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千と千尋の神隠し

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『千と千尋の神隠し』のカオナシの正体は?徹底解説!

2021.07.25

【千と千尋の神隠し】ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』で最も印象的なキャラクターと言えば、カオナシではないでしょうか。黒いマントを羽織っていて顔は仮面に隠されている、名前通り「カオナシ」の不気味で謎多き存在。『千と千尋の神隠し』きっての不思議キャラ、カオナシを徹底解説・考察します。

  1. 『千と千尋の神隠し』のカオナシっていったい何者なの?
  2. 『千と千尋の神隠し』でカオナシを演じた声優は?
  3. 『千と千尋の神隠し』で描かれるカオナシの正体は?【千と千尋の神隠し・考察】
  4. カオナシは千尋に試練を与える存在?【千と千尋の神隠し・考察】
  5. カオナシは悪魔?【千と千尋の神隠し・考察】
  6. カオナシは最初『千と千尋の神隠し』のモブキャラだった?
  7. カオナシと千尋が電車に乗るシーンの謎 【千と千尋の神隠し・考察】
  8. やがてカオナシは銭婆の元へ…【千と千尋の神隠し・考察】
  9. 『千と千尋の神隠し』のグッズの中でもカオナシは特にユニーク!
  10. 『千と千尋の神隠し』で特異な存在感を放つカオナシ
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2001年に公開され、日本の映画の中でいちばんのヒットを記録したジブリ作品の『千と千尋の神隠し』。ジブリ作品らしいファンタジックなストーリー展開と個性的なキャラクター達、そして知るほどに深いいくつかの謎が散りばめられた大変に魅力的で完成度の高いアニメ映画です。
この記事ではジブリアニメ『千と千尋の神隠し』の中で人気も高くまた謎の多い「カオナシ」というキャラクターについて詳しく考察。解説していきます。

『千と千尋の神隠し』のあらすじ

引越しを理由にこれまで通い慣れた学校を去ることになった主人公の千尋。千尋は父と母と三人で車で移動の途中、前の学校の友達を思い出しぼやいています。車はトンネルに差し掛かり、そこを超えると不気味な廃墟に着きました。廃墟の中の店でごちそうを目にした父と母は、それらを食べた罪で豚に変えられてしまいました。
千尋はハクという少年と出会い、この場所がどういうところなのか聞きます。それから彼女はハクの言う通り仕事を探し、油屋で働くことになりました。油屋は、湯屋で湯婆婆という年配の女性が経営しており、ハクによると彼女に本名を知られると名前を取られてしまうのだと言います。

『千と千尋の神隠し』のカオナシとは?

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不思議の国で仕事を見つけた千尋は、ある日橋の上で黒いマントを羽織ったような恰好をした者に出会います。それは「カオナシ」で、顔は仮面のようなものに隠されており、表情は全くわかりません。後日カオナシは千の働く油屋を訪れ、親切にしてくれる千を慕い取り込もうとするのです。
カオナシは、欲望を感じたものを自分の中に飲み込むことができ、その者の言葉を奪って会話をするという謎の化け物でした。後日店の近くに現れたカオナシを、そうとは知らず千は客として扱います。油屋に招き入れられたカオナシは、千の気を惹こうと大量の金を作り出します。

カオナシの声って?

謎に包まれた不思議な化け物・カオナシは、常に「あ…」などの音しか発しません。カオナシは、自分では言葉を持たないようですが、自分の中に取り込んだ物の言葉を借りて、自由に会話ができるという能力を持ちます。
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自分で言葉を発することができないカオナシですが、そんなキャラクターの声を担当した声優は一体誰なのでしょうか。カオナシの声優は中村彰男で、『千と千尋の神隠し』以外にも『もののけ姫』でジブリアニメの声優を務めています。普段からアニメで活躍している生粋の声優はあまり起用されないと知られているジブリ作品ですが、彼もまた普段は舞台で活躍する俳優です。

土を金に変える、カオナシの奇妙な力

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油屋は、様々な神様が疲れを取りにやってくる湯屋です。化け者の自分を他の神様と同じように客として扱ってくれた千に特別な感情を抱き慕うカオナシは、自分の能力をフル稼働させて千の気を惹こうとします。最初は浴槽の掃除が楽になる「薬湯の札」、次は大量の金というふうにあの手この手で千を自分の中に取り込もうとします。
しかし、カオナシが出した大量の金は実はただの土でした。彼は土を金に換える力があるようです。そんな彼の能力を目の当たりにしても千は少しもなびきませんでした。しかし、油屋で働く他の従業員たちはニセの金に目がくらみ、カオナシの元に我先にと集まってきます。

他人の欲を飲み込むカオナシ

カオナシが油屋でひと暴れしたのは、千を自分の中に取り込みたい、その一心の行動です。カオナシは欲望を感じたものを自分の中に取り込み、その者の持っているものすべてを支配できるのです。千の気を惹くためにさまざまな物を出すカオナシでしたが、結局彼女はなびかず、代わりに金に群がる油屋の従業員たちが次々に飲み込まれることとなりました。

人間の心の奥の欲望の象徴?

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その風貌からして不気味な存在のカオナシですが、行動もまた不気味で衝撃的です。ジブリアニメでは、それぞれの登場キャラクターが何かの象徴であったり、現実世界の暗喩であったりします。では、このカオナシの存在は何の象徴なのか考察していきたいと思います。
カオナシは土を金に換え、その手から大量に出し千尋の気を惹こうとしますが、千尋はお金に興味を持ちませんでした。カオナシに取り込まれると、元の世界に変えることはできず、金の亡者として過ごしていくしか方法はないのです。そのようなことから、カオナシは人間の心に中にある欲望の象徴であることが考えられます。
また、さみしい、さみしいと仕切りに口にするカオナシは人の心の孤独や渇望を表しているとも言えるでしょう。彼と同じように孤独や渇望を抱えそれに負けてしまった者たちは、次々と彼の中に取り込まれてしまうのですから。
豚に変えられてしまった両親を救い、自分も現実の世界に戻るため千尋は一人で必死で働きます。不思議の国で千尋はどんどん成長し大人になっていくのです。そんな千尋の前に現れたカオナシは、千尋を取り込もうといろいろな物を手から出し彼女を誘惑します。
その誘惑に負けてしまえばたちまち千尋はカオナシの中に取り込まれ、二度と現実世界に戻ることはできなくなります。現実でも、人が大人になるためにはさまざまな試練がつきまとい、それを乗り越えることが必要です。カオナシは、千尋が成長していく上で避けて通れない試練を与える存在なのかもしれません。
千尋を金で誘惑し自分の中に取り込もうとするカオナシは、宗教の世界で言うところの人々を誘惑し成長を阻害させる悪魔のようだという見方もあります。また、キリストなどの開祖たちも悟りを開く過程で悪魔に誘惑され、その誘惑に打ち勝ってきました。
千尋がカオナシの誘惑に負けてしまっていたら、彼女は二度と両親に合うことも現実世界に戻ることも、大人になることもできなくなるところでした。そう考えるとやっぱりカオナシは悪魔だったのでしょうか。
アニメ『千と千尋の神隠し』と言えばカオナシ、と言ってもいいくらいとにかく印象の強いキャラクターですが、実はアニメの製作途中までカオナシはただのモブキャラでした。アニメの中で最初に登場するのは、ハクと千尋が橋の上を渡る時に二人とすれ違うシーンですが、そのようにただ通り過ぎるだけのその他大勢のキャラだったようです。
しかし、アニメ映画『千と千尋の神隠し』を撮った宮崎駿監督は、当初のストーリーやキャラ設定では時間に全く収まらないため、カオナシをメインキャラクターに持ってくることにしました。千尋の働く油屋で大暴れし、千尋を慕い近づこうとする化け物という不思議で物語の展開に大きな影響を与えるキャラクターとなったのです。
オクサレ様という神様からもらった「ニガダンゴ」を食べさせると、これまで飲み込んだ油屋の従業員たちを吐き出したカオナシ。その後彼は元の大人しい性格に戻り、千尋と一緒に行動を共にするようになります。千尋にこの世界のことを教えてくれた少年・ハクを救うため、カオナシと一緒に銭婆の元を訪れます。
カオナシと千尋は電車に乗り、銭婆の家を目指します。銭婆の家があるのは、油屋から六つ目の駅の「沼の底」駅です。途中二人の乗る電車には何人かの人間が乗り合わせました。カオナシと同じように体の半分が透けている乗客たちは誰もしゃべらずとても不気味な雰囲気です。
自分の意志に反して社会のしくみのなかに取り込まれていくことを敷かれたレールを歩むと表現されることがありますが、この電車のシーンはまさにその様子を表していると言えます。電車の中の乗客たちは皆同じ駅で降りていきますが、その行動からは目的や意志などは感じられません。
彼らもまた現実世界の人と同じように自分の意志に反して社会に取り込まれ、敷かれたレールの上を歩かされているだけなので、カオナシと同じように半透明で顔がないのでしょう。一方千尋は、ハクのために銭婆に会うというしっかりとした目的を持っているので、同じ電車に乗っても彼らのように半透明になどなりはしませんでした。
ハクは銭婆の大切な印鑑を盗んでいました。千尋は龍の姿になったハクに印鑑を吐き出させると銭婆にそれを返すためカオナシたちと一緒に彼女の家に向かったのです。銭婆は湯婆婆とは姉妹で見た目はそっくりですが、性格は正反対です。金の亡者で従業員たちを支配しようとする湯婆婆とは違い、銭婆は豊かな財力はあっても優しく包容力があり強い心を持っています。
そんな彼女に影響されてか、千尋もカオナシも変わっていきます。銭婆の家で仕事や居場所を与えられ、これまでの姿が嘘のように素直になるカオナシ。行き場を失い、顔を失い、孤独感に苛まされ欲望の固まりとなって暴走していたカオナシが自分の居場所を与えられたことにより、成長していったのです。
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千尋はハクと湯婆婆の元へ戻ることになりますが、銭婆は自分の元にカオナシだけ留まらせます。金や欲に負けない強い心を持った銭婆の元が自分の居場所になれば、カオナシが暴走することはきっと二度とないでしょう。
ジブリアニメの登場キャラクターにはかわいらしいグッズがたくさん発売されています。『千と千尋の神隠し』は人気キャラクターも多いため、そのラインナップもバラエティ豊か。中でもカオナシのグッズはユニークで個性的なものがそろっています。

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自らが作り出した金に群がる油屋の人間たちを飲み込むカオナシを再現しているかのようなユニークな貯金箱です。カオナシが持っている赤い杯に小銭を入れると、なんとムシャムシャと食べてしまうのです。お金を食べるカオナシの姿を見たくて、自然とお金が貯まってしまいそうなグッズですね。

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メルヘンな雰囲気のあるカンテラとカオナシがセットになったぬいぐるみも発売されています。カオナシの持つ不思議な雰囲気がカンテラによってさらに強調されるという、とても魅力的な組み合わせ。カオナシグッズが何か欲しかったという方はぜひチェックしてみてください。
ジブリ作品の中で最大のヒット作ともなった『千と千尋の神隠し』にはユニークで個性的なキャラクターがたくさん登場します。その中でもひと際異様な雰囲気を放っているのがカオナシです。彼は最後までその正体が分からず謎多き存在ですが、ストーリーの鍵を握っている重要なキャラクターでもあります。
そんなカオナシのことを詳しく知れば、アニメ『千と千尋の神隠し』の世界にさらに深く浸れることでしょう。
サムネイル画像は下記より引用しました。
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