ベビーパウダーとは?
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ベタつく肌をサラっとさせてくれるベビーパウダー。あの白い粉の正体は、主に「コーンスターチ」と「タルク」です。コーンスターチはトウモロコシから作られるでんぷんで、吸水性があります。さらに乾きすぎると吸った水分を放出するはたらきもあるので、お肌につけた場合、表面の水分を適度に保ってくれるという特徴があります。タルクとは、硬度が一番やわらかい天然石の滑石を砕いて粉状にしたもの。肌への吸着性がとても高く、細かい粒子が水分を引き上げて撥水させる働きがあります。
ベビーパウダーの安全性は?
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では、ベビーパウダーの安全性はどうなんでしょうか?それぞれの主成分ごとに見て行きましょう。
コーンスターチ
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コーンスターチは体には全くの無害で無味無臭の粉です。ベビーパウダー以外にも、化粧品の基材として、フェイスパウダーやプレストパウダー、ファンデーションなどに使われており、また、感触や肌への伸びを良くする目的でも使われています。他にも乳化安定剤として乳液やパックに、クリームやパックには保護剤として使われます。
タルク
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タルク=鉱石と聞くと、ちょっと不安になるかもしれませんが、タルクは純粋な鉱物質で、もし、体内に入ってしまった場合も、人体に吸収・蓄積されずに体外へ排出されます。従って人体に悪影響を及ぼすものでない、との認識です。もちろん皮膚につけても皮膚から体内に浸透することはありません。
ベビーパウダーが危険と言われる理由
1987年、ベビーパウダーの原料である滑石に、石綿(アスベスト)が混入していたという事件が起きました。ですが現在は、厚生労働省の定めた不純物混入試験を経た滑石以外は原料として使用することが許されていません。ですので、日本で販売されているものは安全です。しかしながら未だにこの事件が尾を引き、ベビーパウダーは危険であるという考えが根強く残ってしまっています。
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また、大人の肌にベビーパウダーをつけると危険ということも言われることがあります。理由は、大人の毛穴は赤ちゃんより大きいから、ベビーパウダーが毛穴につまってしまう、というもの。毛穴に詰まる・詰まらないは毛穴の大きさではなく、正しくない使い方が問題なんです。皮膚の機能が未発達の赤ちゃんに使って大丈夫なものは、大人が使っても大丈夫。もちろん正しい使い方をした上でのお話です。
ニキビの原因は?
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思春期の頃にできるニキビとは違い、大人ニキビには様々な原因が挙げられます。食生活の乱れ、ストレス、睡眠不足。それらが引き金となって、便秘やホルモンのバランスが乱れ、皮脂の過剰分泌等々、沢山の原因が考えられます。大人ニキビを治すには、そういった問題をクリアにしていきつつ、塗り薬や飲み薬を使うのが一般的とされています。
ニキビにベビーパウダーは効果ある?
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では、巷で話題のベビーパウダーでニキビを治すという話は本当に可能なのでしょうか?専門家や製造メーカーの見解を見て行きましょう。
有効ではありません。 ベビーパウダーは、タルク(鉱物の粉末)とコーンスターチ(でんぷん)でできています。タルクが主成分なので、肌に並んだ鉱物の粉末が毛細管現象で汗を吸い上げ、蒸発を促すため、肌の摩擦や蒸れを軽減する作用があります。しかし塗りすぎると、毛細管現象が逆に働かなくなり、汗の蒸発をパウダーが邪魔する可能性もあります。
できてしまったあせもやニキビの上から使用すると悪化する可能性があるので使用は控えてください。タルクとコーンスターチは肌に均一にパウダーを吸着させる作用がありますが、ニキビを予防、改善する成分は配合されていません
シッカロールの製造元である和光堂の見解です。
他にも、ジョンソンエンドジョンソンやピジョンも皮膚科医や和光堂と同じく、ニキビを改善させる成分は配合されていない。また、できてしまったニキビの上にベビーパウダーをつけるとニキビを悪化させる恐れがあるため使用しないで。という見解でした。つまり、ベビーパウダーでニキビは治せない、効果的ではない、という結論です。
ニキビにベビーパウダーは効果ある? 口コミと検証
洗顔料+ベビーパウダー
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洗顔料にベビーパウダーをスプーン1杯混ぜて洗顔をしたらベビーパウダーが汚れを吸着するので、毛穴の汚れがスッキリし、ニキビが治った。という口コミがあります。これは、ベビーパウダーに汚れを吸着する作用はないので、普段より丁寧に洗顔したおかげで皮膚が清潔になり、ニキビが軽減したのでは?というのが専門家たちの見解。
ヨーグルト+ベビーパウダーパック
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寝る前にヨーグルトベビーパウダーでパックしたら、朝にはニキビが小さくなっていた・治ったという口コミ。ヨーグルトにはホエー(乳酸)が含まれています。このホエーはピーリング効果があり、またヨーグルト自体に保湿効果があります。ですので荒れた肌の古い角質がとられ、保湿され、肌の状態が改善されたおかげでニキビが治ったのでしょう。ベビーパウダーのコーンスターチやタルクは化粧品の基材として使われるので、ここではパックの基材の役割をしただけで、直接にニキビに作用したわけでありません。
ニベア青缶+ベビーパウダー、オロナイン+ベビーパウダー
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これは寝る前に、まずベビーパウダーを塗り、次にニベアやオロナインをたっぷり塗り、最後に再度ベビーパウダーをつけるというもの。ニベアに関しては、きっとニベアで保湿され肌の状態が良くなった結果ニキビが改善したと推測されます。オロナインについては普通にオロナインを塗ったのと同じ効果ではないでしょうか?
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こういった口コミやSNSで話題の洗顔や何かを加えたパックなどのニキビケアに関しては、その後にしっかり洗い流しているため皮膚につまったままという心配がないことから、皮膚科医の意見としては『ベビーパウダーは効果はないが、毒にもならない。』とバッサリ。
ニキビにベビーパウダーを使う効果的な方法
ベビーパウダーでニキビを治すことはできないことは分かっていただけたでしょうか?ですが、ニキビを増やさない・肌に負担をかけない方法として効果的にベビーパウダーを使うことはできます。
ニキビにベビーパウダーを使う効果的な方法 メイク
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ニキビがある時はメイクはしないようが良いと言われています。ですが、会社にすっぴんで行くわけにはいきませんし、逆にニキビを隠すために厚塗りにしがち。そんな時、ファンデーションの代わりにベビーパウダーを使うことで、肌への負担が軽減できますし、多少ニキビを隠すことはできます。
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ファンデーションの代わりにベビーパウダーを使ったらニキビが治った=ベビーパウダーにニキビを治す効果がある!という口コミもまれに見かけます。ですが、これはファンデーションをやめて肌への負担を減らした結果であって、ベビーパウダーがニキビを治したわけではない、というのはもうお分かりですね?
メイク直しにもベビーパウダーが効果的
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メイク直しの時、ファンデーションを塗り直すと厚塗りになってしいますよね?ベビーパウダーでメイク直しすれば、厚塗りにならず肌にも負担がかかりません。まず最初に浮いた皮脂をしっかり取り除きます。その後、ベビーパウダーをさっと気になる箇所に塗るだけでメイク直しは終わりです。塗ってすぐは薄くぬっても白っぽく感じますが、すぐ肌に馴染みます。肌荒れを完全に隠すことはできませんが、肌への負担を考えるとニキビや肌荒れの時はファンデーションやフェイスパウダーよりベビーパウダーを使うことをお勧めします。
つまり、ファンデーションやフェイスパウダーの代わりにベビーパウダーを使う事は、ニキビや肌荒れを隠すのが目的ではなく、肌への負担を軽くする、というのが一番の目的。ニキビは体からのSOSと言われていますし、肌を休めてあげるに越したことはありません。
ニキビにベビーパウダーを使う効果的な方法 肌荒れ
ニキビ以外にも、肌荒れを起こしニキビができてしまっている状態の場合、肌には刺激を与えないでおくのが改善の一番の近道。こんな時もファンデーションなどは一旦休んで、ベビーパウダーを代用することで肌のトーンもあがり、肌荒れも多少は隠すことができます。また、ベビーパウダーに日焼け止めの効果は薄いとはいえ、外出時に何も塗らずに素肌のまま陽に当たるよりは肌を守ってくれますし、クレンジングの必要もないので肌を休めるためにベビーパウダーを使うのは効果的です。
ニキビにベビーパウダーを使う効果的な方法 寝る前
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どのメーカーもすでにできてしまっているニキビやあせもにベビーパウダーはつけない方が良い、という見解を出しています。ですが、例えば皮脂の分泌が多く、寝る前はサラサラだったのに朝起きたら顔がテッカテカという人には、ベビーパウダーをつけることで皮脂を吸収してくれますのでそれ以上にニキビを増やさない助けにはなります。ベビーパウダーは当然ながら全身に使えるので、背中などニキビのできやすい場所にもつけておくに越したことはありません。
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ニキビの原因として挙げられる睡眠不足。折角寝るならぐっすり快眠したいですよね?ムシ暑い季節などは、寝る前にベビーパウダーをつけることで汗や皮脂を吸収してくれ、サラっとした肌になり、快眠できること間違いなしです。これこそベビーパウダーの本来の役目ですし、質の良い睡眠はニキビにも肌荒れにも効果的ですよ。
ニキビにベビーパウダーを使う際の注意
ベビーパウダーにも正しい使い方があります。間違った使い方はニキビの悪化以外や肌荒れなどを起こす恐れがありますので、気をつけなければいけません。
乾いた肌に使用する
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肌が湿った状態でベビーパウダーをつけてしまうと、パウダーの細かい粒子が毛穴に詰まってしまう恐れがあります。毛穴に詰まってしまうと、皮脂を吸収したり、汗を撥水させる本来の働きができなくなり、肌トラブルにつながってしまうことに。パウダーをつける際はきっちり水分を拭き取った乾いたお肌につけましょう。
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夜、寝る前に付ける時はお風呂上りで体が湿っていたり、スキンケアの後で肌がモチモチの状態。そのままベビーパウダーをつけると厚塗りになってしまいますので、体はほてりが納まってから、スキンケア後は乳液などが肌に馴染むのを待つか、ティッシュオフして余分な油分を取り除いてベビーパウダーをつけましょう。
重ね塗りしない
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夜寝る前に体にベビーパウダーをつけて、朝も背中などにつける場合に、そのまま重ね塗りするとパウダーが毛穴に詰まった状態になってしまいます。シャワーを浴びるか、拭き取ってからつけましょう。顔の場合は、寝る前にパウダーをつけても、朝は洗顔するので問題ありませんが、メイク時にニキビや肌荒れを隠すためにパウダーを重ね塗りしてはいけません。
目安の量を守る
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再三お話していますが、ベビーパウダーは厚塗りしたから効果が高くなるというものではありません。厚塗りすると毛穴に詰まってしまい肌トラブルを招いてしまいます。しっかり汗や皮脂を吸収させたいのなら、薄く塗らなければなりません。目安の量は肌につけた時に、うっすらと白くなる程度です。ファンデーション代わりに使うからといっても、ベビーパウダーにはニキビや肌荒れを隠すためのものではありません。パフを使ってパウダーをつける場合、さっと撫でるようにつけるのが一番良いのですが、どうしても気になるのであれば、パフを押さえるように付けましょう。肌荒れを隠すことはできませんが、厚塗りよりは良い方法です。
まとめ
SNSなどには色々な情報が錯乱しています。中には間違った使い方が沢山書かれているのが現状です。試してみる際はどの情報が正しいのか、見極めた上でにしましょう。
ニキビにベビーパウダーは有効ではない、というのが皮膚科医の見解です。