メキシコシティの観光について
メキシコシティは、1428年頃からスペインに征服されるまでの約95年間、アステカ王国の首都であった「テノチティトラン」の位置にあります。そのため、骸骨などをモチーフにした明るく陽気なアステカ風のハンドメイドの民芸品が揃い、欧州風の荘厳な建築物が数多くみられる個性的で魅力的な都市となっています。デザイン性に優れた豪華な建築物を見てまわるだけでも楽しい旅となることでしょう。ただし、治安の面に関しては、良いエリアと悪いエリアに分かれていますので、渡航前にしっかり情報を仕入れて、万全の態勢でお出かけください。
詳細情報
①映画「ロミオ+ジュリエット」のロケ地『チャプルテペク城』観光
東京ドーム約146個分のチャプルテペック(Chapultepec)公園の中にある「チャプルテペック城」は、現在、国立歴史博物館になっています。1785年に建設されたスペイン副王宮殿が、このチャプルテペック城となります。1810年にメキシコが独立した後は陸軍学校に変わり、1846年勃発の米墨戦争では要塞の役目を果たしました。公園から徒歩15分程度の坂道が続きますので、体力に自信のない方はトロッコ(有料)をおすすめします。メキシコシティは標高2,200mに位置しますので、空気が薄く、坂道を上るのは日本にいるより大変です。
メキシコシティを一望できる美しい庭園
2階は美しく手入れされた庭園。メキシコシティを一望できるバルコニーは絶好の撮影スポット。花が咲き誇る庭園も優雅な気分に浸れます。
華やかなステンドグラスも必見
皇帝マクシミリアン1世と皇妃シャルロッテが暮らしていた豪華なお城。1996年に制作されたディオナルド・ディカプリオ主演の『ロミオ+ジュリエット』のロケ地にも使われています。この映画の撮影中に、ヘアメイク担当のアルド・シグノレッティ氏が誘拐され、身代金300ドル(約3万円)を要求されたとか。身代金を払い、無事釈放されましたが、車から放り出され足を骨折してしまったそうです。チャプルテペックにはパンダのいる動物園もあります。
②完成まで30年!完璧な美しさ『ベジャス・アルテス宮殿(国立芸術院)』観光
ベジャス・アルテス宮殿(Palacio de Bellas Artes)は、1934年に完成したオペラハウス。イタリア直輸入の白大理石を使用した豪華なアール・ヌーヴォー様式の建物。完成には30年もの歳月がかかりました。地下鉄のベジャス・アルテス駅に隣接しています。
豪華な吹き抜けが印象的
宮殿内部は豪華な吹き抜けになっています。自然光が降り注ぎ荘厳な雰囲気を醸し出しています。宮殿はオペラハウスとして利用されるほか、ベジャス・アルテス宮殿博物館と建築博物館も入っています。世界的に有名なソプラノ歌手マリア・カラスも、デビュー当時、ここで行われた演劇に出演しています。
③メキシコシティ出身の女流画家『フリーダ・カーロ博物館』鑑賞
フリーダ・カーロ(Frida Kahlo:1907年7月6日-1954年7月13日)は、メキシコの女流画家。眉のつながった自画像は日本でも有名ですね。彼女が幼少期と晩年を過ごした「青い家」は、現在「フリーダ・カーロ博物館(Museo Frida Kahlo)」となっています。才能に恵まれながらも波乱万丈だったフリーダの短くも美しい人生に思いをはせながら見学したい美術館ですね。
情熱の画家フリーダ・カーロの人生をたどる
原色を多用したフリーダ。情熱的な作品の数々と彼女の数奇な人生を重ね合わせると感慨深いものがあります。館内には、刺繍を施した美しい民族衣装や絵画、オブジェや調度品などが展示されています。「可愛らしいもの」と「おどろおどろしいもの」、「両極端なもの」に囲まれて生活していたのですね。
フリーダの仕事に対する愛情を感じる遺品たち
貴重な画材。とても大切に使っていたようで、彼女の絵に対する愛情がよくわかる遺品。フリーダ・カーロ博物館は大人気。行列ができる場合が多いそうなので、時間に余裕を持ってお出かけください。博物館は、メキシコシティの南に位置する「コヨアカン」地区にあります。
④隣接する博物館こそ必見!『テンプロ・マヨール』観光
テンプロ・マヨール(Templo Mayor:大神殿)とは、14世紀末から16世紀にスペイン人に破壊されるまで、アステカの中心都市「テノチティトラン(現メキシコシティ)」の中心にあった巨大神殿。1978年、電力会社の工事中に偶然発見されました。かつて神殿上部までの高さは60mもあったそうですが、現在は基盤部分だけが残っています。この遺跡だけでは今一つよくわかりませんので、隣接するテンプロ・マヨール博物館は必見。現在、優れた出土品はすべて、博物館の方におさめられています。テンプロ・マヨール遺跡は地下鉄のソカロ駅のすぐそば。
⑤愛嬌たっぷりの民芸品たちに会える『メキシコ民芸品博物館』観光
「楽しい!」と大人気の「メキシコ民芸品博物館」。大小さまざまな民芸品、手工芸品が並んでいます。メキシコらしいキッチュでカラフルな作品がいっぱい。写真は、骸骨の晩餐。骸骨たちがユーモラスで怖くはないですね。メキシコには日本のお盆に当たる「死者の日(11月2日)」というものがあり、国中が骸骨グッズで溢れかえるそうです。骸骨を明るく描くということは、死後の世界を「楽しいもの」ととらえているようですね。先立った人たちが幸せに暮らしていてほしいという愛情ゆえのものかもしれません。
メキシコシティ版「天使と悪魔」
角のある悪魔が翼のある天使にやっつけられている作品。天使のワンピースが可愛らしくメキシコっぽさがいっぱい。
⑥メキシコシティを訪れた人は全員必見の『ソウマヤ美術館』
ソウマヤ美術館(Museo Soumaya)は、実業家であり慈善家でもあるカルロス・スリム・ヘル氏のコレクションを集めた美術館。独創的な建築物は、メキシコ人建築家フェルナンド・ロメロ氏の作品。約6万点の作品が無料で鑑賞できます。
メキシコシティの美術館でなぜかロダンの作品が充実
15世紀から20世紀のヨーロッパの芸術品を所蔵。特に「考える人」で有名なロダンの彫刻のコレクションはフランス以外では最大規模となります。ほかには、エル・グレコ、ルノワール、ゴッホ、ミロ、ピカソ、ダリ等の作品も所有。レオナルドダヴィンチの「糸車の聖母」もあります。
⑦可愛いものが好きな人は集まれ!『シウダデラ市場』観光
刺繍や粘土細工、かごなど、日本でも人気のメキシコ雑貨がなんでも揃う「シウダデラ市場」。「バルデラス駅」から徒歩5分の場所に位置します。可愛い物が大好きな女性にはぜひ訪れてもらいたい市場。
メキシコシティ旅行のバラまきお土産におすすめ!
メキシコ雑貨は色鮮やかなものが多く、ショッピングはしなくても市場の中を散策しているだけで楽しい気分になれそうですね。パステルカラーのインテリアを多用した市場内の食堂「Fonda Carmelita(フォンダ・カルメリータ)」も女性好みでおすすめです。カラフルなオブジェは、職場の人たちへのお土産におすすめ。
⑧壁画が必見の元男子校『サンイルデフォンソ学院』観光
サンイルデフォンソ学院(Colegio Mayor de San Ildefonso)は、イエズス会の聖職者によって16世紀に設立された男子校。その後、軍本部や予備校を経て、1990年代からは博物館として使われています。
思わず目を奪われる大胆なタッチの壁画
壁に描かれたフリーダ・カーロの夫としても有名なディエゴ・リベラの大作は圧巻。ほかにも、ホセ・クレメンテ・オロスコの作品もあります。サンイルデフォンソ学院は、現在、絵画展やコンサートホールとして利用されています。
⑨世界で三番目に広大な『ソカロ広場』観光
ソカロ(中央広場)の正式名称は、「憲法広場(PLAZA DE LA CONSTITUCION)」。毎朝夕に行われるフラッグセレモニーは観光客の目を楽しませています。 ソカロ(ZOCALO)駅から徒歩1分。ソカロ広場を取り囲むように、カテラドルや宮殿などの施設が立ち並んでいますので、撮影スポットにもなっています。ロシアの赤の広場、中国の天安門広場につぐ、世界第3位の大きさとなります。とにかく広い!ちなみにメキシコは1917年から2007年11月までの間に175回も憲法を改正しており、これは正解最多となっています。
⑩メキシコシティの市民の憩いの場『アラメダ セントラル』
アラメダ・セントラル(Alameda Central)は、ベジャス・アルデス宮殿の近くにある大規模な公園。白亜のモニュメントが印象的。旧市街の中心に位置します。緑豊かな公園で、市民の憩いの場。露店が出て、観光客も楽しめます。
メキシコシティの観光のまとめ
キッチュな雑貨から高尚な芸術作品まで揃っているメキシコシティは、テーマを絞って旅をすれば、あらゆる観光客の期待に応えてくれる街です。生活雑貨から女性のファッションまで、色彩の美しさもこの街の特徴ですね。また、「死者の日」を楽しいイベントとして考える国民性からも、メキシコ人の陽気さがよくわかります。スリや置き引きなどには十注意しながら、明るく楽しい旅にしてくださいね。※記載の情報は2018年3月時点のものになります。最新情報は、観光局や外務省などの公式サイトをご確認ください。
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