さつまいもの芽は毒だから取る?(1)さつまいもの成分
9月からの秋においしくなるさつまいも。焼き芋にしても、大学芋にしても、様々な食べ方ができるさつまいもなので、大量に購入することも多くあります。先ずはさつまいもの成分などについてお伝えします。
【主成分】でんぷん、ビタミンC、B1、B6、カロテン、食物繊維
さつまいもの主成分は、でんぷんとなっています。このでんぷんは加熱によって、一部が糖質に変わるために、甘みが増しておいしくなります。主食にもなれる優秀なさつまいもです。
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さつまいもの芽は毒だから取る?(2)さつまいもの保存期間
秋口になると、大量のさつまいもを購入することもありますが、その保存期間や賞味期限などは記載が特にありません。さつまいもの保存期間は基本的には保存される環境に左右されますが、常温保存で3か月ほどと言われています。
【常温保存】1~3ヶ月
さつまいもは常温保存が基本となります。さらに、常温でも20℃を超えると発芽してしまうため、適温は13~16℃と言われています。
さつまいもは水気を嫌うので、汚れていても長期的な保存期間を持ちたい人は、水洗いはしないようにしましょう。水で洗ってしまうと、保存期間は驚きの1~2日しか持ちません。
保管方法
保管方法としては、さつまいもを1本ずつ新聞紙に包んで、風通しの良い冷暗所で保存することが一番です。大量に購入をしてしまった場合には、保存期間である3か月を迎えて芽が出ていないことを確認したら、冷凍保存でなるべくすぐに食べるようにすると大丈夫です。
さつまいもの芽は毒だから取る?(3)さつまいもとじゃがいもの違い
じゃがいものの主成分も、さつまいも同様でんぷんとなっています。その他もビタミンC、B1、B6などが豊富なので、さつまいもと似ています。ですが、食用部分が大きく違います。その違いをお伝えします。
じゃがいもとさつまいもの違い
【じゃがいも】茎からイモ部分が生える。芽は出ても根は出ない。芽にはソラニンとチャコニンという天然毒素の一種が含まれている。
【さつまいも】根の一部が大きくなったのがイモ部分。芽も根も出る。芽には毒はない。
つまり、さつまいもの芽には、じゃがいものような毒はありません。じゃがいもの毒は体調不良を引き起こし、中毒になる可能性があり、最悪命にかかわることもあるため、絶対に食べず、取るか捨てる必要があります。
さつまいもの芽は毒だから取る?(4)さつまいもの芽は毒?
先ほどお伝えしたように、じゃがいもの芽は中毒を引き起こす怖い「ソラニン」という毒が入っていますが、さつまいもの芽にはソラニンは入っていません。じゃがいもとは異なり、毒ではありません。なので、さつまいもの芽を食べてしまっても大丈夫です。
さつまいもは、常温保存が基本となりますが、20℃を超えると芽が出てきます。逆に、冷たすぎると低温障害を起こしてしまうので、なるべく風通しの良い涼しい場所で保管すると、芽が出にくくなります。芽は毒ではないですが、できれば、芽がでないようにおいしく保管ができればよいですね。
さつまいもの芽は毒だから取る?(5)さつまいもから芽が出てきたら
安い時に大量購入したさつまいもから、芽が出てしまったら、「もう食べられない」と捨てなくて大丈夫です。芽を取り除けば、芋の部分をそのまま食べることが出来ます。ただ、その場合、芽にさつまいも本体の栄養分が奪われているので、芽がある分どんどん味は落ちていきます。
芽がある程度出てしまったら、芋部分の食用は諦め、是非栽培をしてみてください。さつまいもの生命力は素晴らしいので、育て方も難しくはありません。水を与えておくだけで大丈夫です。家の中でも水栽培で成長するので、次からは芽が出た場合の育て方についてご紹介します。
さつまいもの芽は毒だから取る?(6)芽が出た場合の育て方
芽が出たさつまいもは、水だけで大きく育ちます。栄養は芋から摂っているので、水さえあれば、驚くほど成長をしていきます。先ずはその成長がわかる動画をご紹介します。
▼10秒でわかる水栽培で大きくなるさつまいも
▼様々なさつまいもの芽吹きを動画でまとめています。芽だけではなく、根も立派に伸びてくることが分かります。
さつまいもの芽は毒だから取る?(7)芽の育て方、水栽培の仕方
さつまいもの生命力はとても強いので、家庭でも簡単に水栽培をすることができます。では、実際に芽が出てしまった場合の水栽培での育て方をご紹介します。
さつまいもの芽は、さつまいもの葉が「ハート型」のような見た目なので、観葉植物のように育てる人もたくさんいます。
更に、育った葉や茎は食用として食べることが出来るので、天ぷらなどにするとおすすめです。
育て方
①さつまいもを半分に切り、切り口を水に浸ける。水に浸けるのは1~2cmほどで大丈夫です。
※さつまいもを切らずにそのまま片面を水に漬けて育てる方法もあります。
②日当たりの良い場所に置いて、毎日お水を替えます。お水を替えないと、すぐに腐ってしまいます。
③さつまいもはいろいろな場所から発芽して、茎・葉が伸びてきます。
④観葉植物の場合には、芽を間引くと、残った葉が大きく育ちます。1か月ほど楽しむことが出来ます。
さつまいもの芽を水栽培したら、比較的すぐに成長をします。毎日水を替えさえすれば肥料や栄養など与えなくても大丈夫です。
さつまいもの芽は毒だから取る?(8)さつまいも芽のレシピ
さつまいもの芽には毒はないので、そのまま料理をして食べることも出来ます。なかなか芽を食べることはないとは思いますが、芽を使ったレシピがあるのでご紹介します。
さつまいもの芽のツナマヨ和え
【材料】さつまいもの芽いっぱい、シーチキン1缶、マヨネーズ大さじ2ほど
【作り方】さつまいもの芽を茹で、茹で上がったら冷水に取り、水気を切ります。その後、シーチキンとマヨネーズと和えて完成です。
さつまいもの芽は毒だから取る?(9)さつまいも葉のレシピ
次に、育った葉を使ったレシピをご紹介します。さつまいもの葉を食べる機会は一般的には少ないですが、その味は「モロヘイヤ」のような粘りがありとても美味しく優しい味がします。是非育った葉で調理をしてみてください。
さつまいもの葉のお浸し
【材料】さつまいもの葉適量、塩適量、ミツカン追い鰹つゆ(2倍濃縮)適量、鰹節適量
【作り方】お湯でさつまいもの葉を茹で、つゆをかけたら出来上がります。
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さつまいもの芽は毒だから取る?(10)さつまいも茎のレシピ
さつまいもの茎も食用で大丈夫なものです。普段はなかなか食べることが出来ませんが、水栽培で茎が育った時に是非試してみてください。
さつま芋の茎のきんぴら
【材料】さつま芋の葉(若いところ10枚)、さつま芋の茎30本、小女子大さじ2、ごま油 大さじ1、つゆの素小さじ1、水30cc
【作り方】茎の皮をぽきぽき折るようにして剥ぎ、数時間水にさらします。その後、小女子と葉・茎を炒めます。水を加えて5分煮ます。最後につゆの素をかけて完成です。
いかがでしたでしょうか。さつまいもの芽は毒ではなく、食用にもなることが分かりました。さらに、その芽から簡単に水栽培で育てていくこともできるので、食用だけではなく、観葉植物として育てることもおすすめします。