【弱虫ペダル】は週刊少年チャンピオン連載の自転車競技漫画です。
主人公である小野田坂道はいわゆる「ぼっち」のオタク少年。
大好きなアニメの話をしたくても同じ熱量で語り合える仲間はおらず、アニメの聖地・秋葉原に通うのが大きな楽しみでした。
一回でも多くカプセルトイを回したいために電車賃を節約しようと考え、自転車で毎日往復90キロの道のりを通っていました。
実はその自転車は、あまり遠出ができないようにと母がこっそり人に頼んで改造させたもの。おかげでとてつもない脚力を秘めたクライマーに成長します。
高校入学後にアニメ研究部を作ろうと考えますがうまくいかず、今泉俊輔や鳴子章吉、寒咲幹らとの出会いから自転車競技部に入部。
本人の思い描いたものとは全く違う、自転車競技一色の高校生活を送ることになるのです。
弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)
価格
¥ 463
もとは集英社に投稿しており、増刊号に何度か掲載されたこともある「ジャンプ作家」でした。とはいえジャンプではなかなかチャンスに恵まれず、後に講談社で連載デビュー。
しかしここでもうまく実力を発揮できず、一旦は夢を諦めて郷里である長崎へ帰郷します。
ところが夢を捨て去ることができなかった渡辺先生は決意も新たに上京。ここでペンネームを改め、秋田書店で連載を掴みます。
実はそこでも数々のアクシデントに見舞われ、なかなか結果に結びつけることができませんでした。そして2008年、連載開始した【弱虫ペダル】が作者の評価を一気に押し上げるのです。
まるで渡辺航先生自身が漫画の主人公のようです。不遇やアクシデントにもめげず、夢に向かって走り続ける、そんなアツい漫画家が【弱虫ペダル】を描いています。
身長は177センチ、体重は64キロ。誕生日は7月15日のかに座。O型男子です。
趣味は推理小説を読むこと。好物はチョコレートとバナナ。
キャラクターの詳細データや本編でははっきりとは示されなかった情報はファンブックや「ペダルナイト(作者とファンをつなぐ公式トークイベント)」で明かされています。
渡辺航先生がキャラクターの一人一人のことをよく考え、大切にしているとよくわかります。
弱虫ペダル公式ファンブック2 54.5 (少年チャンピオン・コミックス)
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¥ 1,058
ゼッケン「4」、新開隼人は箱根学園自転車競技部のエーススプリンター。花形選手ながら普段の態度は紳士的。無闇に人と衝突しません。
選手層の厚い箱根学園の中でもトップクラスの実力を誇り、二年生の時点でレギュラーに選ばれるほどですが、この時はとある理由から辞退しています。
当初「トイレ掃除を真面目にやる3番手の男」という設定を編集さんが考えてくれていたものの、出してみたら今のキャラクターになったとのこと。
新開が時折とる「バキューン」ポーズもキャラが勝手にそう動いたと作者である渡辺航先生が明かしています。
その名の通り温泉と箱根山で有名な箱根にあるライバル校。
略称は「ハコガク」。主将の福富が「全員がエースです」と取材の記者に語った通り、箱根学園の自転車競技部は全員が高いレベルでまとまっているチームです。
アニメではかなり勉強しないと入れないというセリフもありましたが、原作では偏差値などは定かではありません。
ただし、神奈川で自転車競技をやっているなら誰もが憧れる学校です。
クセの強い個性的なキャラクターが特に多いチームですが、彼らは新開隼人同様自転車競技を愛し、全身全霊をかけてレースを戦います。
チームの雰囲気はよく、練習以外でもみんなで遊びに行ったりするほど仲がよいとペダルナイトで明かされました。
同じ秦野一中で自転車競技をやっていた福富寿一とは旧知の仲。中学では部長と副部長であった二人の信頼関係はレースにも影響を及ぼします。「弱虫ペダル SPARE BIKE」ではその中学時代の二人のエピソードが明らかになっています。
クセの強い個性的なキャラクターが特に多いチームですが、彼らは新開隼人同様自転車競技を愛し、全身全霊をかけてレースを戦います。
オールラウンダーである荒北はハコガクいちのアシストです。
レースの展開上置いていかざるを得ない選手を引っ張り、上位グループまで送り届ける役目を持つ荒北は、場合によっては途中で切り捨てられる可能性もあります。
しかし荒北はそんなことはわかった上で真波山岳を、泉田塔一郎を、そして新開隼人を守り、福富寿一の信頼に応えるのです。
右の大胸筋にアンディ、左の大胸筋にはフランクと名前をつけている泉田。
尊敬すべき人物の多い自転車競技部の先輩の中では、同じスプリンターである新開隼人に憧れ、そして目指すべき目標にしています。
新開たちが卒業後は部長に抜擢され、新生ハコガクを率いていきます。
Cervelo(サーヴェロ)です。アニメでは少し名前を弄って「cergelo」となっています。
モデルになっているのはカナダのロードバイク・トライアスロン用フレームメーカー。
四つのシリーズを展開していますが、代理店サイトでは「全てがフラッグシップ」と謳っています。
「全員がエース」と豪語するハコガクに、ある意味とても似つかわしいブランドです。
ペダルナイトでの渡辺航先生の弁によれば新開隼人は自分のロードバイクに名前をつけているとのこと。
名前は「ベロ」。サーベロの「ベロ」と推測されます。
「箱根の直線にさ…鬼が出るってウワサ知ってるかい」
『箱根の直線鬼』が姿を現したのはインターハイ、京都伏見高校の御堂筋翔との競り合いのさなかのことでした。普段は冷静かつ余裕のあるキャラクターである新開隼人が、顔の前に手をかざした直後にこう言って豹変します。
御堂筋との競り合いの中、新開隼人は目を大きく剥き、舌をだらりと垂らした異様な姿で鬼に変わるのです。
しかしそれもチームを思うゆえ、己の果たすべき責任を知るゆえの変化。新開隼人はこんな極限での異様な姿でさえかっこよく魅力的なのです。
ウサ吉は新開隼人が可愛がっているウサギです。実はただのペットではなく贖罪の証でもあります。
レース中に道端から飛び出してきたウサギを突然のことでよけきれず、新開隼人は小さな命を死なせてしまいます。
心優しい少年である新開隼人は子供を自分が育てると決め、ウサ吉と名付けてかわいがるのです。
そしてその事件の衝撃は長く新開隼人を苛み、当時の再現のようなシチュエーションになるとブレーキをかけてしまうようになります。二年生でインターハイ出場メンバーに選ばれながら、事態するに至った理由がこれでした。
御堂筋翔は勝負に勝つためウサギの件を持ち出し、何度も新開をゆさぶろうとしますが、新開は驚異的な精神力でこのトラウマをレース中に克服します。
ウサ吉という名前をつけられてはいるものの、実はメスです。
ネチャネチャして食べづらいパワーバー。レース中によく新開隼人が口にしています。
フレーバーは複数あり、新開隼人が好んで食べているのはチョコレートとバナナのフレーバーです。
いつも手に持っていたり、食べ終えたらまた取り出して包装を破っていたり、口にくわえたものを決意とともに噛み切ったりと感情表現にも使われるパワーバー。
総北高校三年の田所迅がパワーバーを切らしたと知ると、本来敵であるはずの相手に分け与えるシーンもありました。
パワーバーは新開隼人の親しみやすさの印でもあり、やさしさとフェアプレイの象徴とも言えるアイテムです。
新開隼人の父親の友人がロードをやっていたため、それを見て「かっこいい」と思い、興味を持ちます。
新開隼人には弟がいます。弟の悠人も箱根学園に入学し、自転車競技部に入部しますが3歳違いのため入れ違いに。
弟の新開悠人も兄と同じく特筆すべき才能の持ち主であり、真波山岳に次いでハコガク史上2人目の1年生レギュラーに抜擢されます。
たれ目と厚めの唇が特徴の顔立ちや、さらっとキザな発言もできる性格はやはり兄と似ています。ただし兄・新開隼人はスプリンター、弟の新開悠人はクライマーであり、スタイルは全く違います。そのせいか、一緒に練習することはありません。
兄弟喧嘩をしても兄である新開隼人は謝りません。自分の正当性を主張して譲らないので、弟の新開悠人が先に謝ります。
新開隼人は明早大学の工学部へ進学しています。寮暮らしです。
同じ明早大学へ進学した福富寿一は工学部ではなく、法学部を選んでいます。
大学進学後はモテるために香水を使っているとペダルナイトで明かされました。大学入学後に始めたアルバイトでは女の子にモテているようです。
連載開始時三年生だった新開隼人や福富寿一、総北の金城真護などは作中で時間の経過とともに卒業してチームからはいなくなりますが、渡辺航先生が描く番外編「弱虫ペダル SPARE BIKE」や本編のレースの応援などでまだまだ出番があります。
弱虫ペダル SPARE BIKE(1)(少年チャンピオン・コミックス)
価格
¥ 486
アニメ版の新開隼人役の担当声優は日野聡さんです。
当初は舞台俳優を目指していましたが、海外ドラマの吹替えを担当するようになり、その時の縁から「一騎当千」のオーディションを受けることに。
そこから先はご存じの方も多いことでしょう。「ゼロの使い魔」の平賀才人役、「MARUTO」のサイ役、「オーバーロード」のアインズ・ウール・ゴウン(モモン)役など華々しい活躍をされています。
乙女ゲームやBLCDなどのお仕事も多いため、女性ファンも多い男性声優です。
箱根学園のスプリンター2人、新開隼人と泉田塔一郎のキャラクターソングCDが発売されています。
ソロ曲「GO BEYOND THE LINE」と、泉田とのデュエット曲「Blowing」を担当しています。
歌唱力の高い伸びやかな美声でテンポのいい曲を歌い上げた、アニメの枠を超えたマストアイテムと言えるでしょう。
『弱虫ペダル』キャラクターソングCD Vol.7
Single, Maxi
価格
¥ 1,415
新開隼人以外のCDも集めたキャラクターソングアルバムも発売されており、各キャラソンシングルの他、作中で小野田坂道がよく歌う「恋のヒメヒメぺったんこ」も収録された豪華な内容となっています。
「弱虫ペダル」キャラクターソングアルバム
Compilation
価格
¥ 3,661
アニメより先に舞台化された【弱虫ペダル】。舞台では『ペダステ』の略称で愛されています。チケットは毎回完売するほどの人気公演のため、全国の映画館でライブビューイングが行われるようになりました。
舞台版で新開隼人を演じるのは舞台俳優・宮崎秋人さん。【弱虫ペダル】の他にも、「薄桜鬼」や「東京喰種」など多くの2.5次元舞台に出演されています。
テレビドラマ版の【弱虫ペダル】にも出演されており、新開隼人というとこの方の顔を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
舞台『弱虫ペダル』 箱根学園篇‐眠れる直線鬼‐ [DVD]
価格
¥ 6,380
新開隼人の魅力をまとめてみました。細かく設定をつくりこまれたキャラクターは、まるで本当に生きている人間のように感じられます。今後の活躍からますます目が離せません!