岡山弁の特徴といえば、なんといっても連母音融合です。連母音とは「a,i,u,e,o」が連続することを言いますが、例えば「数える（kazoeru）」が「カゼール（kazeːru）」、「長い（nagai）」が「ナゲー（nageː）」と発音されます。

この連母音融合は、ツッパリ言葉・不良言葉の特徴として一般的に認識されていることもあり、岡山の方言はしばしば「怖い」という印象を持たれやすい傾向にあります。

ロックユニット『B’z』のメンバーでミュージシャンの稲葉浩志さんは岡山県津山市出身です。1988年に松本孝弘さんと結成した『B’z』でデビューして以来、現在まで第一線で活躍している日本を代表するアーティストです。

俳優のオダギリジョーさんは、岡山県津山市出身です。『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』や『湯を沸かすほどの熱い愛』など数々の人気作に出演している日本を代表する俳優で、2019年には自身のオリジナル脚本による長編映画『ある船頭の話』が第76回ベネチア国際映画祭のベニス・デイズ部門に選出されるなど、活躍の幅を広げています。

女優の桜井日奈子さんは岡山県岡山市出身です。かわいすぎるその顔立ちで「岡山の奇跡」として一躍有名になった桜井さんは、『マーマレード・ボーイ』『ういらぶ。』などの少女マンガ実写の映画などでも活躍されています。

『ブルゾンちえみwithB』として2017年に大ブレークした芸人のブルゾンちえみさんは、岡山県岡山市出身です。2017年の24時間テレビではチャリティーマラソンランナーとして完走し、自身のネタの特徴的なフレーズである「35億」は『ユーキャン新語・流行語大賞2017』のトップ10を受賞しました。

お笑いコンビ・千鳥の大悟さんとノブさんはともに岡山県出身です。岡山県の高校の同級生である2人は、岡山弁と大阪弁が混在した独自のチンピラ漫才スタイルが特徴的で、『テレビ千鳥』『相席食堂』など数多くのレギュラー番組を抱える人気芸人です。

ここからは「怖い」なんて言われてしまいがちな岡山の方言について定番やかわいい・面白いものまで16選でご紹介します。大人気アニメで一躍有名になった方言から、ユニークな方言まで、ぜひ意味を推測しながら見て下さいね。

「おえん」は「〜しちゃいけない」と言う禁止を意味します。「それしちゃおえん！（＝それはしちゃダメ！）」「もうおえん（＝もうダメだ）」などと使います。

「おおがっそう」は草や髪の毛が伸び放題・生え放題の状態を指す方言です。「がっそう」が「ボサボサした状態を意味し、さらにひどくなった状態を「おおがっそう」と言います。

「きねー」は「来なさい」という意味です。「こっちきねー（＝こっち来なさい）」などと使います。子供や親に怒られるときなどによく使われる方言です。

「きょーてー」は「怖い」「恐ろしい」という意味です。人の気配がない様子を表す「気疎い（けうとい）」が鈍ってできた方言と言われています。「きょーてー夢を見た（＝怖い夢を見た）」などと使います。

「きょーる」は「来ている」と言う意味です。「来てーる」が鈍って「きょーる」になったと言われています。「今きょーるよ（＝今来ているよ）」などと使います。

「けっぱんづく」は「つまづく」という意味です。「石段でけっぱんづいたんじゃ（＝石段でつまづいたんだ）」などと使います。略したり長音になることが多い岡山の方言ではやや珍しい、標準語よりも語数が多いユニークな方言です。

「じゃろ」は語尾につけて「〜でしょ？」という意味です。岡山出身芸人の千鳥・大悟さんもよく使う方言ですね。「行くじゃろ？（＝行くでしょ？）」などと使います。

「たわん」は「届かない」「足りない」と言う意味です。「ちいとたわん（＝少し足りない）」などと使います。

「ちいと」は「少し」と言う意味です。岡山以外にも和歌山や鳥取などで使われるので、全国的にも有名な方言の一つです。「ご飯ちいとにして（＝ご飯少なめにして）」「ちいとだけだよ（＝少しだけだよ）」などと使います。

「どけー」は「どこから」「どこへ」という意味です。「あんた、どけー来たん？（＝あんた、どこから来たの？）」などと使います。少し怖い印象を抱かれやすい方言の一つです。

「なんしょん」は「何している？」という意味です。「なにしとる」が鈍って「なんしょん」になったと言われています。「今なんしょん？（＝今なにしている？」などと使います。

「ぶっしゃく」は「ボコボコにする」と言う意味です。「打つ」を意味する「ぶち」と「殴る」を意味する「しばく」が合わさってできた方言です。「おめぇ、ぶっしゃくぞ（＝お前、ボコボコにしてやるぞ）」などと使いますが、できればあまり聞きたくない方言ですね。

「ぼっけー」は「ものすごい」「とても」という意味です。「今日はぼっけーさみーなぁ（＝今日はすごく寒いなぁ）」などと使います。

「みてる」は「なくなる」「尽きる」と言う意味です。標準語にも「見ている状態」を表す「見てる」があるので、初めて聞くときには混乱しやすい方言の一つです。「米がみてたわ」と言われたら、「お米に目があるの！？」なんて一瞬びっくりしてしまいそうですが、「米がなくなった」と言う意味になります。

「もんげー」は「ものすごい」という意味です。「もんげーなぁ！（＝すごいなぁ！）」など感嘆するときに使います。『妖怪ウォッチ』にも「もんげー」が出てくるので、全国的にも有名な方言の一つです。

「やっちもねー」は「くだらない」「つまらない」という意味です。「やっちもねー人だ（＝しょうもない人だ）」などと使います。ユニークで面白い方言ですが、できれば言われたくない一言ですね。

「怖い」なんて言われがちな岡山の方言ですが、方言は告白フレーズにすると可愛く聞こえるもの！ここからは岡山方言を使った胸キュン必至の告白フレーズをご紹介します。

「あなたのことがぼっけえ好きじゃけえ」は「あなたのことがすごく好きです」と言う意味です。「ぼっけー」が「すごい」を意味します。一見、キツく聞こえがちですが、特に女性が言うと胸キュンしてしまう不思議な方言です。

「なーなー、ぶちかっこええな」は「ねぇねぇ、とてもかっこいいね」と言う意味です。直接的な告白フレーズではありませんが、こんなこと言われたら「惚れてまうやろー！」状態ですね。

「うちらーぼちぼち結婚せん？」は「私たちそろそろ結婚しない？」というプロポーズのフレーズです。「ぼちぼち」が「そろそろ」と言う意味です。

いかがでしたか？「怖い」と言われてしまいがちな岡山の方言について、特徴や定番方言、かわいい・面白い方言や胸キュンの告白フレーズをご紹介しました。一見キツく怖い印象に聞こえがちな岡山方言ですが、『妖怪ウォッチ』で全国区になった「もんげー」や「おおがっそう」などユニークな方言もたくさんありましたね。お笑いコンビ・千鳥や桜井日奈子さんなどのおかげでますます注目されている岡山方言。ぜひ覚えてみて下さいね。