ワセリンには副作用がある?
ワセリンは石油を精製して作られた油分です。一口にワセリンといっても精製度の違いに応じて4つの種類に分けられます。一番精製度が低い黄色ワセリン、黄色ワセリンよりも精製度が高い白色ワセリン、さらに精製度が高いプロペド、最も純度の高いサンホワイトです。一般的に使われるのが白色ワセリンですが、その白色ワセリンにも副作用があるのというのです。
副作用その1 油焼け
副作用が少ないと言われる白色ワセリンですが、全く副作用がないわけではありません。白色ワセリンは、黄色ワセリンよりも精製度が高いのですが、ほんのわずか不純物が残っています。それによって副作用が起こる場合もあるのです。その副作用の一つが油焼けです。ワセリンを塗って長時間紫外線に当たると、油焼けといって、皮膚が黒ずんだり、シミができたりします。
副作用その2 ワセリンでかぶれる
保湿効果の高いワセリンは、肌にとどまり、肌の水分を保ってくれます。ちょうど肌にバリアを作ったように外部からの異物の侵入も防いでくれます。しかし、あまり厚く肌に塗ると、ワセリンが肌に反応して接触性の皮膚炎を起こすことも考えられます。それによって肌が赤くなったり、かゆみが出ることもあります。
期限切れのワセリンで副作用?
期限切れのワセリンは、雑菌が繁殖し、不純物が増えていることがあります。ワセリンの管理が甘いとなおさら雑菌が増えてしまいます。汚れた手でワセリンをじかに肌につけることも不純物が増える原因になります。
そんなワセリンは、油焼けの元を作るようなものです。消費期限があるワセリンは期限内に使うようにしましょう。
また、じかに手を入れずに綿棒などですくうようにして、清潔を保ちたいものですね。
プロペトでも副作用があるの?
プロペトと白色ワセリンの違いは、精製度の違いです。白色ワセリンをさらに精製した極めて不純物の少ないワセリンがプロペトなのです。安全性に優れ、ほとんど副作用がないというプロペトですが、そのプロペトでさえ、副作用が全くないわけではありません。
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんに起こる副作用
顔や手にジュクジュクした湿疹などがみられるアトピー性皮膚炎の赤ちゃんが、入浴後すぐにプロペトを塗ると、体内に熱がこもってかゆみが出ることがあります。
新生児ニキビの赤ちゃんに使うと副作用が出る
生後1ヶ月から2ヶ月ごろの赤ちゃんは、新生児ニキビができやすくなっています。母親から受け継いだ男性ホルモンの影響で皮脂が過剰分泌になりのが原因です。新生児ニキビができている赤ちゃんにプロペトを塗るとニキビが悪化する恐れがあります。赤ちゃんの保湿を考えるあまりのプロペトの厚塗りは避けたほうが無難です。
ワセリンは副作用だらけなの?
こうして副作用の可能性を列記すると、まるでワセリンが副作用だらけの悪者のようですが、そうではありません。正しく使って、保管をきちんとすれば、これほど良い保湿剤はないのです。今度は、ワセリンの持つ保湿の効果とその効能をみていきましょう。
スキンケアにワセリン
ワセリンの効能・効果で最も知られているのは、スキンケアです。化粧水や乳液で水分を肌に与えたあとでワセリンを塗れば、肌の水分を閉じ込めることができ、乾燥した肌を潤いのある肌にしてくれます。ワセリンは肌に長くと止まり、バリア効果で外からの刺激から肌を守ってくれるのです。肌に吸収されろことなく、肌の上に乗っているだけなので、体に悪い影響を与えません。肌に優しい保湿剤として、肌の弱い人でも安心して使えます。
化粧下地としての使い方もあります。
ワセリンとクリームの違い
ワセリンは肌の表面に止まって肌の水分を逃さず、保湿してくれます。一方クリームは肌に浸透し保湿しようとします。これがワセリンとクリームの大きな違いです。クリームの成分には中性洗剤と同じ界面活性剤があり、肌が乾燥していたり、傷ついていたりして、角質層が正常でない時にクリームを塗ると傷口に悪い影響を与えます。また、クリームの界面活性剤が皮脂を分解して細胞間皮質を溶かしてしまうことがあります。界面活性剤を含んでいるクリームは角質層を傷つけてしまうのです。
ワセリンは体に浸透しないので体への影響はありません。これがワセリンとクリームの大きな違いですが、肌トラブルを抱えている人はワセリンの方が良いかもしれませんね。
ワセリンのリップクリームとしての効能
高い保湿力で、乾燥から肌を守る働きをするワセリンの特徴を生かして、リップクリーム代わりに使います。
特に冬場など乾燥してカサカサした唇は、唇の端が切れて血が出ることがあります。そんな時にワセリンがあればリップクリームの代わりになります。
夜は唇にワセリンを塗ってワセリンパックをすればウルウルの唇になります。ワセリンを塗った唇をマッサージしてしばらくラップをするだけです。その上から蒸しタオルを唇に当てておくのも効果があります。
ワセリンの効能は傷んだ髪にも
ワセリンは傷んだ髪にも効果・効能があるのをご存知ですか?枝毛などで毛先が傷んでいる髪や、乾燥した髪にほんの少量髪の気になる部分へ撫でてつけるだけOKです。それだけで髪の保湿になります。この時、量が多いと髪がベタベタとしてしまうので、本当に少しだけつけるようにしてください。
違いが歴然とわかるはずです。
ワセリンが粘膜にも効く
花粉症で困っている人に朗報です。ワセリンを綿棒で少しとって鼻の穴の入り口付近に塗ってみてください。ワセリンが鼻の粘膜を保護し、鼻の穴に入ってきた花粉を吸着し、体への侵入を守ってくれるのです。
花粉症の症状の多くは目や鼻や喉などの粘膜に花粉が付着して起こるアレルギー反応です。これらの粘膜を通して花粉は体の中に侵入してきます。
ワセリンは、本来のバリア機能を発揮して、粘膜から体の奥へ侵入しようとする花粉を阻止してくれるのです。
鼻ばかりではなく、目の周りにもワセリンを塗ります。こうすることで粘膜からの花粉の侵入を防ぐことができるのです。
また、鼻をかみすぎると鼻の下がヒリヒリしてしまいますよね。そんな時にもワセリンを塗っておけば乾燥を防いでヒリヒリした感じを緩和してくれます。
ワセリンの赤ちゃんにも安心して使える
ワセリンの効能をいろいろご紹介しましたが、ワセリンとは、赤ちゃんにも使えるほど優しいものなのです。
赤ちゃんの肌はきれいでもちもちと柔らかくて羨ましいほどですが、実は肌トラブルをよく起こすのです。かぶれたり、乾燥したりとお母さんの悩みは尽きません。そんな時にワセリンをつけると、悩みは解消するかもしれません。
乾燥肌の赤ちゃんの保湿にワセリンが効果的です。また、乳児湿疹の改善にもワセリンは効果を発揮します。ワセリンで湿疹のできたところを保護するようにしてみてください。また、お尻にワセリンを塗っておけばオムツかぶれの予防になります。
違いがわかるワセリンの効果・効能
ワセリンは赤ちゃんから大人までいろいろに使えて便利なものなのですね。メイクの下地から赤ちゃんのオムツかぶれまで、幅広く使えるのが良いところですね。
鼻の粘膜にもしっかり効いて、バリア機能で体に花粉が侵入するのを守ってくれるワセリン。頼もしい限りですね。副作用も純度の高いワセリンを使えばほとんど心配はないようです。ドラックストアなどで簡単に安価に手に入るワセリンをもっと生活の中で使っていきたいですね。