電気ブランのおすすめの飲み方:浅草発祥!名前の由来
ホッピー、ホイスなどとならび、電気ブランは昭和の懐かしいオーラをまとったお酒です。なぜ、電気ブランと言うのでしょうか。
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電気ブラン=流行りの・モダンなブランデー!?
電気ブランが誕生したのは明治時代。現在も浅草で営業している「神谷バー」の創業者神谷伝兵衛が考案し、販売しはじめたアルコール飲料です。当時は「電気」自体がめずらしく、電気○○といえば、どこか「最新式の」とか「モダンな」などポジティブな意味をもっていましたから、これにあやかって「電気」とつけたと言われています。
また、電気ブランのブランはブランデーのこと。もっとも、ブランデーベースのアルコール飲料とはいえ、厳密にはブランデーと明記できないため、後に「ブラン」に直したといいます。
電気ブランのおすすめの飲み方:どんな味?
当時の電気ブランはアルコール度数45度と高く、飲むと口のなかがかなりしびれたとか。これが電気ブランの名前のイメージとぴったりで、大ヒットの理由のひとつとなったと言われています。
30度と40度飲み比べ
「デンキブラン」は甘味が強いのが特徴。カクテルに近いといえるでしょう。ブランデーをすごく甘くしたものと表現する人もいますが、飲みやすさで選ぶなら30度がおすすめです。
一方、「電気ブラン オールド」は甘いより「しびれる」と表現されることが多く、アルコール度数の高さもあってはじめて飲む人には刺激が強いといわれます。
オリジナルの電気ブランの味を求めるなら40度を購入するのがおすすめ。ブランデーベースにベルモット、ジン、キュラソー、ワインを入れたカクテルはほぼ昔のままですよ!
なお、合同酒精から販売されている電気ブランはどちらも名称は同じ。アルコール度数とラベルで区別して購入してくださいね。
電気ブランのおすすめの飲み方:酔いが早い!
「神谷バー」は、かの太宰治の小説「人間失格」にも登場します。「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはない」とお墨付きをいただいているので、呑兵衛にはたまりませんね。ただし、調子に乗って飲むペースが速くなると、大変なことになるので飲み方には注意しましょう。
電気ブランのおすすめの飲み方:浅草「神谷バー」
電気ブランを飲むなら、せっかくなら電気ブラン発祥のお店に行ってみたくなりますよね。太宰治も飲んだ電気ブランを飲んでみてはいかがでしょうか。
電気ブランにはアルコール度数が30度と40度の2種類があります。味にも違いがあるため、「神谷バー」では30度の電気ブランを「デンキブラン」、40度の電気ブランを「電気ブラン オールド」と区別しています。
先ほど紹介した電気ブランが出てくるので、電気ブランそのものには違いはありませんが、グラス、おつまみ、そしてお店の雰囲気など、実際に神谷バーでしか味わえない電気ブランがそこにあります!
電気ブランのおすすめの飲み方①:ビール
電気ブランのチェイサーがビール、というのは神谷バーの常連客がはじめた飲み方。電気ブランの甘さをビールの苦味でリフレッシュという、いまでは王道の飲み方となりました。
引用: https://www.instagram.com/p/BvThQo8lCyz/
ただ、チェイサーは本来ミネラルウォーターが基本。きっと、常連客の人は余程のお酒好きの人だったのでしょう。ただでさえ、電気ブランは酔いやすいのに、ビールをあおると更にアルコールが摂取されるので、おつまみなどと一緒に自分のペースで飲みましょう。
電気ブランのおすすめの飲み方②:コーラ
電気ブランをハイボールにして飲むのも人気ですが、ソーダの代わりにコーラを入れるのもおすすめ。ソーダのシンプルな味もいいですが、ペプシもコカ・コーラはもとをたどれば風邪薬、胃腸薬として販売されていた時代もありました。つまり、ビールと同じように苦味があるということ。これが電気ブランの味によく合うのです。ハイボールに飽きたときは、コーラの味で変化をつけてみてはいかがですか。
コーラで割る目安ですが、ハイボールと同じく、「電気ブラン40%:ソーダ=1:4」「デンキブラン30%:ソーダ=1:3」がスタンダードとなっているようです。
電気ブランのおすすめの飲み方③:ジンジャーエール
コーラと同じくジンジャーエールもよく合います。割る目安はコーラと同じです。「電気ブラン40%:ソーダ=1:4」「デンキブラン30%:ソーダ=1:3」で、電気ブランの甘さとジンジャーの香味が良くあいます。レモンを加えるとさらに爽やかになりますよ。
電気ブランのおすすめの飲み方④:ストレート
引用: https://www.instagram.com/p/BpMZbNjHxiQ/
ビールのチェイサーなしの電気ブランは、電気ブランの味そのものを楽しみたい人におすすめ。甘い味に飽きてしまうという人は、おつまみを用意しておきたいところです。神谷バーの定番は持つ煮込み、焼き鳥がおつまみの定番ですが、意外にも煮汁やたれにたっぷり砂糖が使われていますよね。七味や薬味で変化をつけると、より一層、電気ブランがすすむのではないでしょうか。
自分に太宰治風に「人間失格」を言い渡したくなるような夜にもストレートが合うかもしれません。飲みすぎは注意が必要ですが、逆に「人間だもの」ということでこんな夜もありますよね。
電気ブランのおすすめの飲み方⑤:ロック
電気ブランをロックで飲むのもおすすめです。ちょっと味が甘すぎるという人、ビリリとした刺激が強すぎるという人にもおすすめです。しかし、40度の電気ブランではそれでもアルコール度数はとても高いです。できれば、おつまみと一緒に飲みたいところです。
電気ブランのおすすめの飲み方⑥:紅茶
引用: https://www.instagram.com/p/BvUJ8q6A1En/
電気ブランのように「ビール+ブランデー」という組み合わせはおそらくないでしょうが、「紅茶+ブランデー」という組み合わせはありますよね。ということで、紅茶に電気ブランスプーン1杯程度を入れる飲み方は、昔からあったようです。電気ブランの甘さと華やかな香りが紅茶と良くあいますよ。
電気ブランのおすすめの飲み方:おつまみ
電気ブランに合うおつまみとは何でしょうか?電気ブランは洋酒を真似て作られたことは間違いありません。浅草にあう神谷バーも洋風の料理を昔から積極的に出していたようです。しかし、そこは下町浅草。今でも神谷バーの定番メニューのひとつはもつ煮込みであり、電気ブランにももつ煮込みが良くあいます。
電気ブランに合うおつまみとして「ソーセージの盛り合わせ」を挙げる人もいれば「カニクリームコロッケ」と答える人もいて、コレといった決定打にかけます。つまりは、電気ブランとはそのような飲み物なのでしょう。ブランデーにワインやジンも入っていて、ビールをチェイサーに飲むわけですから、そこは開国したての明治同様、てんやわんやの多国籍状態がぴったりなのかもしれませんね。
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まとめ
浅草で生まれた電気ブランを紹介しましたが、いかがでしたか。本場の電気ブランを味わいたいなら、ぜひ浅草にある神谷バーを訪れてみてくださいね。電気ブランには30度と40度の二種類がありますが、どちらも酒屋やネットショッピングなどで購入可能です。
浅草下町生まれのお酒らしく、値段がリーズナブルで日本の人気家庭料理とも相性抜群。酔いが回るのが早いので、呑兵衛お気に入りのお酒ともなっているようです。平成も残りわずかとなり「明治は遠くなりにけり」どころか昭和も遠くなりつつあります。電気ブランを飲みながら、かつての日本人に思いを馳せてみてはいかがですか。