自爆テロや、爆弾など、いまだに恐ろしい事件報道が相次いでいるイラク。イラクの治安はどのくらいのレベルなのでしょうか。「外務省海外安全ホームページ」では、イラクの危険レベルが発表されています。2019年1月24日には、色分けで、レベル２不要不急の渡航中止（黄色）、レベル３渡航中止勧告（オレンジ）、レベル４退避勧告（赤）が発表されました。イラク国内に旅行に行くことは大変危険であり、渡航の中止が促されています。アメリカやイギリスなどの他国からのイラクへの治安情報を見ても、「旅行をしない」というレベルに定められています。世界的に見ても極めて危険な国の一つであることがわかります。

ニナワ県、キルクーク県、エルビル県、サラーハッディーン県，アンバール県，バグダッド県、など、赤く表示されている場所はもっとも危険なエリアで、レベル４の「退避してください」に指定されています。カルバラー県、ディワーニーヤ県、バグダッド国際空港敷地内はレベル３の「渡航は止めてください。（渡航中止勧告）」の危険度です。イラク全土がほぼ危な場所に指定されていますので、容易に近づくことはやめましょう。

2017年9月にイスラム過激組織からの全土解放宣言がされていますが、いまだに、戦闘勢力が残っており、テロや、爆発などの事件を各地で起こしています。昨年、イラク国内で起きている事件を見ると、イラクでは、デモ行動により、住民が巻き込まれ死傷者が出ています。人が集まる場所に爆弾が落とされるテロ事件や、火災などの被害も起きています。昨年10月には、北部モスル西郊で、検問所を襲撃する事件も起こり、キルクーク、バグダッド、モスルなどで現在も、断続的にテロ事件が引き起こされています。イラクの治安は、まだ安定しているとは言えず、とても悪いので、渡航することに危険が伴うでしょう。

高い失業率が問題になっているイラクでは、現在、デモ活動が活発化しており、国内のデモ活動により衝突が起きて、多数のけが人が出ています。イラクでは、政権が不安定なため、政策が実行されていないことや、電力や水に対する不満が高まっています。これらのデモ活動は、夜間や、金曜日から日曜日の週末に行われることが多くなっており、人混みに行くことを極力避けて、週末は気を付けるようにと勧告が出ています。巻き込まれてケガをする可能性が高く、危険な状態です。バスラ県バスラ市近郊は特に危険な状態になっています。

イラクで、もしも、誘拐、拉致、その他の事件に巻き込まれたとき、助けはすぐに来るのでしょうか。近年、危険と報道されているにもかかわらず、イラクに渡航する人がいますが、イラクは、日本で想像しているよりも環境が悪く、すぐに助けが来る状況ではないことを知っておきましょう。残念ながら、イラクの通信、治安情勢の不安定さから、邦人保護業務が制限されてしまう可能性が高いでしょう。治安が悪いので、何かの事件に巻き込まれたら、自分の身は自分で守る、安全確認を徹底するなどの注意が最大限に求められるでしょう。

イラクでは何が起こるか分かりませんので、常に最新の情報を手に入れるように促されています。緊急時対応の為、在イラク日本国大使館（embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp ）に届け出をすることが推奨されています。政府機関，所属団体等にも円滑に連絡が取れるようにして、安全対策を駆使しなければなりません。イラク政府から発行された正式なイラク入国査証を持たず、イラク北部クルディスタン地域からイラクに入国しようとする場合は不法滞在扱いになり、刑罰の対象になります。在留届も必ず提出しましょう。

戦闘勢力が各地に潜伏し、残っていて、国内でも頻発するデモ活動、襲撃が起きている危険なイラクは、旅行をすることが出来るのでしょうか。現在、退避勧告が出ており、行ってはいけません。とても旅行を楽しめるような状態ではなく、命の危険を感じる状態です。明日どうなるか分からず、身の安全を守ることすらできない不安な情勢なので、行くことはやめましょう。かつて、日本人を狙った痛ましい人質事件が起きました。ここでは、日本人であることで、人質に狙われてしまう危険性がある国なのです。今後もイラクにいけば、いつどこで、人質に狙われるか分からない状態です。旅行に行きたいなら、安全な国になってから行くようにしましょう。

イラクの治安が回復されて、平和な国になるのはいつでしょうか。イラクの過激派は、解放された後も山間部に移動して、勢力の立て直しを図っているという報道がされています。過激派の要員は、いまだに、約2万から3万人残っていると伝えられていて、予断を許さない状態なので、いつ、何が起こるか分からない状態です。残念ですが、イラクの治安は、ほんの少しずつですが、回復してきていると言えるものの、旅行に行けるような安全レベルに回復するまでにはまだ当分の時間がかかると言えるでしょう。

もしも、将来イラクが安全になって、、旅行に行ける国になったら、おすすめする観光スポットをご紹介します。一つ目は、2014年に世界遺産に登録された、「エルビル城砦」です。メソポタミア文明を知ることが出来る貴重な建造物です。聖書に出てきた有名な「バビロン遺跡」、2007年に世界遺産された「サーマッラー」などもおすすめです。世界的に周知されていた「ハトラ遺跡」は、破壊されてしまい、今は修復が待たれていますが、イラク全土には、他にも沢山の魅力的な世界遺産があります。

【2019年版】イラクの治安情勢最新版・回復の見込みはあるの？をご紹介していきました。イラクでは政治の不安定さから、デモが起きていて、渡航も危険な状態です。旅行に行くには無理で、行ってはいけません。危険な国なので、安全になるまでは近づかない方が良いでしょう。今後も、国内の治安の不安定さから、治安が一旦は良くなっても、また悪くなるということを繰り返してしまうかもしれません。イラクの治安は、いつ回復するかはわかっていませんが、いつの日か、安全な国になったら、魅力的な観光スポット巡りを計画してみると良いでしょう。