そもそもボールペンのインクはなぜ出なくなる?
まず、ボールペンの仕組みと構造について簡単にご説明します。
引用: https://www.mpuni.co.jp/images/customer/img_customer_ans_11_01.gif
ボールペンは、ペン先にチップと呼ばれる高精度の小さなボールが埋め込まれているペンです。ボールを紙の上で回転させるとインクが隙間からにじみ出てきて、文字を書くことができます。
インクがかすれる原因①ボールの破損
インクがあるのに文字がかすれる、薄い原因のひとつが、先端のボールの破損、変形です。ボールペンで何かを突き刺したり、穴をあけたりするするとボールが傷み、うまく回転しません、そうすると文字がかすれる、薄い、まったく書けないなどの原因になります。
また、破損ではないですが、ボールの隙間にミクロの紙くずが入り込んでも、かすれや薄い文字の原因になります。
インクがかすれる原因②空気
空気もかすれや薄い文字の原因になります。ペン先から空気が逆流して入り込んだ、また、お尻の部分が密封されてしまって空気が芯のなかに入ってこなくなった、などもインクの流れを阻害するので書けなくなる原因です。
ペンを天井に向けて書いたり、ペン先を上に向けて保存すると、ペン先から空気が逆流しやすくなります。
インクがかすれる原因③インクが固まる
インクが古くなってくると、溶剤が蒸発して固まりやすくなります。ただ最近の製品は、そういうことが起きないように改良されているので、減ってきているようです。
ボールペンのインクが出ないときの対処法①ティッシュ
では、インクがかすれたときの対処法を紹介していきます。まずはティッシュの上で書く、という方法です。
ティッシュを四つ折りにして、その上でゆっくり10秒ほど線を引いてください。それだけでボールペンが復活することがあります。
理由はよくわかりませんが、ボールの隙間に詰まった紙屑を取り除く効果があるのではないかと思われます。ティッシュとの摩擦熱という人もいます。摩擦「熱」ではないですが、ティッシュは普通の紙よりは摩擦が大きいので、ボールがより回転しやすくなるからかもしれません。
絶対に復活する!とは言えませんが、手短なものですぐにできることなんで、インクがかすれたら、まず試してみるといんじゃないでしょうか。
ボールペンのインクが出ないときの対処法②ライター
油性インクが固まったとき、よくやる技が「ライターでペン先を炙る」じゃないかと思います。確かに油は熱で溶けますので、理屈は通ってますね。
ただ、ライターを持ってない人も多いですし、やりすぎると熱でボールペンそのものが変形したりしかねません。また、インクをさらさらに保つ溶液が蒸発してしまっているなら、一時的に字が書けるようになっても、根本的に復活することはなさそうです。
また、メーカーによっては、熱でペンが復活することは少ないと説明しているところもあります。
書けなくなったペンの先端を「火であぶったり、お湯につけると再び書ける」というお話を聞きますが、現在の製品では、復帰できることは少ないと考えます。油性ボールペンの先端のインクが乾燥して固まり書けなくなった時、このインクを温めて柔らかくすると復帰することがあるため、そのように言われていたようです。 現在の製品の多くは、ペンの先端でインクが固まらないように、インクの改良を行ったり、下のイラストのように書かない時はスプリングがボールを押すことでペンの先端にフタをし乾燥を防ぐような工夫をしています。そのため「ペンの先端のインクが乾燥して固まり書けなくなる」不具合は減少しています。
ボールペンのインクが出ないときの対処法③遠心力
ボールペンに空気が入ってしまっていた場合は、昔の体温計みたいに振るのもいいでしょう。遠心力でペン先にインクを送り込むのです。
た、この方法が効くのは、空気が原因となってるときだけです。空気以外が原因のときは効果はありません。ただ、すぐにできる方法なので、試す価値はあるでしょう。
ボールペンのインクが出ないときの対処法・まとめ
いかがでしたか? インクがかすれたとき、「これさえやれば絶対に復活する」という方法はありません。原因がさまざまだからです。しかし、ボールペンで物を突き刺さないとか、正しく保管する、長期間放置しない、など基本的な事柄を守れば、そもそもかすれたりも字が薄くなったりすることはなさそうです。
いざというとき使えないと困るのがボールペン。普段から大切に使いましょう。
三菱Uni お客様相談室