台湾のダムを観光①烏山頭ダムとは
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台湾の台南市にある「烏山頭ダム」は台湾で2番目に大きなダムです。広大な耕地を灌漑しており台湾南部の農業経済の要となっています。敷地の一部は烏山頭水庫公園として毎年多くの観光客が訪れています。日本統治時代に建設されたこともあり日本人が設計から農業指導に至るまで深く関わっており資料館や石碑などにその痕跡をたどることができます。烏山頭ダムまでのアクセスは台北駅から新幹線で嘉義駅もしくは台南駅で下車しタクシーで約30分です。ダム観光は徒歩ではかなり無理があるので自転車か交渉してそのままタクシーで観光することをおすすめします。
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台湾のダムを観光②烏山頭ダム建設の偉人「八田與一氏」
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烏山頭ダムとは切っても切れない関係の日本人が「八田與一氏」です。日本ではあまり知られていませんが、現地台湾では教科書にも載っているくらい一番良く知られている日本人なのです。彼の功績がなければ今の台湾南部の農業経済の発展はなかったと言っても過言ではないくらいです。台南における旱魃と曽文渓や濁水渓の排水不良に苦しむ約15万ヘクタールの土地の改良を目指してダムと水路の建設に尽力しました。烏山頭水庫公園には八田與一氏の銅像や記念館、居住家屋、御影石で作られた墓石などがあります。
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台湾のダムを観光③ダム完成までに10年の歳月
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烏山頭ダムは設計から完成までに10年の歳月がかかりました。曽文渓の水を烏山頭ダムに貯水するためのトンネル工事と濁水渓の導水工事を同時に始め、程なくして烏山頭ダム本体の工事にかかり、最後に給排水路工事をして水田に水がまんべんなく行き渡るよう建設されました。10年という長い歳月の中には曽文渓側のトンネル工事内での爆発事故や関東大震災による補助費用の削減など試練もあり八田氏は苦難を強いられました。爆発事故の犠牲者を日本人と台湾人の差別なく手厚く葬り、費用削減で人員整理を余儀なくされた者達の就職先などの面倒もみていたとのことです。八田氏が不慮の事故で亡くなった後も親しまれる所以は工事に関する技術もですが地元民との深い絆があったからだと言えます。
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台湾のダムを観光④稲作指導の功労者「中島力男氏」
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烏山頭ダムが完成するかしないかの頃に八田與一氏の元で働くことになった「中島力男氏」もまた烏山頭ダムに深く関わった日本人のひとりです。主な仕事は水路作りと水量の管理でしたが、八田氏が不慮の事故で亡くなった後を引き継ぎ台南地域の農業経済発展に尽力した功績があります。中島氏は東京農業大学出身だったので自ら農村を巡回し苗代作りから田植え、稲の消毒方法、農機具の使い方などを指導しました。まだ計画的な稲作に不慣れだった地元民に手取り足取り教え成功するまでに6年もの歳月がかかりました。その甲斐もあり今では台湾一の農業生産地となっています。台湾南部では八田氏に次いで中島氏は有名な日本人なのです。
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台湾のダムを観光⑤映画のロケ地
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烏山頭ダムと八田與一氏は映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」にも登場しています。あらすじは日本統治時代の台湾から甲子園に出場した弱小チームの話ですが、時期が重なることもあり烏山頭ダムからの給水シーンなどがあります。当時の様子を垣間見ることができる映画ですのでぜひダムを訪れる前に鑑賞してみて下さい。現地ではロケ地巡りツアーを催行している旅行社もありますのでおすすめです。
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台湾のダムを観光:最後に
いかがでしたか?台湾のダム建設と農業の発展に深く日本人が関わっていたことをお分かりいただけたことでしょう。日本人として一度は訪れておきたい観光スポットです。台北からも日帰りできる場所ですし温泉地も近くにあるので宿泊するのもおすすめです。ぜひ足を少し伸ばして烏山頭ダム周辺を観光してみて下さい。