ミラージュ・ファリーナ・ジーナスはヴァールシンドロームと呼ばれる。人が凶暴化する現象を鎮圧、抑止する戦術音楽ユニット「ワルキューレ」を護衛しサポートする星間企業複合体ケイオス・ラグナ支部デルタ小隊のパイロットで、コールサインはデルタ4。メッサー戦死後はデルタ2。愛機はVF-31Cジークフリード。イメージカラーはワインレッド。年齢は18歳です。
「超時空要塞マクロス」「マクロス7」に登場したマクシミリアン・ジーナスとミリア・ファリーナ・ジーナスの六女ミランダの娘で、ジーナス家はアメリカのケネディファミリー的な名家という扱いになっているようで、ミラージュ自身、それが重圧になっており、「…ジーナス家なのに…お祖父様とお祖母様の才能を受け継いでいれば…」と親戚か誰かになじられていたセリフのみの回想シーンもありました。
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ミリアは子沢山でしたが、ミレーヌやエミリアのようなフリーダムな親戚もいるのですが…とツッコむのは禁則事項なのでしょうか。ミラージュの登場時は堅物を絵に描いたような子で、「超時空要塞マクロス」の勝ち組ヒロイン早瀬未沙がベースにあると考えて間違いないでしょう。
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ハヤテに対しても、最初は、何かと言えば「抗議なら広報にお願いします」の一点張りでした。容姿はロングヘヤーにゼントラーディ特有のエルフ耳。一見すると大人びた雰囲気がありますが、そういう女の子こそかわいいものが好きというお約束通り、前期OPではウミネコのキュルルを溺愛する姿が描かれていました。
ミラージュを演じるのは声優の瀬戸麻沙美さん。デビューは「放浪息子」の高槻よしの。「HUNTER×HUNTER」のクラピカのオーディションで最終選考まで残るも、沢城みゆきさんに持って行かれるという…こればかりは仕方がない。だが、まだ少女だった瀬戸さんは相当ショックだったのは察するに余り有ります。しかし、そのオーディションで「ちはやふる」の番組関係者の目にとまり、オーディションを経て、主人公、綾瀬千早役を勝ち取りました。
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綾瀬千早や「TARI TARI」宮本来夏のような、良い意味で落ち着きのない元気のある、真っ直ぐなかわいい女の子役に定評があり、「輪廻のラグランジェ」のランや「ウィッチクラフトワークス」の火々里綾火のような、かわいいのに寡黙で自分を出さない、いわゆる綾波系女子も得意としています。
何かと困った性格の主人公ハヤテ・インメルマンの指導教官にミラージュは押しつけられてしまいます。堅物なミラージュにとっていい刺激と経験になるというアラド隊長の配慮と思われます。ミラージュの鬼教官ぶりは瀬戸さんの演技の上手さが際立ちました。ミラージュ役は捨てて、教官役に徹した演技だったのでしょう。きついというか、汚い言葉を次々と吐き捨てられるハヤテ君はうらやま…もとい、気の毒でなりません。
練習機に使用されたVF-1EXは、ハヤテ機は青で、ミラージュ機は赤という、往年のマックス機、ミリア機(TV版)を彷彿させる粋な計らいが施されていました。
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ウィンダミア王国が宣戦布告し、スタントパイロット兼護衛から、戦争に参加せざるを得なくなったデルタ小隊。エースのメッサー・イーレフェルトは、これまで以上にミラージュ達に対して厳しくなり、助言を請うたミラージュに対して、「ミスはあえて言えばの程度だが、教科書通りの動きしかしない」と辛辣な評価を下しました。ちなみにハヤテは「論外」でした。
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このことから、何かとぶつかっていたミラージュとハヤテは一時休戦状態に。ミラージュはシュミュレーション訓練に励む日々が始まりました。
そんなメッサーが、ヴァール化に苦しんでいることを知ってしまった二人。隊長に話して何とかしようと詰め寄りますが、凄腕エース、メッサーに「頼む、黙っていてくれ」と深々と頭を下げられてしまい、メッサーの身を案じることしか出来ないミラージュとハヤテ。二人はここから急速に親密になっていきます。
二人で悩みながら黄昏れているところを、マクロスではおなじみのオペレーター3人衆に目撃され、尾ひれの付いた話をフレイアたちワルキューレに話したことで、三角関係のフラグが立ちました。
TV版13話で、新統合軍の放った反応弾で愛機を失い、EX-ギアで脱出したハヤテを救ったミラージュは、いったん、マクロス・エリシオンの艦橋に着陸しますが、この時、ハヤテはミラージュにハグをして、ここでミラージュの恋愛感情が華咲きました。さらに艦橋のすぐ側でライブをしていたフレイアと、ハヤテがお互いを鼓舞する光景を見て、ミラージュ目線ではそれがとても親密な関係に見えたようで、ここで、マクロス名物、三角関係の幕が切って落とされました。
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14話ではアイランド船ジャックポッドの修理のため、制服のブルゾンを脱いで作業をする二人。ミラージュはブルゾンを脱ぐと、まさかの下着姿。いわゆる見せてもいい下着なのでしょうが…ちなみに暗所だったため黒に見えた、見えてもいい下着は、実は赤でした。
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ハヤテの足場を作るため、お互いの身体を密着させての作業となりました。無事修理が成功し、ジャックポッドに太陽光が戻りましたが、マキナの放ったドローンで、ハヤテにしがみついているミラージュの姿が映し出されてしまい、今度はフレイアが恋の病を拗らせることになりました。
TV版最終決戦で、星の歌い手に取り込まれそうになるのを必死に足掻く中、ハヤテはフレイアに「好きだ!」と告白します。しかし、フレイアはウィンダミア人の老化現象である結晶化が始まっており、ハヤテの気持ちに応える勇気が出ません。業を煮やしたミラージュが、今度はハヤテに告白します。「キレてないっすよ」な告白には、かわいいとか、いじらしいとかはありませんでしたが、真っ直ぐさは伝わる良い告白でした。
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しかし、この告白はフラれるのが前提で、フレイアに発破をかけるのが目的でした。ミラージュの激励に押される形で、ハヤテに想いを告げたフレイアは、歌の力で戦争を終結することに尽力しました。
ミラージュのパイロットスーツはVF-31C同様ワインレッドが基調となっており、制服はブルゾンにジーンズのショートパンツ。黒のロングブーツで絶対領域が確保されており、かっこかわいいを両立させています。私服はアニメとしては珍しく、毎回衣装が替わっており、基本、パンツルックです。無意識レベルでかわいいキャラを封印しているのでしょうか。
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シャツにパンツというかわいいどころか洒落っ気すらない私服もありますが、ノースリーブの黒のつなぎルックなど、センスのいいかわいいファッションの時もありますので、お洒落に無頓着というわけではないようです。
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劇場版「マクロスΔ 激情のワルユーレ」では、恋愛部分はばっさりオミットされ、その分、戦闘シーンやライブシーンに力が入っていました。ミラージュは劇場版では前半、思いっきり空気となっており、ただの傀儡の王となったハインツと共に気の毒なキャラになりそうでしたが、後半から本領を発揮します。
ハヤテと共に敵陣に潜入し、敵のドラケンⅲを奪取し、識別コード入力に伴いカラーがミラージュのパーソナルカラーであるワインレッドに変更され、敵機を専用機にしてしまうという「戦闘メカ ザブングル」のジロンと同じことをしてしまうあたり、さすがはヒロイン。空気では終わりません。しかも、その後の戦闘がかっこいいです。ビームガンポッドを破壊され、「まだまだ!」とドラケンファング(長剣)で凜々しく闘うお姿は、もう一度いますが、さすがはヒロイン!と賛美するしかありません。
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コンプレックスにまみれていたミラージュは、作中で、ハヤテとの恋や、たくさんの人の出会いや別れを通して、大きく成長しました。もう少し正確に言うと、ミラージュらしく成長したといえます。作品としては大人気とまではいかなかったものの、決して駄作ではなく、良作だといえます。劇場版はよりブラッシュアップされていて、必見といえます。