登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備①最初に
ダイレクトに山を感じたい!といえば、やはりテント泊ですね。でも、テント泊と言ってもそう簡単にはいきません。通常の登山と比べると、一泊二日でも5キロ前後は重くなります。食料や火器、テントやシュラフ・マットなどが確実に増えるからです。重さに慣れるために、事前に水入りのペットボトルや重りなどを背負って、自分自身の体力を確認することが必要です。
登山の基本的な道具・装備のおさらい
【基本】登山靴(トレッキングシューズ)、ザック&カバー、ヘッドランプ、地図、コンパス、飲料水、行動食、非常食、腕時計、携帯電話、タオル(手ぬぐい)、レインウェア、エマージェンシーシート、ティッシュペーパー、ビニールシート、日焼け止め、多機能ナイフ、サングラス、カメラ、筆記用具、薬、バンドエイド、健康保険証コピー、免許証、山行計画書【便利なもの】トレッキングポール、スポーツタイツ、膝サポーター、ゲーター、折りたたみ傘、ウェストポーチ、モバイル充電器、ライター、軽アイゼン【服装】帽子、シャツ・パンツ・下着、ソックス、防寒着、手袋、ネックウォーマー etc
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備②計画
テント泊をするにあたって、どの山をいつの時期にどのルートで、そしてどんな仲間と…、計画するのは楽しい時間ですね。しかし何処へ何泊するのか、キャンプ地を目指すのか、稜線のテント場でアタックキャンプを目指すのか、それらによって道具や装備が変わってきます。基本は衣食住に重きを置いてください。軽量化やコンパクト化も大事ですが、食料が足りなかったり、夜寒すぎて眠れなかったり、途中で燃料が切れたりでは楽しさ半減です。装備を厳選する中で、快適さを求めるのもありですね。とにかく目標をしっかり作って、計画を立てることが大切です。
では、テントから順番に見ていきますね。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備③山岳テント
主に登山に使われる山岳テントは、軽量・コンパクトを重視し、居住性は多少犠牲になっている感があります。人が担いで移動するのを基本としているので、小さめで、高さも低くなっています。とても軽くて小さく収納できるため、電車やバスなどの公共交通機関を利用しても大丈夫です。4人用のテントで、収納時は2~3kg、15cm×30cm程度です。また、建て方もとても簡単で数分もあれば簡単に建てることができます。
山岳テントの場合、適用人数通りと認識していただいて結構です。快適さよりも軽さや持ち運ぶのを優先しているため、スペースの余裕はありません。例えば4人用の場合、1人幅約50㎝くらい、寝るだけのスペースということになります。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備④キャンプテント
キャンプテントは、山岳テントとは逆に「広く、快適に」を重視したテントです。4~6名用で収納時10~13kg程度、30cm×70cmくらいになりますので、人が担いで長距離を運ぶのは不可能といえるテントです。従って、主にオートキャンプ場や近くまで車で行けるテント場などで使われます。山岳テントと同じ人数用でも、携帯性や重量は犠牲になり、広く天井も高めで、骨組みもしっかりと作られています。建て方は、若干複雑ですが、初めての方でも10分~20分程度で建てることができます。
適用人数4~6名用で、4名なら1人幅約75㎝くらいとれるので余裕ですが、6名となると山岳テントと同じくらいになってしまいます。小さなお子さまがいるときはいいですが、大人だけのキャンプとなると許容人数ギリギリよりも大き目のテントがおすすめです。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑤ツーリングテント
ツーリングテントは、山岳テントとキャンプテントの中間をねらったテントといえます。ある程度携帯性を保ちながら、キャンプテントのような快適さ・丈夫さを兼ね備えています。2~3名用で収納時5kg前後、20cm×30cm程度の大きさです。ツーリングテントは、あまり大型のテントはありません。適用人数でも、2~3名用なら2人では余裕で、3人では少し狭く感じます。
初めてのテントをお使いの場合は、事前に設営と収納を一度経験しておくことをおすすめします。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑥シュラフ
シュラフは山岳用に限定したものはありませんが、山では軽くて保温効果が高いということで、ダウン製シュラフが人気です。温かさはダウンの量や質によって変わりますが、保温力が表示されているので参考にしてください。(ex:-5°Cまで対応など)ダウン量の目安では、夏山なら250~350g、春から秋まで使うという場合は450~500g、またダウンの膨らみでは750FPくらいのものが多いようです。山の夜は寒いものと認識してください。寒くて眠れなかったという笑えない失敗もあります。寒かったら着込むという選択肢もありますが、荷物が重くなる上、寝心地も悪くなるので、シュラフの機能を活かす方がベターと考えます。シュラフが破れた場合の処置として、リペアテープを携行するのがよいでしょう。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑦マット
マットの役割は、断熱効果とデコボコした地面でも快適に寝ることができるということです。いくらデコボコした地面で快適といっても傾斜地では転がる恐れがあります。なるべく、平らなところにテントを張ってくださいね。マットには3種類あり、ウレタン製のウレタンマット、エアで膨らませるエアマット、ウレタン材が入ったエアマットはインフレーターマットといいます。テント下に敷くグランドシートなどもあるとさらに効果的です。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑧火器
暖かい食べものや飲み物をとることは、疲労が回復にもってこいですし、暖かく眠ることもできます。テント内の休憩時間を充実させてくれること請け合いです。キャンプ場では、最初から設備があったり、大型の火器を持ち込める場合もありますが、山ではそうはいきません。ガスコンロやバーナーは、カートリッジ一体型のタイプをおすすめします。あとは鍋をのせるゴトクの形状や重量、何を作るかで火力などを確認してください。フリーズドライなど、お湯を沸かす程度なら2000kcal/hもあれば十分です。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑨調理器具
山で使うコッヘルは、アルミ製とチタン製が主流です。アルミ製のものは、比較的安価でお米も炊け焦げにくく、調理がしやすいと人気です。重量差はそれほどでもないですが、チタン製より重いのが欠点です。一方のチタン製は、軽くて強いのですが、調理がしにくく高いというのが一般的です。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑩食材
食材に関して、これは良いけどこれはダメというものはありません。持ち運ぶことができるかできないかです。持ち運ぶことが可能ならビールなどはテント泊を楽しく充実させる一品となります。かといって、何でも持っていくわけにはいきません、登山食としてよく使われるのがアルファ米です。代表格は「サタケ マジックライス」と「アマノフーズ シチュー」です。また山はカロリーを多大に消費します。そこで欠かせないのが、飴やキャラメル、カロリーメイトや板チョコなどの行動食です。忘れずに持っていきましょう。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑪携帯トイレ
山に入ると極端にトイレの数が少なくなります。日本一の山富士山でも環境に良いトイレが整ってはいますが、年間20万人ともなると影響が出てきます。もう山に入るときは携帯トイレを持参するというのがマナーのひとつなっているといっても過言ではありません。また携帯トイレを使うための場所というのも設置されている場所があります。ここでは人目は大丈夫ですが、いつどこで使用する事態になるかわからないので、女性は携帯トイレとポンチョをセットで持つことをおすすめします。
登山キャンプの基本 テント泊に必要な道具や装備⑫ザック
今まで述べてきた道具や装備品でザックの外に括り付けるのもありますが、ほとんどはパッキングといってザックの中に荷造りすることになります。テント泊の場合、車の移動がなければ最低でも5~60Lのザックを担ぐことになります。ショルダーベルトの位置や角度、背面長、ヒップベルトのホールド感など体に合ったザックを選ぶことが肝心です。ザックを選ぶ際には、最低10キロ以上のあんこをいれて一つひとつ背負い比べ、自分の体に合ったザックを選んでください。販売店に遠慮はいりませんよ。
参考
利尻北麓野営場 利尻岳 205m 60張 500円 (無料) 有 有 フェリーターミナルから約4Km、徒歩1時間、車10分。コインシャワーあり(13:00~17:00) 管理棟 利尻島ファミリーキャンプ場「ゆ~に」 利尻岳 40m 30張 500円 300円 有 有 BBQコーナーもある。お風呂が近所。 管理棟 弥三吉水 幕営指定地 羅臼岳 790m 5張 (無料) (無料) 無 有 岩尾別コース。 銀冷水 幕営指定地 羅臼岳 1,035m 3張 (無料) (無料) 有 有 トイレは携帯トイレブース。 羅臼平 幕営指定地 羅臼岳 1,350m 20張 (無料) (無料) 無 無 クマよけのため、食料は備付けのフードロッカーに保管。 羅臼温泉キャンプ場 羅臼岳 130m 33張 300円 300円 有 有 P無料。近隣に露天風呂熊ノ湯あり。 羅臼町役場観光課 泊場 羅臼岳 790m 5張 (無料) (無料) 無 有
まとめ
いかがだったでしょうか。登山の道具と装備ということになると膨大な量になるので、今回はキャンプの基本、テント泊に絞って検証させていただきました。考え方から計画・準備してもホンのさわりだけしか伝えられませんでしたが、大事なことはテント泊をした結果が、いかに楽しかったかというところにあります。楽しくないのは山登りに限らず、観劇でも旅行でもやる意味がありません。山好きの方に、山の醍醐味を感じたい方に、少しでもお役に立つことができれば、心の底から嬉しいと言わせていただきます。
日本百名山【テント場・キャンプ場一覧】このサイトは、これから日本百名山に登るために自ら集めた資料や、登頂済みの山に関しては実際の記録をもとに、日本百名山の登頂を目指している方々のお役に立てればという思いで、各資料や記録をホームページとして公開しました。