富山の県花がチューリップになった歴史
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富山の県花は、歴史では昭和29年（1954年）にチューリップに選定されています。しかし、チューリップは元々日本原産の花ではありません。なぜ海外原産のチューリップが富山の県花に選定されたのか、まずはその歴史についてご紹介します。
日本にチューリップが伝わった歴史
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歴史的に見て1600年代からフランス、ドイツ、イギリスなどヨーロッパ地方でチューリップ・バブルが起こったために、チューリップの原産地はヨーロッパとイメージする人が多くいます。しかし、実際は中央アジアがチューリップの原産地です。アフガニスタンやカザフスタンなどには、現在もチューリップが自生しています。
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チューリップが日本に伝わったのは、歴史ではヨーロッパでチューリップ・バブルが起こった時代、日本では江戸時代末期の頃といわれています。ヨーロッパでは、チューリップは主に上流階級の貴族たちが鑑賞するために多く栽培されていました。そうした経緯から、日本でも皇族・貴族の観賞用としてチューリップが栽培できないか考えられていました。
富山でチューリップが栽培された歴史1:気候の類似
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日本の国土の中でも、富山の気候はチューリップが自生する中央アジアの気候と似ています。気温の変化については、チューリップ自生地の1つであるアフガニスタンとほぼ同じです。また、富山はチューリップの見頃である春は日照時間が長く、水田が豊富なことから、古くからチューリップ栽培に適していました。
富山でチューリップが栽培された歴史2:生活の支え
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かつて富山は水稲単作の農家が多く、冬は積雪の寒冷地帯であったことから、貧しい暮らしを送る農民が絶えませんでした。そのため、水田を使って新たに栽培できる作物がないか考えられていました。大正7年、富山県庄下村(砺波市)で園芸家・水野豊造さんが水田を使ってチューリップの園芸の試作を開始し切花として販売したところ、当時は珍しい花であることから高値で買い取られます。
富山でチューリップが栽培された歴史3:チューリップ栽培組合の結成
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砺波市の農民の生活の助けになると思った水野豊造さんは、地区内の人々にもチューリップの栽培方法を教え、独自のチューリップが栽培できないか研究や工夫を重ね、昭和13年県輸出球根出荷組合連合会を作り、海外へもチューリップの出荷を行うようになりました。こうしてチューリップは富山の名産品の1つとなり、そこから富山の県花にチューリップが選定される歴史となります。
富山のチューリップイベント・となみチューリップフェア
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富山のチューリップイベントといえば、チューリップ栽培が始められた砺波市で行われる「となみチューリップフェア」が有名です。700品種、300万本もののチューリップが開花するこちらのイベントは、チューリップの見頃を迎えると国内外から観光客が訪れます。
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「となみチューリップフェア」では、チューリップの地上絵や花の大谷、オランダ風花壇など見どころがたくさんあるイベントなので、家族連れや友人、カップルさまざまな観光客が楽しめる人気のデートスポットとして知られています。
富山チューリップイベントの見どころ1:大花壇の地上絵
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大花壇の地上絵は毎年絵柄のテーマが変わるので、この景色を見るために毎年となみチューリップフェアを訪れる観光客も多い見どころの1つです。2019年は「笑顔の花を咲かせる」、「魔法にかかったような演出」をコンセプトにしていることから、「魔法」をイメージした地上絵のデザインに決定されました。
富山チューリップイベントの見どころ2:チューリップ四季彩館
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チューリップ四季彩館は、1年中チューリップが咲いている施設です。イベント期間中は自由に入場できるので、ぜひ四季彩館にも足を運んでみてください。四季彩館では古くから伝わる歴史的な原生品種のチューリップや希少品種のものなど、普段見られない珍しい品種のチューリップが栽培・展示されています。
富山チューリップイベントの見どころ3:水車苑エリア
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園内にある美術館とチューリップ公園の間には用水が流れていますが、このエリアには日本最大の五連揚水水車が設置されています。ヨーロッパの田園風景を想わせる水車とチューリップの風景は、インスタ映えするスポットとしても人気です。
富山チューリップイベントの見どころ4:フラワーロード
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フラワーロードのエリアは、チューリップの見頃の時期は桜とチューリップの景色が楽しめることから、人気の高いスポットです。約400mの桜並木の風景とチューリップの花壇が続くフラワーロードで鼻の景色を撮影したり、ゆっくり散策するのもおすすめです。
富山チューリップイベントの見どころ5:花の大谷
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花の大谷は、富山の観光名所雪の大谷をイメージしたスポットです。雪の大谷の風景をチューリップの壁でイメージしており、一面に白いチューリップが咲いています。富山観光を記念するスポットとして人気の散策コースとなっています。
富山チューリップイベントの見どころ6:彩りガーデン
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彩りガーデンは、700品種のチューリップが栽培されている広大な庭園です。チューリップが満面に咲く風景を撮影するなら、ぜひ彩りガーデンを訪れてみてください。彩りガーデンでは富山で生まれた歴史的な品種のチューリップなど、国内外の品種のチューリップが栽培されています。
富山チューリップイベントの見どころ7:チューリップタワー
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チューリップタワーはイベントのシンボルともいえる展望台です。チューリップタワーからは園内に咲くチューリップの風景を見渡すことができます。また、大花壇の地上絵を上から見下ろすことができるので、地上絵の風景が見やすいスポットとしても人気です。
富山チューリップイベントの見どころ8:ランチ・スイーツ
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砺波チューリップ公園にはレストランもあるので、ランチは園内でとるのもおすすめです。チューリップ四季彩館前にある「富山ふるさと広場」では砺波名物のそうめんやラーメン、砺波の食材を使った釜飯などのメニューがあります。
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文化会館南側ブースにある「とやまグルメ広場」にもランチメニューがあります。こちらはたこ焼き、焼きそば、ご当地ソフトクリームなどのファストフードがそろっています。チューリップタワー西側にある砺波市観光協会でもお弁当やおにぎりを販売しており、園内には食事ができるスペースも用意されているので、チューリップの風景を眺めながら食事が楽しめます。
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チューリップイベントの期間中は、移動販売車が園内を回っています。アイスクリーム、クレープ、ドリンクの販売が行われているので、園内で休憩をとるときはぜひ利用してみてください。チューリップイベントの期間中は、チューリップソフトなど限定スイーツの販売も行われています。
富山生まれのチューリップ・品種1:ゆめ・しおり
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富山チューリップイベントで見頃の時期に見られるチューリップの品種をいくつかご紹介します。「ゆめ」は、黄色い花に緑色が入った個性的な花模様のチューリップです。草丈は25～40cmと低く咲くチューリップで、見頃は4月下旬ごろです。
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「しおり」は、咲き始めは薄緑色の花を咲かせますが、成長するにつれ真っ白な花を咲かせるチューリップです。八重晩咲きといわれる、幾重にも花びらが重なる華やかな見た目のチューリップです。草丈は40～55cmとチューリップの一般的なサイズで、見頃は4月下旬です。
富山生まれのチューリップ・品種2:黄小町・あけぼの
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「黄小町」は、草丈25～40cmとやや低めの小さなかわいらしいチューリップです。富山を代表するチューリップの1つであり、花持ちが良く、咲き進んでも花が咲き崩れにくいのが特徴です。見頃は4月中旬～4月下旬となります。
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「あけぼの」は、黄色の花びらのフチが、ほのかに赤く色づく品種のチューリップです。夜が明けるように花が咲き始める様子からあけぼのと名づけられました。太陽のように鮮やかな大輪の花を咲かせるのが特徴です。見頃は4月中旬と、一般的なチューリップの見頃より早めです。
富山生まれのチューリップ・品種3:白雲・春天使・ウエディングベール
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「白雲」は皇室に献上された歴史を持つ富山の名花であり、雪のような白い花を咲かせます。花壇向けの花で栽培しやすいことから、チューリップ園や花壇でよく見られる品種の1つです。見頃は4月中旬～4月下旬となります。
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「春天使」は、白雲と同じように真っ白な花弁を持つ品種のチューリップですが、草丈25～40cmとやや低めに咲くチューリップで、鉢植えでも育てやすい品種です。平成18年に生まれたばかりの比較的新しい品種で、見頃は4月下旬です。
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「ウエディングベール」は、チューリップの中でも人気の高い品種です。その名の通りウエディングブーケによく使われるチューリップで、純白の清楚な花を咲かせます。ユリ咲きの花を咲かせる珍しい品種でもあり、見頃は4月下旬です。
富山生まれのチューリップ・品種4:月浪漫・夕月
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「月浪漫」は、濁りのない黄色い花を咲かせる品種のチューリップです。花壇向けのチューリップであることから、一般的によく見られるチューリップとして知られています。富山県球根組合創立60周年記念に栽培されたチューリップであり、皇室に献上された歴史的な品種でもあります。
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「夕月」は、月浪漫と比べると淡い色合いの花を咲かせるチューリップです。パステルカラーの黄色は優しい月の色を想わせることから夕月と名づけられました。月浪漫は草丈が高めに咲きますが、夕月は40～55cmと一般的な高さに成長し、小ぶりな花を咲かせるため、群生栽培するのに適しています。
富山生まれのチューリップ・品種5:ザ・グレゴールミズノ
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「ザ・グレゴールミズノ」は、砺波でチューリップを栽培した水野豊造さんの功績をたたえて命名されたチューリップです。黄色の花びらに赤い縁取りがあるのが特徴で、見頃は4月下旬です。
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ザ・グレゴールミズノに似たチューリップに「プリンスオブニッポン」と呼ばれる品種があります。ザ・グレゴールミズノに比べると、プリンスオブニッポンは成長するにつれて黄色の花びらに赤いかすり模様が入るのが特徴です。こちらも富山生まれのチューリップで、現在富山で生産されているチューリップでは最古の品種となっています。
富山生まれのチューリップ・品種6:紫雲・夢の紫
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「紫雲」は、クリーム色の花びらに紫色の模様が入った品種のチューリップです。成長するごとに花びらが紫色に変色し、色変わりする珍しい品種で人気があります。草丈は55cmと高めに花を咲かせ、見頃は4月下旬です。
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「夢の紫」は、ユリ咲きといわれるユリのような形の花を咲かせる品種のチューリップです。ユリ咲きの花を咲かせる品種は少なく、長らく待望されていた品種であることから夢の紫と名づけられました。見頃は4月中旬とやや早めであるのが特徴です。
富山のチューリップイベントの開催期間
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となみチューリップフェアの2019年開催期間は、4月22日（月）～5月5日（日）です。開催時間は8時30分から17時30分までとなっています。最終入園時間は17時までとなっているのでご注意ください。毎年2週間限定のイベントなので、ぜひ予定を合わせて訪れてみてください。
富山のチューリップイベントの見頃
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となみチューリップフェアは毎年4月から5月にかけて開催されるので、ゴールデンウィークの時期に見頃を迎えます。ゴールデンウィークの時期はもちろん混雑しますが、混雑を避けるなら満開より少し早い4月下旬ごろに訪れるのもおすすめです。4月下旬であれば、園内のチューリップがほぼ満開の時期となっています。
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チューリップの開花時期・見頃はその年の気候によって若干異なるので、となみチューリップフェアへ行く際は事前に公式ホームページに掲載されるチューリップの開花状況をチェックしてから訪れるのがおすすめです。また、チューリップの見頃だけでなく天気予報も忘れずにチェックしておきましょう。
富山のチューリップイベントの入場料
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となみチューリップフェアの入場料は、小学生未満は無料、小中学生300円、高校生以上の大人は1,000円です。前売り券を購入する場合は割引価格で入場券が購入できます。前売り券は通常料金より100円引きとなっており、コンビニ、eプラス、チケットぴあなどで購入できます。富山県、石川県内ではポプラでチケットを購入することもできます。
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コンビニ、eプラス、チケットぴあ、ポプラなどで割引チケットを購入できるのは、2019年は4月21日までです。4月22日以降は通常料金となるのでご注意ください。チケットそのものは5月5日のイベント期間まで販売されています。イベント期間中は公園が混雑するので、スムーズに園内へ入場するなら、前売り券を購入するのがおすすめです。
富山のチューリップイベントのアクセス
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となみチューリップフェアへのアクセス方法は、電車で東京からアクセスする場合、北陸新幹線を利用するのがおすすめです。北陸新幹線で新高岡駅で乗り換え城端線・砺波駅で下車します。駅から徒歩15分で砺波チューリップ公園に到着します。電車で名古屋からアクセスする場合、金沢経由しらさぎに乗り、新高岡で乗り換え、城端線・砺波駅で下車します。駅から徒歩15分で砺波チューリップ公園に到着します。
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となみチューリップフェアへ車でアクセスする場合、東京からは関越・北陸または上信越自動車道を通り、高岡砺波スマートICで下ります。そこから砺波チューリップ公園まで7分ほどで到着します。名古屋からは名神・北陸・東海北陸自動車道を通り、砺波ICで下りて約5分で到着します。
引用: https://www.instagram.com/p/Bh2T-wdBlK_/
砺波チューリップ公園の駐車場は約3700台の駐車スペースがありますが、となみチューリップフェアの期間は混雑しやすくなるので、混雑を避けるなら開園早めに訪れるのがおすすめです。駐車料金は普通車500円となっています。
砺波チューリップ公園の詳細情報
【住所】富山県砺波市花園町1-32【電話番号】0763-33-7716【営業時間】午前8時30分～午後5時30分（最終入園：午後5時）【チューリップの見頃・開催期間】2019年4月22日（月）～5月5日（日・祝）【料金】大人1,000円【アクセス】北陸自動車道砺波ICから車で約5分
まとめ
引用: https://www.instagram.com/p/BrwREJAF1EJ/
富山でチューリップが栽培されるまでの歴史や、富山で開催されるとなみチューリップフェアの見どころについてご紹介しました。日本一のチューリップの祭典と呼ばれるとなみチューリップフェアは、毎年2週間限定のイベントです。春に花見観光をするなら、ぜひとなみチューリップフェアに足を運んでみてください。
