「あれは874！」とわかるディッキーズの大定番が、ディッキーズ874。一見カジュアルライクで骨のある男くささが特徴の874モデル、実はドレッシーにも着こなせる優れものなのです。そんな男は黙って1本ディッキーズ、な874の魅力を今回は徹底的に追いましょう！

ワークパンツと気軽に呼んでいますが、きっちりファッションを押さえたかったら基本知識から読み解く必要があります。ワークとはご存知の通り「仕事、作業」の意味。もともとはその作業時専用のパンツのこと。肉体労働を視野に入れているので、生地はしっかり丈夫である程度の厚みがあり、怪我やを避けるような素材になっています。また、生地にある程度の柔軟性があり、様々な動作の邪魔をしないような着心地も重要です。汚れてもざぶざぶと豪快に洗え、その繰り返しに耐えうる耐性も兼ね備えていることが求められます。

カラーについても作業時の汚れが目ちにくいようなモノトーンのダークカラーが主流。ファッションにおいてモード界で広まるようになってからは、見た目も重要なポイントになるのでヴィヴィッドなカラーであったり、カモフラージュ柄をプリントすることも多くなっています。ちなみにカーゴパンツやチノパン、ペインターパンツ、オーバーオールなどもワークパンツの枠に入るものです。

世界で一番有名なワークパンツと言っても過言ではないのが、ディッキーズのワークパンツ。生産国であるアメリカを筆頭に、世界100カ国以上で販売され、ユーザーに愛されている、まさに「マスターピース」と言えるでしょう。 美しいシルエットと高い耐久性を備えて価格は数千円前後のリーズナブルさなので、他のパンツブランドの追随を許さないのは必然とも言えます。

素材はポリエステル65%、コットン35%で配合した「TC」と表記されるものです。触れば風合いがよく分かりますが、十分にハリがあり、大変固いものです。そのために強度が大変高く、毎日ヘビーユーズして履きこんでも全然布地がくたびれてきません。型崩れもほとんどないと言っていいでしょう。もちろん家庭での洗濯が可能な簡便さ。撥水性も高く、低コスト素材使用のために破格な安さで提供できるハイクオリティーなのです。

元々は軍服として開発され、その後ワークウェアとして発売が始まって広まったという歴史があるディッキーズ。「頑丈で汚れにくく、かつ汚れても落ちやすい」という機能性が、創業当時は多かった現場作業や肉体労働を主とするブルーワーカーたちの支持は多かったのは当然のことでしょう。時代は下って90年代に入るとストリートカルチャーとしての注目ブランドになってきました。腰穿きしたディッキーズにVANSスニーカーSKｰ8、というスタイルは、当時のスケーターの定番コスチュームと言っても過言はないでしょう。

この90年代の着こなしイメージが根強いためか、未だにカジュアル系リーズナブルブランドというイメージが根強く抱かれている部分も多いのですが、実はきれいめモードスタイルなどにもしっかりハマります。事実、モードブランドがディッキーズに別注をかけている例も多々あるのです。

ディッキーズの代表モデルが、ディッキーズ874です。「ディッキーズ？持ってる持ってる！」と言う人のおよそ8割以上が874ではないでしょうか？センターにプレス（折り）をつけたスラックスのようなデザインが最大のポイント。そしてスラックスのようなエレガント感がプラスされ、ワークパンツの範疇を超えた様々な着こなしが可能となるわけです。スラックスや黒スキニーは男女問わず、よほど脚のラインが美しくないと着こなしが難しいものですが、太目で体のラインが強調されず、頑丈で長く愛用することができるという、黒スキニーやスラックスの欠点をカバーするメリットを持ちつつ、スラックスのような上品感を持った874はまさに理想のパンツです。

メンズファッションで一番大事な要素として、「ドレスとカジュアルのバランス」というものがあります。ベイビーフェイス気味のタイプが多く、胴の長さと足の長さのバランスが非対称という特徴を持った日本人体形をカバーしてお洒落に演出するためには、スーツを基本とするたドレッシースタイル要素、たとえば白シャツやスラックススタイルなどを7割、ジーパンにスニーカーというカジュアルスタイル要素を3割の、7対3の比率でコーディネートすると綺麗に見える、というものです。このバランスはアイテム単体でも言えることです。例にとると黒スキニーは細身で黒というドレッシー要素に、5ポケットというデニムと同じカジュアルスタイル要素が7:3で組み合わさったハイブリッドなアイテムと変身するのです。

カジュアルとはつまりスーツスタイルでは使わないラフなもの、ということです。その観点で考えると、このディッキーズの874はチノ素材で無骨なシルエットになるため、スーツスタイルでは使わないカジュアルアイテムとなります。しかしながらこの874にもドレッシースタイル要素は含まれているのです。それは前述もしましたが、センタークリース（ズボンの真ん中にある折れ目のこと）の部分のこと。これは通常のチノパンにはないもので、スラックスによく見られるディティールです。この折れ目があることでドレッシースタイル要素がプラスとなるわけです。さらに自分で1回、裾をロールアップするとダブル仕上げのような見え方になります。これもスラックスでよくする裾仕上げですよね。これらのポイントによってグッと大人のセクシーさが出てきます。

どんなパンツ選びでも、一番困るのがサイズ選びですよね。ディッキーズ874に関して言えば、必ずジャストサイズを買うことが重要です。チノ素材で無骨感あるシルエット、というだけでカジュアルが強いため、これでオーバーサイズをチョイスしてしまうとお洒落なコーディネートとしては成り立ちづらくなってしまうのです。先にお話ししたセンタークリースとロールアップという見せ方技を使っても依然カジュアル感は強いもの。そこで、ドレッシー要素としてもう一つ、ジャストサイズというポイントを加える必要が出てくるのです。スーツはジャストの細身で着るもの、874もジャストサイズにすることでドレス感が際立ちます。ちなみにロールアップはクッションが出ないようにすること。ダブルのスーツ仕様に似せることでスマートな雰囲気になりますよ。

次に小物アイテムとして、革靴や帽子を可能な限りコーディネートに取り入れるとさらにシックになります。874オンリーでは黒スキニーに匹敵するとは言えど、カジュアル寄りのアイテムであることは否めません。そのためドレスアイテムを取り入れることで、ファッションアイディアの幅が広がります。使いやすさが増します。スニーカーにこだわりたい派ならば、シンプルな白シャツやジャケットなどと合わせるとスマートです。カラーについては、お好みのものが一番ですが、ドレスライクなシーンも考慮するならブラックがおすすめ。チノらしさにはやはりベージュでしょう。

ベレー帽や半袖シャツなどできれいめシックにまとめたコーディネートも、ディッキーズのストレートシルエットをプラスすることで、男らしい小粋さが出てきます。トップスのインナーには白Tシャツで爽やかさも足して。

Tシャツのプリントとボストンバッグをカモフラージュ柄で揃え、残りをモノトーンでまとめたハイセンス。全体的に爽やかな色気漂う着こなしは、874のマスキュランなストレートシルエットのおかげです。

ベージュカラーとシャツのダブルカラー使いが程よく引き立てあい、抜け感あるカラーコーデとなっています。全体的にストレートなラインが清潔感溢れる仕上がりに。

ベージュにポイントでグリーンを足した美しいカーキカラーは、濃いネイビーのTシャツと好相性！トップスにジャストサイズを持ってくることで、上下のシルエットバランスが完璧に。

渋い表情が魅力の874を、スモーキーピンクのコーチジャケットで柔らかくダウンさせた技が光るコーディネート。ローテクスニーカーとのアンサンブルで軽快にまとめています。

購入してすぐさまこなれ感が出るのが874モデルの魅力。愛用するほど生地に“らしさ”が現れていく経年変化は男心をくすぐります。しかしそこまで行き着くには、時間が必要であるという事実。そこでおすすめなのが進化したニューモデルたちです。ダメージ加工が施されていたり、すでに着込んだ表情が施されたりと、購入直後からこなれたディッキーズを楽しむことができるものも展開されていますよ。

洗練されたシルエットで大人顔なのがポイント。武骨な874のシルエットの大ファンという人も、きれいめディッキーズを1本持っておく価値は十分にあります。

デザイン性が向上し旬顔もラインナップに上がりました。デザインディテールが変更されたことも、進化したニューラインのパンツの特徴。わかりやすいのは、パンツの裾がリブ仕様に変更されたこちらのモデル。旬のスポーティーな気分を、パンツ一本で味わうことが可能です。

男くささが溢れる874とは反対に、洗練されたシルエットが印象的なスキニーパンツです。もっとも細い部類の形ながらも、伸縮性のある素材仕様でコンフォートは抜群。脚をきれいに見せるパンツを探している方は、こちらのモデルも是非視野に入れてみましょう。

深めの股上ながらも裾に向かってテーパードされていることで、シルエットが細身に進化。ポリウレタン配合のストレッチ性が高い生地を採用しているところも現代的な仕様です。

同ブランドの定番素材であるTCツイルを採用し、ひざ部分の切り替えのおかげで、大変動きやすいパンツに仕上がっています。裾にリブが付けられているジョガーパンツルックスはまさに今流行り。カジュアルからきれいめまで、あらゆるシーンの着こなしに大活躍する1本です。

コットン65％、ポリエステル35％の素材を採用したラスティーシリーズより展開されているペインターパンツ。スタンダードなペインターパンツのデザインながら、ワーク的な色合いが控えられたシルエットなので、トップス合わせに苦労がない1本となっています。

体の大きい人は特に、国内ブランドではこなれ感とサイズ選びのバランスに苦労するものですが、ディッキーズならばすんなりと、自分にあった1本が選ぶことができるのが魅力。普通のジーンズ生地などではすぐに股の部分が破れてしまう・・・といった悩みを抱えていた人も、ディッキーズのワークパンツならばそのあたりの下手なジーンズよりよほど丈夫な素材感で、一番しっかりして持つと太鼓判を押すくらいです。デザインはシンプルで、カラーバリエーションが豊富なため、色んなタイプの洋服と合わせやすいですし、股下を選べるので裾上げの面倒もありません。さすがワークパンツなので、雨の日も水を弾き、アウトドアにもピッタリ。実用性とファッション性を兼ねた丈夫なズボンをお探しの方には、超おすすめのワークパンツです。