【3月のライオン】タイトルの意味
3月のライオンってどんな漫画?
今では知らない人はいないほど有名になり、実写映画まで公開されている『3月のライオン』。しかし筆者が『3月のライオン』というタイトルを初めて耳にしたときは「何かのバトル漫画かな?」と思うほどとてもインパクトのあるタイトルでした。タイトルは知ってるけれど将棋が題材の作品だと知らない、という人は今も多いのではないでしょうか。
『3月のライオン』というタイトル
そんな『3月のライオン』というタイトルに込められた意味はさらに想像し難いものです。なぜ3月なのか、なぜライオンなのか、なぜ「3月」のライオンなのか。たくさんのなぜでいっぱいでした。タイトルの由来として読者に噂されているのは同盟映画の影響、ことわざ、将棋に関連することなどがあります。様々な方面から『3月のライオン』のタイトルに込められた意味が考察されていますが、今回は『3月のライオン』のタイトルの意味を徹底的に考えてまとめてみました!
【3月のライオン】タイトルの意味といわれているものは?
『3月のライオン』のタイトルの意味といわれているものは、大きく分けて同名映画の影響、イギリスのことわざ、将棋関連と3つあるといわれています。それぞれどんな意味を持ち、なぜタイトルの由来となったのでしょうか?一つずつまとめたので是非ご覧になってみて下さい。
【3月のライオン】同名映画『三月のライオン』がタイトルの意味に関係しているのはなぜ?
映画『三月のライオン』は1996年10月に公開された矢崎仁司監督の日本の映画です。
漫画『3月のライオン」の原作者である羽海野チカさんは「映画は観てないんですが、そのポスターが好きだったんですね、すごく。おかっぱの女の子が食べかけのアイスをくわえているポスターで、その表情がまたすごくよかったんですよ。それでその映画は観てないんですが、タイトルは頭に残っていて、イギリスのことわざなんですよね、これ。3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る。物語がつくれそうな言葉だなとずっと思っていたタイトルです」とコメントしており、同名映画『三月のライオン』がタイトルに由来していると公言しています。
【3月のライオン】タイトルの由来はことわざ?
引用: https://www.instagram.com/p/Bb_5OlTguWT/?tagged=3%E6%9C%88%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3
『3月のライオン』のタイトルの意味ではないかといわれている2つめはことわざです。サブタイトルにも使われている英文はイギリスのことわざが一部分使用されています。
イギリスの春のことわざ
サブタイトルの『March comes in like a lion』の大元は、イギリスのことわざである『March comes in like a lion and goes out like a lamb』が大元で、この前半部分をとったものになります。このことわざの意味は「荒々しい天候から徐々に穏やかな天候になる3月の天気』という意味です。
【3月のライオン】タイトルの由来となったサブタイトル「March comes in like a lion」の意味とは
漫画『3月のライオン』のタイトルの下に『March comes in like a lion』というサブタイトルが描かれています。この英文を日本語に直すと「3月はライオンのようにやってくる」という文章になります。
これは3月の降級戦のことをさしているのではないかと考えられますね。順位戦は6月から毎月1局ずつ、3月までかけて行われます。そして3月の最終局に昇級・降級をかける棋士たちはライオンになるという意味が込められているのではないでしょうか。
【3月のライオン】なぜ”ライオン”?ライオンの由来は?
『3月のライオン』というタイトルは、ぱっと聞いただけでは意味が理解出来ないですが、さらになぜタイトルに動物の名前が出てくるのか疑問になります。この『ライオン』には2つの意味があるのではないかと考えられます。
動物のライオンのよう
上記で「騎士たちはライオンになる」と説明しましたが、なぜ『ライオン』になるのかを考察していきましょう。このライオンとはそのままの意味で、弱肉強食の王者であり絶対的な力で狩りに負けることのない動物のライオンそのものを例えとしているのではないかと考えられます。3月の最終局で棋士たちは負けるわけにはいかないですよね。なので棋士たちは『ライオン』になるのではないでしょうか。
ことわざに出てくるライオン
サブタイトルにもつけられタイトルの由来となるイギリスのことわざの前半部分は日本語で「3月はライオンのようにやってくる」となります。これは将棋界のことを例えていると考えられます。3月の最終局までの半年間で毎月順位戦はありますが、最終局はまるで猛スピードでサバンナを駆け巡るライオンのように、目まぐるしいスピードでやってくるということではないかと考えられます。
”ライオン”になったのはお父さん?
先程まとめた文章で説明した「ライオンになる」という言葉。これは零のお父さんにも当てはまります。お父さんは最終局で負けるわけにはいきませんでした。理由は零と絶対に将棋を指したかったから、経済的な問題の2つです。棋士は3月にライオンになりますが、それは『3月に死にもの狂いになって自分の人生をかけて戦う月』だからです。つまり、お父さんは上記の2つの理由から死にもの狂いとなり獲物を仕留める『ライオン』になったと言えます。
3月のライオンのあらすじのまとめ
漫画『3月のライオン』1~5巻のあらすじ
主人公桐山零は幼少期に両親を交通事故で亡くしている少年であり、父の友人で棋士の幸田の家に内弟子として引き取られ15歳でプロ棋士となりました。しかし幸田の実子との軋轢もり零は一人暮らしを始め、1年遅れたものの高校へと編入しましたが周囲に溶け込めず孤独、さらには将棋の対局でも不調が続いていました。
うまくいかない日々に停滞を感じていたある日、零は先輩棋士に連れられて酔いつぶれて倒れてしまします。そんな零を川本あかりが介抱してくれたことをきっかけに川本家と交流を持つようになった例は様々な人と関わり心境にも変化が生じていきます。
漫画『3月のライオン』の5巻~11巻のあらすじ
しばらくたったある日、零は川本家の次女であるひなたがいじめられていた子を庇い、ひなたもいじめの対象になってしまったことを知りました。幼い頃心の傷から救われた例は彼女を必ず守ると誓います。同じころ、新人王トーメンとで二階堂が倒れてしまいます。二階堂が重い病を隠して将棋を指し続けていたことを知った零は千日手に持ち込み二階堂を棄権に追い込んだ山崎を破り新人王になりました。
まとめ
人間関係が希薄だった零が人間として成長していく、そんな切なくて痛々しくて、でもどこか愛おしいストーリーである『3月のライオン』。様々な人間が何かを取り戻していく、優しい物語です。「自分を大切にしてくれ!」「潔いのと投げやりなのは似ているようで違うんだ!」などか数々の名台詞が読者の心を震わせ、気が付けば視界が涙でいっぱいになります。
3月のライオンのタイトルの意味に込められた想い
本作の原作者である羽海野チカさんは、様々な人間が成長するこの優しいストーリー自体を『3月のライオン』に見立てているのではないでしょうか。例えば人間関係が希薄だった主人公が守りたいもの、譲れないもののために必死になる姿をライオンとし終局でその思いをぶつける場を3月としたのではないかと思います。
『3月のライオン』まだまだあります!
『3月のライオン』の原作は漫画作品ですが、2016年にはアニメ版が公開されています。さらにアニメで更に人気となり2017年に第2シーズンも放送されました。立体感や臨場感のあるアニメにBUMP Of CHICKENや米津玄師など大人気アーティストが歌うテーマソング乗せられてもう涙無では見られないですよ!
そして2017年3月には神木隆之介さん主演の実写映画版『3月のライオン』も公開されました!前編も後編の2部編成となっていましたが、興行収入は1億円を超えるヒット作となりました。
柔らかいタッチのイラストを描く羽海野チカ
引用: https://www.instagram.com/p/BbHYhi1HZad/?tagged=3%E6%9C%88%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3
今回は『3月のライオン』のタイトルの意味や由来についてまとめました。作者の羽海野チカさんの気持ちを考え、作品に触れてみるだけで心が温まりますね。柔らかなイラストで切なく力強い作品を生み出す羽海野チカさんの今後の作品もとても楽しみです。