トレーニング中・後、かがむと、腹筋が「つる」とはどういう状態か 原因分析
筋肉には、緊張と弛緩を調節する「筋紡錘(きんぼうすい)」と呼ばれる感覚装置があります。この装置がうまく機能しなくなり、弛緩の調節ができなくなると、筋肉は急減な収縮を行い、痙攣してしまいます。この状態が「つる」です。
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足がつったことのある人は多いのではないでしょうか。足の裏やふくらはぎをつってしまうこと、ありますよね。(※ふくらはぎをつる状態が「こむら返り」です。) では、お腹の腹筋がつるとき、カラダはどのような状態なのでしょうか。腹筋がつる原因を見ていきましょう。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ①:ミネラル不足
筋肉の収縮には、カリウムやマグネシウム、そしてカルシウムなどのミネラルが必要です。よって、このミネラルが足りないと、筋肉が痙攣して、つってしまいます。ミネラルは、筋肉に限らず、健康なカラダづくりには欠かせませんので、不足しないようにしましょう。食事での摂取が難しければ、サプリメントもうまく活用しましょう。
カリウムの役割
私たちの体内にあるカリウムは、細胞内液に存在しています。近年の研究結果により、カリウムの摂取量を増加させると、血圧の低下、脳卒中の予防、骨密度の増加に繋がることが分かりました。 この点から、筋肉の収縮を手伝ってくれると言われております。
マグネシウムの役割
マグネシウムはみなさんのご存知の通り、骨や歯を作ったり、強化したりするために働く栄養素です。カルシウムやリンとともに骨をつくっている、とても重要なミネラルです。
カルシウムの役割
カルシウムは骨や歯の形成に重要な働きを持つ栄養素です。 体重の1~2%の重さがカルシウムの量だと言われています。 体内のカルシウムは、ほとんどが骨と歯に、残りの1%ほどが血液などの体液や筋肉などの組織にあります。 この1%のカルシウムが止血、あるいは生命の維持や活動に重要な役割をしています。 腹筋を行う際の筋肉組成にも役に立っているので、積極的に摂るべき栄養素だと言えるでしょう。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ②:水分不足
ミネラルとともに、筋肉の収縮に必要なのは、水です。大量に汗をかいたり、下痢などで、体内の水分が減るような状態では、カラダが水分不足状態となり、痙攣に繋がります。水分やミネラルのバランスが崩れると、筋収縮がうまくいかなくなってしまうからです。お腹の痙攣対策にもミネラル分が入った、スポーツドリンクなどで水分を補給することが、重要です。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ③:ビタミンB1不足
ビタミンB1は、筋肉をコントロールする神経に対して、エネルギーを供給する役割を担っています。このビタミンB1が不足していると、筋肉を動かす神経をコントロールできなくなり、つってしまいます。
ビタミンB1の役割
ビタミンB1は、水に溶ける水溶性ビタミンのひとつです。かつてわが国の国民病のひとつといわれた脚気(かっけ)という病気は、ビタミンB1欠乏によっておこることが知られています。ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。また糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも関係しています。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ④:エネルギー不足
カラダが持つエネルギーが不足すると、先程のビタミンB1と同様、筋肉を動かすことができなくなります。糖質制限など、摂取エネルギーをカットしたダイエットなどを行っていると、筋肉をつりやすいとも言われています。ダイエット中で食事制限をしていたとしても、筋トレ前だけは、おにぎりなど糖質をカラダに入れておきましょう。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ⑤:カラダが冷えているから
カラダが温まっていないときというのは、全身に血液が十分いきわたっていない状態です。この状態では筋肉の動きが衰えてしまい、ちょっとかがむだけでもお腹がつる原因となるのです。いきなり本格的なトレーニングをするのではなく、準備運動などで徐々に体を温めてから、トレーニングすると良いでしょう。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ⑥:筋トレの間隔が空いているから
しばらくトレーニングしていないのに、急に高負荷の筋トレをしようとすると、筋肉の収縮が急激に起こってしまいます。これが筋肉をつらせてしまいます。久しぶりに腹筋のトレーニングする場合は、低負荷のものや伸びる・かがむを繰り返すような運動から行い、徐々にお腹への負荷を上げていくようにしましょう。
筋トレ中に腹筋がつる原因 ⑦:筋肉の酷使
筋肉への負荷をかけ過ぎると、筋肉に疲労物質がたまります。それにより、筋肉は痙攣してしまいます。痙攣に至る負荷の量は、個人で差があるので、自分はどの程度の強度の運動で、お腹の筋肉がつるのか、把握しておくことが必要です。また腹筋を一度つってしまうとかがむ度につってしまう、ということもありえますので無闇にかがむのは控えましょう。
ここまで見てきたように、腹筋がつる原因は様々です。それでもつってしまった、そんな時はどうしたらよいでしょうか。対策を2つ、ご紹介します。
筋トレ中に腹筋をつるときの対策①: えびぞりになろう
最初にお伝えしたように、筋肉の異常収縮が「つる」状態なので、筋肉を弛緩させれば、痛みは軽減できます。腹筋がつった場合は、お腹を伸ばす、つまり「えびぞり」の状態になることで、筋肉を弛緩することが可能です。無理しない範囲で、お腹を伸ばしましょう。またその際にかがむとまたつってしまいますので気をつけましょう!
筋トレ中に腹筋をつるときの対策②: カラダを温めよう
カラダの冷えや血行悪化はつる原因となるので、つった部分、腹筋運動の場合はお腹をカイロやホットタオルで温めましょう。温めることで、血流を促し、痛みが緩和できます。
筋トレ中に腹筋をつるときの対策③:マッサージをしよう
つった後の不快感を鎮めるためには、マッサージが効果的です。中でも、揉むマッサージよりも、さするマッサージのほうが、鎮静効果が高いようです。また、運動の前にかがむ・伸びるを繰り返しておくことで予防することもできます。
腹筋がつってしまったら、以上のような対策で、痛みを取り除きましょう。でも、できることなら、つりたくないですよね。そこで、改めて、腹筋がつらないようにする対策をまとめてみましょう。
筋トレ中に腹筋がつる前の予防策!原因から①:水を飲もう
水分不足やミネラルバランスが崩れることが、つる原因でしたので、スポーツドリンクや塩を摂取して、そのバランスを元に戻しましょう。夏の暑い時期であれば、熱中症の対策にもなりますよ。
筋トレ中に腹筋がつる前の予防策!原因から②:ストレッチをしよう
急な負荷が筋肉にかかることで、筋肉がつってしまいます。そこで、事前に低負荷のストレッチでカラダを慣らしておきましょう。特に冬場は、カラダが冷えてカチカチの状態のままで筋トレをしてしまうと、筋肉がつるだけでなく、ケガに発展してしまうこともあります。また、あらかじめかがむ・伸ばすストレッチで体を温めることで、その後の筋トレの効果も高まりますので、ぜひ取り入れましょう。
筋トレ中に腹筋がつる前の予防策!原因から③:糖質を摂ろう
エネルギー不足で筋肉がうまく動かせなくなることで、筋肉が痙攣して、つってしまうのですから、トレーニングの前には、エネルギーを体内に入れておきましょう。中でも、糖質は体内に入ってからエネルギーに代わるまでの時間が早いため、トレーニング前の摂取にはおすすめです。
腹筋がつる前に!効果的な回数・方法
腹筋がつる前に!効果的な回数・方法:回数は関係ない?
腹筋は何回やればいいと思う方が多く居ると思いますが、腹筋はすればするほど筋肉が付くものではありません。100回やっても200やっても正しいフォームでやらないと効果がありません。間違ったフォームで100回やるのと正しいフォームで20回やってもどちらが効果を発揮するかといいますと、正しいフォームで行う腹筋です。
腹筋がつる前に!効果的な回数・方法:シックスパックへの道
シックスパックを手に入れるには一日20回の3セットのトレーニングだけでは不可能です。腹筋を割るため伊は体脂肪率をまず15%まで落とさなければいけませんが、体脂肪率15%はほんのりと腹筋が見えるようになる最低ラインですので、バキバキに割れたシックスパックを作るには体脂肪率10%以下になる必要があります。
腹筋がつる前に!効果的な回数・方法:回数ではなく質
なんどもしつこく説明してきた通り腹筋は回数でなく質のよさが大切です。良くテレビや自慢話などで毎日100回や500回腹筋をするのが日課というガリガリの人の筋トレ話を耳にしますが、100回、500回をやる時間がとてももったいないそれだけの回数を目標としてやるのなら確実に正しいフォームで行うほうが効率よくできます。筋トレに100回など行うのは時間の無駄ですので、それだけの時間を筋トレ時間に避けるのなら違う方法で鍛えましょう。
腹筋がつる前に!効果的な回数・方法:意識を改善
ただ、正しいフォームで20回行うよりもっと効率よくつけれるのが腹筋を意識しながら行う筋トレです。筋トレは付けたいところを鍛えるだけでなく、鍛えているところを見つめ意識することで筋肉は確実に早くつけれます。
めざせ!「筋トレで腹筋をつらない」カラダ 原因と対策のまとめ
腹筋がつってしまうワケ、わかりましたか。腹筋をつらないためには、体内の様々なバランスが重要なことが分かりましたよね。準備運動のストレッチと、水分・エネルギー補給といった対策を忘れずに行い、筋トレで「つらない」カラダを作りましょう。