【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】サイズ表記の謎
洋服を買うとき、Ｓ、Ｍ、Ｌしか見ずに買うと失敗することってありませんか？ ちょうどいいはずなのに、ちょっと大きかったり小さかったり。それでも普通のお店なら試着するか、せめて自分の体に当ててだいたいの大きさを測ることができますが、ネットで服を買うとなるとそうはいかないですよね。
ほとんどの通販サイトにはサイズ表というのが載ってますが、いまいちわかりづらいということが多いです。そんなとき参考にしてほしいのが着丈や身丈なんですが、これがまたややこしいですよね。丈なんだからタテの長さということはわかるんだけど、一体どう違うんでしょうか？
ユニクロなどでは商品によって身丈と着丈を使いわけたりしています。それで余計に混乱してしまうのですが、では、以下の項で着丈と身丈の具体的な違いをご説明していきます。
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】身丈とは？
まずは身丈です。身丈とはJIS（日本工業規格）ではこう定義されています。
■サイドネックポイントに相当する位置からへムラインまでの長さ（コートや上着、ワンピースなど）
■シャツのサイドネックポイントからすそ線までの長さ。又は、ズボン下、パンツなどの腰天からすそ線までの長さ（肌着など）
ということです。ただ、文字で書いても何のことやらわからないと思いますので図にすると下図のようになります。
引用: https://sewingschool.hapimade.com/wp/wp-content/uploads/2017/10/kitake02.jpg
身丈とは、丈は丈のことなので裾までの長さなんですが、測り始めの位置が違うんですね。身丈は襟の淵のトップの位置からまっすぐ裾まで下ろした線の長さです。測るのは洋服の前の部分。肩の位置から腰の位置までなので、身丈とは文字通り「身」の「丈」なんですね。
余談ですが、そもそも丈という漢字自体が星人男性の身長、およそ1.8ｍを表す意味がありました。大丈夫とはそもそも立派な成人男性のこと。立派で頼りになるから、心配が要らないことを「大丈夫」っていうようになったんですね。
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】着丈とは？
さて、一方の着丈は上衣の背中側で測る丈です。襟の一番下の部分（通常は真ん中の位置）から裾までの長さを表します。
これは身長をというよりも、純粋に服のサイズですね。したがって通常は着丈はちょっとだけ身丈よりも短くなります。
引用: https://sewingschool.hapimade.com/wp/wp-content/uploads/2017/10/kitake03.jpg
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】結局どう違うの？
そもそもなんでこんなややこしいものが二つもあるんでしょうか？ まず、洋裁には身丈という言葉がありませんでした。洋服を作る際に使うのは着丈だけだったんですね。
身丈は元来、和裁で使う言葉なんです。和裁では身丈とはほぼ身長のこと。一方着丈は首の付け根からくるぶしまでの長さのことです。
和裁でしか使われなかった身丈という概念が洋裁にも取り入れられ、しかもオリジナルの和裁のそれとは違う定義が与えられたため、こんにちのようにわかりにくくなったようです。
洋裁で着丈と身丈のふたつ使い分ける理由は、前と後ろをそれぞれデザインするときに必要だからのようです。そもそもは洋服を作る人のための言葉がサイズを表すときにも使われた、というのが真相のようです。
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】キャミソールはどう測る？
もう1回おさらいすると、身丈とは襟の淵、通常一番高くなってる位置から裾までの長さで、上衣の前面で測ります。一方着丈は、襟の後ろの中心の位置から裾までの長さでした。これでTシャツでもワイシャツでも上衣は測れるのですが、ややこしいのがキャミソールです。
キャミソールはご存知のように、筒を2本の紐で吊るしたほうな形をしてますね。キャミソールにも身丈や着丈はあるんでしょうか？
キャミソールの場合、身丈はほかの上衣と同じで、肩ひもの一番上から裾までの長さを指します。全部の長さでもあるので総丈ともいいます。一方着丈はほかの上衣と同じように襟の後ろの中央から裾までの長さなのですが、アパレルメーカーやお店によっては「後身頃（うしろみごろ）」と呼んだりします。もともと後身頃とは、着物の後ろ面のいことなんですが、キャミソールはこういう呼び方をする場合がるようです。
ややこしいと言えばややこしいですが、キャミソールを買うときに後身頃（着丈）まで気にする人ってあまりいなさそうだから、そんなに混乱は起きないのでしょうね。
引用: https://sewingschool.hapimade.com/wp/wp-content/uploads/2017/10/kitake01.jpg
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】身幅と肩幅の違いは？
身丈と着丈の違いについて分かったところで、ついでにほかのサイズの測り方もご紹介します。身丈と着丈はタテの長さでしたが、当然洋服には横の長さに関する測り方もあります。
横の長さも2種類あって、それが身幅と肩幅です。
肩幅は文字通り方の幅なので、両肩の部分の一番端から端、最も広い部分です。一方身幅は脇の下と脇の下を結んだ長さのことです。Tシャツのような一定幅のズドンとした筒状の服なら身幅も肩幅もあまり差はありませんが、一部のドレスシャツのようにX型にウエストが細くなっているシャツやコートなら違いが出てきます。ちなみに、身幅を単純に2倍にすると胸囲になります。
なお、サイドにタックやギャザーがついている服の場合、身幅は思いっきり伸ばした時の長さになります。
引用: https://www.t-fashion.jp/mall/sizeguide/1.gif
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】ズボンの測り方
Tシャツなどの上衣をネットで買うとき、Ｓ、Ｍ、Ｌだけでは分かりにくいときは、上で説明した着丈、身丈、肩幅、身幅を参考にしていただければいいのですが、ではズボンを買うときはどうしたらいいのでしょうか？
ズボンのサイズは簡単でシンプルです。ウエスト、股下、総丈、腿幅のくらいわかれば、だいたいなんとかなります。ウエストはファスナーやボタンを閉め、後身頃の長さを測り、2倍したものです。股下は前身頃のウエスト上端から股部分の縫固までの長さ。腿丈は股部分の縫目が交差する部分からもも辺りの外側まで、ウエストと平行になるように測った長さです。総丈はパンツ全体の長さです。
引用: http://twa-001.serio.jp/img/size02.jpg
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】オーバーオールの測り方
引用: https://c.imgz.jp/836/32767836/32767836B_16_D_500.jpg
上衣とズボンのサイズの測り方が分かったところで、さらにややこしいオーバーオールの測り方について解説します。
オーバーオールは、まず肩紐の一番上から裾までの長さが全長です。ウエストは前身頃の腰の両端どうしの長さを2倍にしたものです。股下は前身頃の股部分の縫目が交差する部分から裾下までの長さ。腿幅は股部分の縫目が交差する部分からもも辺りの外側までの長さで、ウエストと平行に測ります。
このほかにも裾幅やヒップなどの長さもありますが、自分で洋裁で作る人以外はあまり関係ないと思われます。おそもそもオーバーオールって、ちょっとダボっとしていて、ルーズなサイズ感ですからね。あまり体に完全にフィットしたオーバーオールを買う人はいないでしょう。
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】ヌード寸法って？
最後に、洋服を買うときよく目にするヌード寸法について。ヌード寸法とは、要するに人間の体の寸法のことです。
引用: https://im.uniqlo.com/images/jp/pc/img/sizeimg/img_nudesize_01.jpg
首回り、胸囲（女性ならバスト）、ウエスト、股下、裄丈（ゆきたけ）、着丈、肩幅、女性ならヒップなどを測ります。
引用: https://im.uniqlo.com/images/jp/pc/img/sizeimg/img_nudesize_02.jpg
【着丈と身丈の違いとは？簡単な測り方】まとめ
いかがでしたか？ ネットで洋服を買うことが増えてきた昨今、着丈と身丈の違いは知っておきたいですよね。もっともＺＯＺＯタウンでしたら、ＺＯＺＯスーツというのを着てアプリで測定したら、かなり正確にサイズがわかるそうですよ。ほかのショップでもこういうのが広まると便利ですよね。
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