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姉帯豊音は岩手県代表の宮守女子高校の3年生で大将を務めます。元々は宮守女子高校の生徒ではありませんでしたが、熊倉トシ顧問の紹介で2年生の時に転校してきました。
姉帯豊音は腰まで伸びている長い黒髪につばが長い帽子をかぶり、舞台が夏であるのに黒いロングブレザーにロングスカートを着ています。目は「咲-saki-」に登場する他のキャラクターと比べても異質であり、光が灯っていない真っ赤な瞳に蛇のようなものが見えるというもの。まるで吸血鬼のようです。これだけでも異様な人物のように感じますが、極めつけは彼女の身長です。なんと197cm。バレー選手もびっくりです。同じ宮守女子高校麻雀部の鹿倉胡桃とは67cmも身長差があります。
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「咲-saki-」は実写化もされている作品ですが、2m近い身長を持つ姉帯豊音を再現するのは難しいのでは……とファンの間ではささやかれています。
2m近い身長に赤い瞳と人外じみている姉帯豊音。クールな見た目をしている彼女ですが、性格はとてもミーハー。有名選手である神代小蒔や原村和などの話になると興奮したり、対戦相手である宮永咲/石戸霞/末原恭子にサインを求めたりと明るく積極的。
間延びした喋り方をし、「ちょーうれしいよー」「ちょー怖いんだけどー」など語尾を伸ばすのが癖の模様です。
アニメ版姉帯豊音を演じるのはテレビアニメ「ビビッドレッド・オペレーション」の黒騎れい役で有名な声優/女優/歌手の内田真礼さん。
内田真礼さんが声優を目指したきっかけは幼い頃に「忍たま乱太郎」や「ファイナルファンタジーVII」といったアニメやゲームに魅力を感じたこと。高校3年生の時に演技で誰かに希望を届けたいと思い、日本ナレーション演技研究所に進学。その後テレビアニメ「中二病でも恋がしたい!」の小鳥遊六花役でブレイク。その後もヒロインやメインキャストを多く担当しています。
演技力以外に多面的な才能を持つことで有名であり、2014年には「創傷イノセンス」にて歌手デビュー。他に女優やグラビアなど多くの方面で活躍しています。
姉帯豊音が所属する宮守女子高校麻雀部の部員は全員遠野物語を元ネタに作られています。
例に漏れず姉帯豊音のモチーフは遠野物語の山女。山女は遠野物語に多くエピソードが残されており、主に「高身長で長髪をし、色白の肌を持ち異様な目をした妖怪の山女のお話」もしくは「山男にさらわれてしまい家に帰ることを許されない人間の山女のお話」が存在。姉帯豊音のモチーフはどちらの山女かというと両方の要素がミックスされています。
また、アニメ版「咲-saki-全国編」10話にて石戸霞が「身のたけ高き女にて、解きたる黒髪はまたそのたけよりも長かりき」と遠野物語の一節を読み上げるなど、作中でも積極的に姉帯豊音のモチーフは遠野物語の山女であるとアピールしています。
姉帯豊音の外見的特徴である長い黒髪に女性の平均身長をはるかに超える長身、白い肌に長い帽子の女性、というと2000年以降に生まれた都市伝説である「八尺様」を連想する方も多いでしょう。遠野物語の山女がモチーフだと言われている姉帯豊音の外見は八尺様を参考にデザインされている説がファンの間では濃厚です。
八尺様自体、遠野物語の山女と多数の類似点を持っているため、八尺様も遠野物語をモチーフに作られた都市伝説であると言われています。
真相は作者が語らない限りわかりませんが、似ている部分の多さから姉帯豊音は八尺様を参考にデザインされた説は信憑性が高いと言えるでしょう。
姉帯豊音は宮守女子高校に転校する前は、出身地である岩手県の奥地の村に住んでいました。同年代の友人もほとんどおらず、テレビ観戦と一人で牌を並べることによって麻雀を覚えました。
姉帯豊音は村に縛られており、なかなか外に出ることができませんでした。そのため、非常に寂しい生活を送っていたようです。
このエピソードは遠野物語の「山男にさらわれてしまい家に帰ることを許されない人間の山女のお話」に非常に似ています。生まれ育った村から外出することができないストレスは相当のものでしょう。
そんな姉帯豊音を救ったのが宮守女子高校の麻雀部顧問である熊倉トシでした。彼の熱心な交渉により、宮守女子高校に転入した姉帯豊音は友人もでき、やっと生まれ育った村の呪縛から解放されたのです。
姉帯豊音は六曜をモチーフにした能力を使います。六曜であることから6つあるはずですが、熊倉トシに手の内を明かさないように言われていることもあり、原作では先負と友引の2種類しか使用していません。
相手のリーチに対して追っかけリーチを行うことによって、一撃で和了することが出来る技。手の内を明かさないようにしている六曜の中でも比較的使われているようで、この技が由来して姉帯豊音は「背向(そがい)のトヨネ」と呼ばれています。
ポン・チーを頻繁に行い、裸単騎状態を意図的に作り出すことによって単騎待ちをツモ和了する技。これを披露したときに言った「ぼっちじゃないよ~」「お友達がきたよー」は姉帯豊音を代表するセリフでもあります。
姉帯豊音が原作で使った先負、友引以外の4種類はどういう技なのでしょうか?実はこれらはPSVita用ゲーム「咲-saki- 全国編」に登場しています。気になる効果は「赤口:対局中盤に自分の引きを強化する」「先勝:対局している全員の引きを前半だけ強化」「大安:対局している全員の有効牌引き率を上げる」「仏滅:対局している全員の有効牌引き率を下げる」というもの。
あくまでゲームオリジナルであり、原作でこれらが登場するときには効果が違う可能性はありますが、効果は六曜の特徴と合っており、納得できる内容ではないでしょうか。
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遠野物語の山女をモチーフにしているだけあり、「咲-saki-」作中でも異質な存在感を発揮している姉帯豊音。女性の平均身長を遥かに超える長身でミステリアスな容姿をしている彼女は「刺さる」方にはたまらない魅力があるでしょう。さらに容姿とは裏腹に可愛らしい間延びした喋り方やミーハーな性格といったギャップもとても魅力的です。
宮守女子高校に転校してくるまで孤独な生活をしていた彼女は、まさしく遠野物語に出てくる「家に帰ることを許されないかわいそうな山女」そのものです。そんな彼女が友人という存在を得て、大会を通してさらに友達の輪を広げていく姿は、見ていてとても胸と目頭が熱くなります。故郷の村から開放されて本当によかったね、と思わずにいられません。
姉帯豊音は「咲-saki-」本編において今後の活躍を見たいと思うと同時に絶対に幸せになってほしいと願ってしまう不思議で魅力あふれるキャラクターです。