恋の和歌はたった31文字にその想いが込められている
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和歌とは5・7・5・7・7の31文字で表現する短歌で、そのたった31文字でその想いが込められているものが多くあります。和歌は古き良き時代の日本から読まれていましたが、その恋の想いは現代でも強い共感を持つことができます。昔と現在では恋に対する言葉や表現が変わってしまいましたが、恋の和歌のその想いは現在でも変わらずに心を癒してくれます。今回はそんな恋の和歌の中でも、誰もが共感できる和歌をまとめていきたいと思います。
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5・7・5・7・7で表現される短歌。短歌の中でも恋の短歌は、特に印象的ですよね?恋する女性は、どの時代も恋の詩を考えるものです。現代の意味として読み解くと恋の短歌は切ないものばかり。これから紹介する恋の短歌にあなたは共感するかもしれませんよ!
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】足引きの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひろりかもねむ
作者:柿本人麻呂
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この恋の和歌は愛しい人と離れている長い夜を山鳥の尾で表現した、切ない思いを歌った和歌です。愛しい人と離れて、一人で寂しく寝ている事を歌われています。ちなみに山鳥は、尾の長さを1メートルを超えることもあることから、このように表現されています。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひぬるかな
作者:藤原義考
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この和歌の意味には、愛しい人に会う為なら自分の命は惜しくないと思われていましたが、愛しい人に会えた今、できるだけ長い時間を過ごしたいと別れが切なくなる事を歌った和歌です。それがたとえ短い命でも、愛しい人の為にも長生きしたいと願ったかのように思わせる和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】夜もすがら契りしことを忘れずは恋ひむ涙の色ぞゆかしき
作者:藤原定子(ふじわらのていし)
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この恋の和歌は、一晩中語ったお互いの契りを忘れない恋心を歌った和歌で、別れの切なさを表現されています。離れている時の涙の色が、どんな色になっているのかを知りたいと、いつでも思っている恋の切なさが感じられる和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】夜とともに行くかたもなき心かな恋は道なきものにぞありける
作者:藤原顕季(ふじわらのあきすえ)
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こちらの恋の和歌は、夜になると自分の心が苦しくなる愛しい人へに対する別れの辛さを表した和歌で、片思いの相手への恋道を感じさせてくれています。夜になるとともに、寂しくなる気持ちが切ない和歌です。夜とともに、行く場所もなくなる自分の気持ちも表現されています。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】明日香河淵は瀬になる世なりとともに思ひそめてむ人は忘れじ
作者:よみ人知らず
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この和歌の意味には、一度愛した人の事を決して忘れないという意味があり、片思いであろうと別れがあったとしても、その想いに正直に、もし世の中が変わったとしても決して忘れないと表現した和歌になっています。ちなみにこの明日香河は、奈良の飛鳥地方になる、飛鳥川の事を表しています。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】ほととぎす鳴くやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな
作者:よみ人知れず
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この和歌も上記で紹介した人と同じ作者ですが、甘く切ない恋を歌われています。こちらの恋の和歌は、ものごとを考えずに恋に夢中になっている様子を現した和歌で、たとえ届かない片思いの相手でも、先を考えずに好きになることを表現されています。恋に夢中になる様子が、切なくも感じさせる和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】つらければかくてやみなむと思へども物忘れせぬ恋にもあるかな
作者:花山院(かさんいん)
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この和歌は恋をするのが切なくて辛くなった事を表現されており、恋をしたくないけれど、忘れられない恋もあることを歌っています。別れの辛さや、切ない気持ちを感じさせる恋の和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】玉の緒の絶えてみじかき命もて年月ながき恋もするかな
作者:紀貫之(きのつらゆき)
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この和歌は、玉の緒を人の魂と例えた和歌で、短い人生の中でも、できるだけ長く恋をしていたいと歌われています。恋の別れや切なさを知っていても、前向きさを感じさせます。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを
作者:小野小町
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この和歌は愛しい人を思い続けていれば、その人が夢に出てくると信じている和歌で、もし愛しい人が夢に出ていることを知っていれば、目を覚ましたくないと願った切ない恋の和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】結ぶ手をしづくにごる山の井のあかでも人に別れぬるかな
作者:紀貫之
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この恋和歌は、心残りがあったまま、愛しい人との別れを歌った和歌で、山の井の中の清水でも、一度手からすくいあげても、飲み足りない事を表されています。その清水のように、心残りがあるまま、愛しい人との別れを歌われた片思いの切ない和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】つれづれと空ぞ見らるる思ふ人あまくだり来むものならなくに
作者:和泉式部
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この恋の和歌の意味には、空を眺めていると、愛しい人が天から降ってくる願われた和歌で、愛しい人の事を待ち望んでいる女性の気持ちが表されています。たとえ離れていようが片思いだろうが、待っている女性の事を感じさせてくれる切ない恋和歌です。また女性の待つことの不安も表されています。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づるたまかとぞ思ふ
作者:和泉式部
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この和歌は、自分の想いを蛍に例えた恋和歌で、恋人との別れが辛いことを歌われています。切ない気持ちと、その別れの辛さが心に響かせる和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか
作者:壬生忠見(みぶのただみ)
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この和歌は、人知れずに相手への想いをつげている和歌で、片思いの相手の事を密かに思っている事を表されています。恋をしていることを知られたくない事から、片思いの相手にも告白できずにいることを歌られた切ない恋和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】恋ひ死なば鳥ともなりて君がすむ宿の梢にねぐら定めむ
作者:崇徳院(すとくいん)
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この和歌は、たとえ死んだとしても鳥になって、愛しい人の事を見守ることを表現された恋和歌です。それがたとえ片思いだろうと、愛しい人のすぐそばに居たいとも、感じさせてくれる切ない和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな
作者:与謝野晶子
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この和歌は愛しい人が、花野で待っているような気がして、夕方の美しい月夜に照らされながら、探している仕草を表現されています。待つ側の会いたいと想う高ぶる気持ちが、心に響かせる切ない恋和歌になっています。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】きみにより思ひならひぬ世の中の人はこれをや恋といふらむ
作者:在原業平(ありわらのなりひら)
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この和歌は愛しい人と出会って、恋を学んだ事を表現されており、今まで恋を知らなかった初恋のことを歌われています。世の中の人は、この気持ちのことを恋ということを美しく表現された恋の和歌です。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】天つ空とよのあかりに見し人のなほ面影のしひて恋しき
作者:藤原公任(ふじわらのきんとう)
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この和歌は、愛しい人の面影を歌われた和歌で、その思い出がむしょうに恋しいことを表現されています。後悔であったり、大切な思い出であったりと、人それぞれの恋しい面影が美しく歌われた恋の和歌になっています。
【片思いや別れを唄う切ない恋の和歌】秋風にかきなす琴の声にさへはかなく人の恋しかるらむ
作者:壬生忠岑(みぶのただみね)
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最後に紹介する和歌は、こちらのはかない気持ちを表現された恋の和歌です。秋風の中から聴こえる音さえも、愛しい人を思い出してしまい、会いたいということを歌われた切ない恋の和歌になっています。
恋の和歌まとめ!古き良き日本の歌で現代の疲れた心を癒やす。のまとめ
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古き良き日本の時代からある恋の和歌はいかがでしたか?現代の日本では、アーティストなどの歌を聞くことが多いですが、昔からある和歌も心を癒してくれるものが多いんです。そんな恋の和歌をきいて、現代の疲れた心を癒してみるのもいいと思いますよ。