「那須」といって想い浮かべるのは皇室の御用邸や農園かも知れません。それだけ気候も穏やかで、気持ちも和らぎ、長閑な気分になります。また多くの温泉地を抱えたリゾート地の様相もありますね。古くから地元で愛されてきた神社や神もあれば、比較的新しい神社も在り、そのいわれやご利益、またアクセスなどと併せてご紹介してまいります。
国指定の重要文化財の本殿と楼門の装飾がたいへんユニークで、印象的です。「中世と近世の特徴を併せ持つ建築」として貴重だそうです。創建は8世紀後半で、長く那須氏の崇敬を集めていた神社で、杉並木の中に立つ荘重な神社です。
なかでも、戦記物語「平家物語」において、勝運を決定づけた屋島の戦いで、那須与一が、扇の的を射貫く逸話が有名ですが、その時、与一が心に念じた神社だということで、那須与一とはゆかりのある神社としても有名。毎年秋の例大祭では、流鏑馬の騎式が古式にのっとり開催されています。また隣接する道の駅「那須与一の郷」には、与一ゆかりの資料を展示した「那須与一伝承館」があります。
那須神社 大田原市観光協会 栃木県大田原市の観光案内
大田原市観光協会の公式のオフィシャルサイトです。大田原市観光協会のキャラクター「与一くん」が鮎の漁獲量日本一の清流那珂川や国宝「那須国造碑」国重要文化財「那須神社」など観光名所案内や泊まる・日帰り温泉などおすすめスポット情報をご案内いたします。栃木県大田原市観光協会。
ご神体が石碑、というたいへんユニークな神社です。しかもその石碑は国宝です。8世紀初頭に作られた碑が発見されたのは17世紀の後半で、その碑文の重要性から、黄門様こと水戸光圀公によってこの石碑をもってご神体とし、笠石神社が創建されます。
国宝、那須国造碑(なすのくにのみやつこのひ)は、社務所にうかがえば、お堂を開けて見せて貰うことが出来ます。撮影は出来ませんが、その書道的価値、歴史の碑文としての価値を目の当たりにすることが出来ます。群馬県の多胡碑、宮城県の多賀城碑とともに「日本三碑」と呼ばれています。
那須国造碑 大田原市観光協会 栃木県大田原市の観光案内
大田原市観光協会の公式のオフィシャルサイトです。大田原市観光協会のキャラクター「与一くん」が鮎の漁獲量日本一の清流那珂川や国宝「那須国造碑」国重要文化財「那須神社」など観光名所案内や泊まる・日帰り温泉などおすすめスポット情報をご案内いたします。栃木県大田原市観光協会。
明治天皇の崩御の際に、殉死しという道を選んだ、世界的に有名な軍人、乃木希典を祀っている神社です。乃木神社は、その出身地、終焉の地東京などゆかりのある各地にありますが、那須に別邸を作り、農業に勤しむかたわら、自らを見つめた土地に地元民が死後直ぐに神社を作ります。
現在は乃木公園として整備され、800mに及ぶ桜並木や、当時の別邸が保存されています。また東京の乃木希典の葬儀に通った道は、江戸時代から「幽霊坂」と呼ばれていましたが、葬儀以後、「乃木坂」となり、周囲も乃木坂と呼ばれるようになります。
塩原温泉にある武運の神、八幡神を祀る神社です。神社は背後に鎮守の杜を持つことが多く、特に、ここにある2本の杉は「夫婦杉」とか「逆杉」と呼ばれ、樹齢1500年の巨樹として古来地元民から崇敬をもって守られてきました。
自然と巨樹の精気が漲るのを感じます。「逆杉」の由来は、木の比較的低い位置に、大きな枝が下に垂れ下がるような形を言うようです。森林浴というのは、森から発せられる芳香性活力素を身体いっぱいに吸い込むことで、フィトンチッドなどと呼ばれますが、ここはまさに精気漲るパワースポットと言えます。
那須野は長く原野でしたが、明治期に入り、入植者が増え、人が集まり、温泉地としても評価が上がり、この地の守護神として那須塩原温泉に神社が作られました。
比較的新しい神社ですが、那須の住民の総鎮守ということもあり、大晦日から元旦までのは二年詣りとして初詣でが賑わいます。祭神は、天照皇大御神(あまてらすおおみかみ)などで、家内安全・商売繁盛・無病息災にご利益があるとされます。
テレビCMの力は恐ろしいもので、女優吉永小百合さんの「JR東日本・大人の休日倶楽部」で紹介されるやいなや、連日観光客が訪れるようになりました。しかし、もともと禅宗寺院として、「日本四大道場」のひとつとして有名を馳せている北関東の名刹です。
しかも四季折々の花、新緑、紅葉の名勝でもあり、何より、俳聖松尾芭蕉の傑作紀行文「奥の細道」の旅では最も長く逗留したことで、芭蕉ファンならずとも行きたくなるお寺です。なお芭蕉はこの地で「木啄も庵は破らず 夏木立」の句を残しています。
祭神は素戔嗚尊(スサノオノミコト)ですが、以前は「牛頭天王社」と呼ばれていました。牛頭天王(ゴズテンノウ)は素戔嗚尊と同一神とされ、しかも薬師如来の化身とも言われます。京都の祇園八坂神社の祭神として有名です。そういうことも関係しているのか、この八雲神社の最も有名なお祭りが7月下旬に催される「山あげ祭」です。
地元の和紙を貼り合わせて作った「山」を組み立てて、それに常磐津の音楽を組み合わせた、大がかりな移動式の歌舞伎などの舞台を使っての野外劇を演じるというものです。その団体行動が実に美事で、国の重要無形文化財に指定されています。
茅葺き屋根の総門をくぐって、最初に目にするのは、他の堂宇のほぼ全てが、茅葺き屋根で出来た寺院ということで、京都などの瓦葺きの寺院とは、その雰囲気が全く違うことに驚きます。江戸時代後期の遺構として貴重で、国指定の重要文化財になっています。
柔らかな茅葺き屋根の回廊に包まれた寺域は、春のツツジ、シャガなどの花、夏期には蓮の花が咲き、秋になると参道からの紅葉もたいへん美しく、柔和な茅葺きのお堂にたいへんマッチしています。写経体験なども出来て、穏やかな一日を過ごせるお寺といえます。
地元では、「堂の下の岩観音」と呼ばれ親しまれていますが、この観音堂の縁起は良く解りません。背後の岸壁を形作る「芦野石」は採掘され商品になるそうで、手前の水田に移る景色が四季折々で美しく変化する自然景観として人気があります。
岩観音の周囲には桜の古木が多く花の季節になると、菜の花と、田んぼの水に映る桜の景色や、夜はライトアップされ、神秘的な姿に変わります。秋は、黄色くなった稲穂に、畦いっぱいに広がる彼岸花のコントラストがたいへん印象的で、まさにインスタ映えのする景色を堪能できます。
本寺院は、今から1200年以上前の806年、弘法大師空海の開山とされるお寺です。また滝のある寺として有名で、修験道上にもなっています。さらに、北関東三十六不動尊霊場、関東薬師九十一霊場、関東地蔵百八札所の三つに入っており、「関東三霊場」として、巡礼者が訪れる賑やかな寺院です。
毎年6月28日に行われる「火祭り」は、「波切不動尊大祭」と呼ばれ、修験僧、修験者が参拝者の無病息災を祈願して、護摩ヒバを燃やした上を、素足で渡るという火渡りの儀式が催され、その姿に巡礼者や観光客の除目を集めています。
那須周辺の神社、お寺を紹介してまいりました。この秋からの行楽シーズンに、那須や那須塩原温泉に行かれる方や那須に行ってみたいと思う方の一助になれば幸いです。