐れ、今回の事件を起こしたことを最後に語っています。
死んだ妹と月詠は瓜二つだったようです。
銀魂の地雷亜の元ネタについて
地雷亜の元ネタは自来也豪傑譚の主人公自来也です。
最初の作者は美図垣笑顔ですが、人気原作者や絵師が執筆を引き継いでいきました。
天保10年から明治元年までの30年ほど物語は刊行されました。
それでも物語が完結したわけではなく、未完のままになっているようです。
主人公の自来也とヒロインの綱手、自来也の宿敵大蛇丸の三人が中心のストーリーになっています。
現在でも「自来也豪傑譚話」が歌舞伎狂言として公演されており、NARUTOや天外魔境など自来也、綱手、大蛇丸の三人がそのままの名前で登場する物語もあります。
鳶田段蔵の元ネタは?
鳶田段蔵の元ネタは、戦国時代の忍者加藤段蔵です。
加藤段蔵はFateでサーヴァントとして登場する他、忍たま乱太郎では同音異字の加藤団蔵が登場します。
ただし、Fateの加藤段蔵は性別が女性になっています。
また、「鳶の空跡」という加藤段蔵を主人公にした漫画もあります。
銀魂の地雷亜のセリフまとめ1
護られるではない 護りたいのであれば 女など捨ててしまえ
かつて月詠に向けて言った台詞です。
地雷亜の狂気を理解した上で聞くとどんな思いで言ったのかわかりません。
ただ、月詠を強くしたのは、間違いなく地雷亜の言葉だったのでしょう。
出来れば、純粋に月詠のことを思って言った言葉であってほしいですが。
私を滅し初めて公に奉ずることが出来る 公とは何か 幕府でも将軍でも主君でもない 己が信じ護るべきものだ
再び、月詠の前に現れた時の地雷亜の台詞です。
立派なことを言っているようですが、地雷亜にはそもそも信じるものがないんですよね。
結局、自分を正当化するために自分自身にも嘘をついているのでしょうが。
「俺だけは見ていてやる・・・俺だけはお前を護ってやる」とも言っていたので、最初のうちは地雷亜をまともな師匠だと思った人もいたようです。
銀魂の地雷亜のセリフまとめ2
何故お前は俺になれない
月詠が自分のようにならないと考えての台詞。
この時は狂気全開ですが、結局自分のようになった月詠を殺したいと思っていたようです。
「俺は俺を殺したいんだ」とも言っています。
自分に似た人間を殺すことで、自分に向けた憎しみを晴らそうとしているでしょうか?
俺は結局お前も妹も・・・何も護ってなどいなかった 俺が護っていたのは・・・自分だけだ
死の間際に月詠に言った台詞です。
ようやく自分のしてきたことを受け入れられたようですが、死の直前でなければ自分と向き合えなかったのでしょう。
最後に「月詠 つまらぬものを背負わせたな すまなかっ・・・た」とも言っています。
この言葉は月詠にとっては救いになったのでしょうが、読者はどう思ったのでしょうか?
銀魂の地雷亜についてまとめ
銀魂の地雷亜についてまとめてみました。
地雷亜は銀時を追い込んだ強者で強さランキングでも、結構上位にくるキャラクターです。
ただ、小物で精神的に弱いキャラクターというイメージがあり、人気は低いようです。
まあ、あまりに悲惨な境遇なので、歪んでしまっても仕方ないと思いますが。
これから、銀魂は主人公銀時と師匠の吉田松陽の物語になりそうですが、二人の関係はどんな結末を迎えるのでしょうか?