①【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】とは?
毎年1月1日にウィーン楽友協会の大ホール「黄金のホール」で行われる【ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団】の新年コンサートのことを言います。世界40ヶ国以上にその演奏風景をライブ中継され、世界中の人が新年の華やかなコンサートを心待ちにし、楽しむ毎年恒例の一大イベントです。今ではたくさんの旅行会社によるツアー企画もあり、チケットは入手が困難なほどの人気コンサートです。
②【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】の歴史
ニューイヤーコンサートの歴史は1939年にウィーン出身の名指揮者【クレメンス・クラウス】の指揮により初めての初演を迎えました。1941年の第2回からは、元日の正午に開催されるようになり、1955年から1979年の25回にわたり「ヴィリー・ボスコフスキー」が指揮を任されました。この期間の1959年に各国への中継が始まった頃からニューイヤーコンサートの知名度と人気が高まっていきました。
③【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】の場所は?
場所は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として知られる会場【ウィーン楽友協会の黄金のホール(大ホール)】で行われます。1812年に設立されたオーストリア・ウィーン市にある協会団体”ウィーン楽友協会”により1870年に完成した建物で、毎年恒例のニューイヤーコンサートの場所も【黄金のホール】で行われます。おごそかな雰囲気で満たされた伝統ある会場で味わう一流の音楽は、格別な言葉にできない感動があります。そして、この同じ建物には資料室や出版社、ピアノメーカーの”ベーゼンドルファー”などが入っています。
今は昔、協会のメンバーには作曲家【ヨハネス・ブラームス】も名を連ね、協会主宰のコンサートでは3年間指揮を振り、また自信のピアノ楽曲の初演も小ホールで行いました。この事から協会は彼の功績を称え、小ホールに”ブラームス・ザール”と名付け多くの観客からも愛される場所です。(ザールとはドイツ語でホールを意味します)
④【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】2019年の指揮者は?
◆クリスティアン・ティーレマン
初登場ドイツ・ベルリン出身の”クリスティアン・ティーレマン”が指揮を務めます。今をときめく話題の人気若手指揮者。ベルリン・ドイツ・オペラやミュンヘン・フィルにて音楽監督を務めた経歴を持ち、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などとも定期的に客演し、コンサートとオペラと両面において評価を得ている実力派若手指揮者です。ニューイヤーコンサートの指揮者としては初登場の大抜擢です!ティーレマンは生粋のドイツ人指揮者として、ワーグナー、ブルックナー、R.シュトラウスなどのドイツ作品は圧巻で、ツアーはいつも大好評です。今回のニューイヤーコンサートで、ワルツやポルカがどのように聞こえてくるのか楽しみですね。
◆2002年に小澤征爾も!
【世界のオザワ】として高い知名度のある小澤征爾が2002年に、日本人指揮者として初めてこの神聖な場所でニューイヤーコンサートの指揮を取りました。この小澤征爾の指揮により、母国日本でニューイヤーコンサートは更に広く知られる事となり、一気に人気と知名度が急上昇しました。なお同年(2002年)から小澤征爾はウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任し、2010年まで見事に務められました。
⑤【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】の指揮者の選出
伝統あるニューイヤーコンサートにおいて、最も重要なポジションである指揮者はどのようにして選ばれるのでしょうか?これには”ウィーンフィルハーモニー”のメンバーの意見が大きく影響します。このコンサートの指揮者に抜擢されることは、指揮者にとってセカイサイコウのオーケストラに支持された証明と同時に最高の栄誉となります。1987年のカラヤン以降は、同じ指揮者が2年連続して指揮することはなくなったそうです。
⑥【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】の曲目は?
ニューイヤーコンサートで演奏される曲目の選定は、まず”ヨハン・シュトラウス協会会長や研究家”などが集まり楽曲提案が行われます。そしてここで決められた楽曲を指揮者とウィーン・フィルに送付し、両者で検討されます。取り上げられる回数の多いポピュラーな曲と、そうでない馴染みのうすい曲が交互になるよう吟味されるそうです。楽曲プログラムは11月下旬発表予定です。
⑦【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】のアンコール
ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートのアンコールには風習のような”お約束”があるんです。最低3曲演奏され、1曲目はその年によって異なります。2曲目は「美しく青きドナウ」、ラストは「ラデツキー行進曲」。美しく青きドナウの前奏が始まると拍手がおこり、指揮者は演奏を中断して新年の挨拶をされます。そしてまた最初から演奏を始めます。次のラデツキー行進曲では、指揮者が観客に手拍子を求めるというものです。この慣習は1980年に”ロリン・マゼール”がニューイヤー・コンサートに登場してから定着しました。
⑧【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】は3回開催
「プレヴューコンサート」2018年12月30日11:00「ジルベスターコンサート」2018年12月31日19:30「ニューイヤーコンサート」2019年1月1日11:15(※プレヴューコンサートの会場には花飾りはありませんが、楽団員も元日と同様に正装で演奏され、プログラムは3講演とも全て同じ楽曲内容で行われます)
⑨【ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート】チケットについて
◆ご自身でチケット申込み
大変貴重なチケットゆえに入手が困難なのが現実です。高い料金を出しても行きたい!という方が後を絶たない人気ぶりなんです。まず、ご自身で申し込むには”ウィーン・フィルの公式サイト”に登録をしましょう。登録自体は1年通して行えます。その公式サイトからの申込みをする方法です。【1月2日~2月28日】の期間にサイト上で申し込みをした後に抽選されます。(郵便や個人的なメール等は一切受け付けられません。)世界中の数知れない音楽ファンに、平等にチャンスがあります。この2ヶ月の期間中に申し込むタイミングは抽選には関係ありませんので、2月でも1月でも抽選の結果には影響しません。抽選結果は3月にサイト上にて確認できます。
◆申込みの際に
”ウィーン・フィルの公式サイト”にて申込みの際には、どのコンサートの、どのカテゴリーチケットを希望するかを選択します。3回のコンサートそれぞれ1回づつ申し込みが可能です。(※ニューイヤーコンサートのチケットは2枚まで)「ニューイヤーコンサート」35€~1090€「ジルヴェスターコンサート」25€~800€「プレヴューコンサート」20€~495€となり、楽曲プログラムは3講演とも全て同じ楽曲内容です。
◆旅行会社のツアーや代理業者へ申込み
現在では無数にある旅行会社のツアーに企画されていたり、インターネット上で余分に手数料を払い代理でチケットの手配をしてくれる会社があります。確実に絶対にニューイヤーコンサートに行く!という方にはツアーや代理店に申し込まれるのをおすすめします。ツアーだとお値段は高額だと思いますが、手配されているチケットとともに、ウィーンの美しい旧市街・ジルヴェスター(大晦日)のイベントなどの観光をしっかり安心して楽しむこともできますので、ツアーなら間違いなく素晴らしい旅行になることでしょう。代理店への申込みの場合は、注意事項をよくご確認されてから申し込まれるといいと思います。確実に手配できるチケットもすぐに完売するそうですし、受け取り方法や条件などの詳細を確認してください。
オーストリアの都市【ウィーン】の魅力
2000年の歴史を誇るウィーン旧市街には、文化財や歴史的に重要な建築物がたくさん残されています。また多くの芸術家が活躍したこの場所は、時を超えた現在でも世界中の人々を魅了し続けています。ジルヴェスター(大晦日)、ここウィーン旧市街のジルヴェスター街道や市庁舎前広場では、昼夜様々なイベントが開かれ新年を迎えた0時には大規模な花火が上がり、皆で歓喜の声をあげ喜びを分かち合います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートについて少しでも参考になれば幸いです。ウィーン・フィルの公式サイトやツアー、代理店など上手に利用していただいて、ぜひ本場の空気や芸術に触れてください。きっとかけがえのない時間を楽しんでいただけます。