IHでチャーハンを作るとなぜかパラパラにならないんです。
たかが、チャーハン、されどチャーハン。チャーハンは我々日本人にとっても大好物の食べ物です。でも、IHで料理をするようになってからチャーハンがパラパラにならない、むしろベチョベチョです。なぜだ?これは作り方が悪いのか、IHが悪いのか?という悩みのループにハマっているあなた。究極のIHチャーハンを研究してみました。ぜひ読んでください。
パラパラなチャーハンを作りたい。IHとガスはどう違う?
ガスコンロを使っていた時代、チャーハンを作るときのコツは「強火で素早く、フライパンを振りながら焼くこと」でした。IHは火力が弱いのか?調べてみると…2018年現在主流になっているIHは200Vで、これはガスコンロに匹敵する熱量。むしろ機種によってはガスコンロよりハイカロリーも出せます。ただし、IHはフライパンを熱源から離すと熱が消えてしまうため、フライパンを手で持って振ると急激に熱が逃げてしまいます。ダイナミックなフライパンづかいはIHではNG!
IHでチャーハンがパラパラにならない理由
具材やご飯から水分が出ているからです。炒め物の場合、油が食材にうまくまとわりつくと水分が閉じ込められて水分が外に逃げません。今までのチャーハンがベチョベチョなのは油がうまく食材と絡んでおらず、油分の膜を作る前に水分が逃げてしまっていたんですね。ガスの時は鍋振りで素早く混ざっていたのに。油と食材のドッキングがこの問題の肝であるとわかりました。
ガスを使わずにパラパチャーハンにするにはどうしたらいいのか
鍵を握るのは…
①ご飯に含まれている水と油ははじき合う性質であり、木べらで優しく混ぜたくらいではドッキングしない。②IHはガスと違いフライパンを持って混ぜるのは熱が逃げて逆効果であること。この2つの難題を解くには、水分と油をくっつけやすくする他のものを投入しそれに頼るしかありません。そのような力を持っている食材とは、…卵!!!でした。あれ?いつも入れているはずなのに…。
卵のことを簡単に学ぼう
まず、卵黄について。卵黄にはレシチンという成分が含まれています。レシチンは本来、相性が悪い水と油をくっつけてくれる「乳化」という役割を果たすのです。卵白には空気に触れると膜をつくる成分があります。つまり卵は油とご飯がまんべんなく一体になったとき…チャーハンの米粒はパラパラになる、これが免許皆伝への1番の近道です。卵は水と油の接着剤!というわけです。
卵が役割をうまく果たせていなかった理由
卵はちゃんと入れていたのにベチャベチャになった理由は、卵がお米とよく混ざっていないからです。卵は熱で固まってしまったら、もう乳化はしてくれません。今までは、卵とご飯が混ざる前に卵に熱が通ってしまったから水分と油分をうまく接着できていなかった、というわけ。ダイナミックに混ぜる鍋振りをすれば熱が逃げるし、木べらでおとなしく混ぜても全体にうまく絡まない。IHの調理ではこうなるのは当たり前だったんですね。
IHでパラパラチャーハンを作るコツ①熱いご飯を使う
冷えご飯を温めずに使うとご飯がダマになります。大きな塊では一粒一粒に卵が絡みにくいのが難点です。反対に炊きたて熱々のものは、よく混ざる前に熱で卵が固まってしまうため、少し時間をおきましょう。ほんのり温かいものを使うのがベスト。冷凍ご飯や冷やご飯は水分を飛ばすためにラップなしでレンジで温めて。ダマをよくほぐしてからボウルに入れよう。
IHでパラパラチャーハンを作るコツ②ご飯と卵を先に混ぜ合わせてから炒めよう
フライパンに入れる前に、まず卵とご飯を絡めよう。ご飯の入ったボウルの中によく溶いた卵を入れ、卵かけご飯のように混ぜればOK。このように先に卵とご飯をしっかり絡めておけば、卵が熱で固まる前にご飯粒にまんべんなく行き渡ります。
IHでパラパラチャーハンを作るコツ③意地でもフライパンをIHから離さない
ご飯と具、どちらを先に炒めるか?の正解は、火の通りにくいものはあらかじめ炒めて皿に取っておくこと。時間をかけて火を通さなくても大丈夫なら先に卵&ご飯をよく炒め、具を投入の順番で進めましょう。そして絶対にフライパンを振ったり煽ったりしないこと。IHでフライパンを振るメリットはありません!
IHでパラパラチャーハンを作るコツ④スピードが命、という固定観念は捨て去る
ガスコンロ時代に盛んにいわれていた「スピードが命!」の概念は捨てましょう。ご飯の水分が出てしまう心配はもうしなくてもいいのです♪むしろ焦がさないように、やや控えめな火力で。時間を長めにじっくり木べらを使って混ぜましょう。「チャーハンを育てる」ぐらいの余裕を持って望むのがIHで作るチャーハンのコツです。
IHでパラパラチャーハンを作るコツ⑤液体の調味料は鍋肌から
せっかくいい感じに炒めたチャーハンも、上からまた水分をかけてしまってはもったいないですね。お醤油などの液体調味料はフライパンの鍋肌から回し入れよう。こうしたほうがお醤油がうまい具合に焦げた香ばしい匂いが立って美味しいチャーハンに仕上がります。
IHでパラパラチャーハンを作るコツ⑥マヨネーズを使ってもいい
時間がないときは、ご飯と卵を混ぜ合わせる代わりに、マヨネーズを油の代わりに使うのもアリです。マヨネーズは油と卵で出来ています。マヨネーズが熱で溶け始めてゆるくなったら、ご飯を投入し、丁寧に絡める。それから具材を投入。マヨネーズだけでは卵の存在感が足りないので溶き卵も加えましょう。
IHでもこんなにパラパラ!美味しいチャーハンレシピ①
ご飯と卵先混ぜ…さらにマヨネーズも加えて和えるレシピです。高菜は火を通さなくても食べられますが、こうしてチャーハンにすると香りが楽しめて最高です。お土産でもらったままの高菜もチャーハンにすればあっという間になくなってしまいます。全体的に金色のチャーハンに渋いグリーンのアクセントも見た目がGOOD。
IHでもこんなにパラパラ!美味しいチャーハンレシピ②
先に鮭をオーブンで焼いておき、マヨネーズを油代わりにして作ったチャーハンと合体させるレシピです。塩鮭をつかう場合は塩を控えめにしてもいいかもしれません。時間がないときは鮭フレークを使っても代用出来そうです。チャーハンはあるもので気軽に作るのが一番楽しい料理ですよね。
IHでもこんなにパラパラ!美味しいチャーハンレシピ③
先にはんぺんをバターでこんがり焼いておき、その後にご飯&卵を入れるレシピ、ふわふわなはんぺんとご飯のかみ応えのギャップを楽しめます。バター醤油の風味のはんぺんも美味しく楽しめますね。
IHでもこんなにパラパラ!美味しいチャーハンレシピ④
ご飯&卵先混ぜ派レシピ。ナンプラーとレモン汁でアジアンなチャーハンに仕上がります。これは個性的です。アジアンメニュー好きならパクチーを添えて食べても美味しいレシピ。いつものチャーハンに飽きた日や、残っているナンプラーを消費したいときに役立ちそうです。
もう悩まない!パラパラチャーハンの奥義・まとめ
IHになってからチャーハンを作る回数も減っていた人もこれさえ抑えておけば、パラパラの自作チャーハンを楽しむことが出来ますね。IHチャーハンのコツをおさらいします。①ほんのり温かいご飯を使う。②ご飯と卵を先によく絡ませる。③フライパンはIHから離さない。④時間をかけてゆっくり炒める。⑤液体調味料は鍋肌から。⑥時間がないときはマヨネーズを油代わりにしてもOK。です。
ガス時代に身につけたチャーハンの作り方はもう卒業!これからはIHをうまく利用して美味しいチャーハンをたくさん食べましょう!
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