沖縄の建築について
沖縄といえば首里城に代表される琉球建築ですが、戦後復興の中で生まれた鉄筋コンクリート造り斬新なデザインの建築物も多く存在します。ともすると見逃してしまいそうな、近代の建築物を中心にいくつか見てみましょう。
沖縄の有名建築①誰もが知っている琉球建築:首里城
琉球建築の代表首里城です。13世紀から14世紀にかけて沖縄の各地で建造されたグスク( 城)の最大級のものです。過去に何度も焼失していますが、その度に再建され、戦前に存在した首里城は1715年に造られたものでした。
1945年の沖縄戦でほぼ完全に破壊されてしまった首里城ですが、1980年代末から始まった復元作業によって、現在の姿になっています。2000年には首里城跡として世界遺産に登録されました。見学コースの中に遺跡が見られるところがあるので見逃さないでくださいね。
住所:那覇市首里金城町1-2 TEL:098-886-2020(首里城公園管理センター) アクセス:那覇空港から車で約15分、ゆいレール首里駅から徒歩約15分 開園時間(無料区域):8:00〜19:30(時間変更あり) 開館時間(有料区域):8:30〜19:00(時間変更あり)
首里城 ‐ 琉球王国の栄華を物語る 世界遺産 首里城
首里城は、琉球王国の幾多の興亡を伝える歴史の証人。 琉球の島々を治め、中国、日本、朝鮮、東南アジアの国々と外交、貿易を展開した首里王府の司令塔として、王とその家族等が住み、華麗な王朝文化に彩られた空間でした。
沖縄の有名建築②沖縄で一番古いコンクリート建築物:旧大宜味村役場庁舎
1925年3月竣工の沖縄県下では最も古い、大正時代の歴史的鉄筋コンクリート建築物。沖縄県の指定有形文化財となっています。元々は大宜味村の役場庁舎として使われ、現在は教育委員会の村史編纂室などが入っています。見学は事前に連絡することをおすすめします。
建物は十字形と八角形を組み合わせた特徴ある形をしており、中央ホールの周囲に執務室が、二階には村長室があったそうです。建築に際しては沖縄の気候に最適なコンクリートを試行錯誤を繰り返して編み出すなど、当時の技術者や大工さんの苦労が偲ばれます。
住所:沖縄県国頭郡大宜味村大兼久157 TEL:0980-44-3009 アクセス:那覇市内から車で約1時間35分 営業時間:9:00〜17:00土曜・日曜・祝祭日定休
沖縄の有名建築③現代のコンクリート製グスク(城):沖縄県立博物館・美術館
沖縄のグスク(城)を思わせる近代建築が沖縄県立博物館・美術館。沖縄の歴史や文化を若い世代や観光客に知ってほしいとデザインされ、2007年11月にオープンしました。2008年度グッドデザイン賞を受賞しています。
特徴は、日差しの厳しい沖縄で温度管理など館内環境を安定的に確保するため、コンクリート外壁の外側にさらに壁を設けた2重構造となっています。館内は美術館と博物館という二つの機能を併せ持っています。
住所:那覇市おもろまち3丁目1番1号 TEL:098-941-8200 アクセス:那覇空港から車で約20分、おもろまち駅から徒歩約10分 開館時間:9:00〜18:00(金曜・土曜のみ20:00まで) 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日等の場合は翌日休館)
沖縄の有名建築④斬新なデザイン:名護市庁舎
東南アジアの遺跡を彷彿とさせるフォルム、本当に市庁舎なのかと疑ってしまいそうな斬新なデザインが目をひきます。1981年竣工の庁舎からは、地域と密着した新しい空間を提供しようという、熱い思いがあふれてきます。市庁舎なので見学は自由ですが、仕事の邪魔にならないよう配慮しましょう。
特徴は、沖縄の集落で祭祀用に使われた「アサギ」と呼ばれる建物を模したアサギテラス。使用されている赤い花ブロックが日差しの軽減に役立っています。名護市内55集落を象徴する55体のシーサーは全てデザインが異なり、一つ一つを巡るだけでも楽しめます。
住所:名護市港一丁目1番1号 TEL:0980-53-1212 アクセス:那覇市内から車で約1時間10分 営業時間:8:30〜17:15(土曜・日曜・祝祭日定休)
ようこそあけみおのまち名護市へ | 名護市役所
名護市役所
まとめ
沖縄独特の赤瓦が使われた琉球建築も素晴らしいですが、こうした近代建築にも沖縄の文化と歴史が色濃く反映されています。沖縄旅行で大自然を満喫する合間にちょっと視点を変えて、沖縄の建築物に目を向けるのも沖縄を楽しむ方法ではないでしょうか。