食前酒として人気のシェリー酒
食前酒として人気のシェリー酒は、実は日本人にはあまり馴染みのないお酒ではないでしょうか。シェリー酒には甘口から辛口まで様々な種類があり、その飲み方も様々です。
シェリー酒とは
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シェリー酒とは、スペイン・アンダルシア州で生産されている酒精強化ワインです。ポルトガルのポート・ワイン、マディラ・ワインと並んで「世界三大酒精強化ワイン」の一つとされています。
原料は、白ワインのみで作られています。お酒の種類としては、白ワインに分類されます。
※酒精強化ワインとは、ワインを造る過程でアルコールを添加して、アルコール度数を高めたワインのことです。
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シェリー酒の種類・おすすめ銘柄 -シェリー酒の原料-
シェリー酒の原料である白ブドウは3種類のみが認定されています。
シェリー酒の原料①パロミノ種
ポロミノ種は、特徴的な香りや味はほとんどなく、生食用としても用いられている品種です。辛口のシェリー酒はこのパロミノ種のみで生産されています。パロミノという品種名は、レコンキスタで活躍した褒美として与えられた畑でブドウ栽培を始めた兵士の名前に由来しています。
シェリー酒の原料②ペドロ・ヒメネス種
ペドロ・ヒメネス種は、極甘口のシェリー酒専用の品種です。主にアンダルシア州で栽培されています。ペドロ・ヒメネスという品種名は、カール5世に仕えたドイツ人傭兵の名前に由来しています。
シェリー酒の原料③モスカテル種
モスカテル種は、生食用やレーズン用としても使用される品種です。レモンティーのような香りを持ち、極甘口のシェリー酒専用です。モスカテルという品種名は、ラテン語の小さい虫に由来しています。
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄 -シェリー酒の種類-
シェリー酒には、辛口・極甘口・甘口と主に3種類のタイプがあります。
辛口 ビノ・ヘネロソ
ビノ・ヘネロソは、パロミノ種だけを原料に用いり造られる辛口のシェリー酒です。アーモンドのような香りで、辛口ながら口当たりが軽いのが特徴です。
フィノ・マンサニージャ・アモンティリチャード・オロロソ・パロコルタドなどがあります。
極甘口 ビノ・ドゥルセ・ナトゥラル
ビノ・ドゥルセ・ナトゥラルは、甘い品種(モステカル種・ペドロ・ヒメネス種)を用いて造られるシェリー酒です。発酵を止めてぶどうの甘さを残すため完全な甘口です。
ペドロ・ヒメネス、モスカテルなどがあります。
甘口 ビノ・ヘネロソ・エ・リコール
ビノ・ヘネロソ・エ・リコールは、辛口のビノ・ヘネロソと極甘口のビノ・ドゥルセ・ナトゥラルをブレンドして造られています。割合によって甘さや辛さが変わってきます。
フィノベースの「ペイル・クリーム」、アモンティリチャードベースの「ミディアム」、オロロソベースの「クリーム」などがあります。
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄【辛口】-ゴンザレス ティオペペ
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ゴンザレス ティオペペは、ドライシェリー酒の代名詞的ブランドです。世界のレストランでも選ばれている食前酒の定番であるティオペペは、薄い黄金色に輝く色合いと独特の香り、辛口の味わいで人気です。辛口なので、魚介料理によく合います。
ティオペペとは、スペイン語で「ペペ叔父さん」という意味で、ゴンザレスの創業者の叔父の事を指しています。ティオペペは、シェリーの名門であるゴンザレス社が誇るお酒です。
アルコール度数 15%
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄【辛口】ウィリアム ハンバート コレクション ドン・ソイロ アモンティリャード
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ウィリアム ハンバート コレクション ドン・ソイロ アモンティリャードは、産膜酵母下で8年熟成、4年酸化熟成し、フィノ・シェリーであったときの繊細な香りと、長期熟成を経て得られた芳醇な香りが絶妙に交じり合った優しい口当たりの辛口シェリー酒です。
アルコール度数 18%
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄【甘口】ハーベイ シェリー ブリストル クリーム
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ハーベイ シェリー ブリストル クリームは、英国の伝統あるシェリーメーカーであるハーベイ社の看板商品です。パロミノ種、ペドロ・ヒメネス種をブレンドして造られています。クリームのようなコクがありリッチでとろみのある甘口な味わいです。
アルコール度数 17%
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄【極甘口】デルガド・スレタ モスカテル モンテアグード
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デルガド・スレタ モスカテル モンテアグードは、3~4年熟成して造られた極甘口シェリー酒です。花や果実の非常に芳しい香りで甘さと苦み、酸味が絶妙なバランスのシェリー酒です。スペイン王室御用達。
アルコール度数は17.5%
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄 -シェリー酒の飲み方-①ストレート
シェリー酒の飲み方でおすすめなのは、やはりストレートです。銘柄ごとにシェリー酒は香りも味わいも違うため、ストレートはよりシェリー酒の魅力を堪能できる飲み方になります。レストランなどで食前酒として提供されるシェリー酒もストレートが基本です。
食前酒なら辛口・食後酒なら甘口
シェリー酒には、辛口・甘口がありますが、食前酒として飲むなら辛口、食後酒として飲むなら甘口のシェリー酒がおすすめです。
シェリー酒の種類・おすすめ銘柄 -シェリー酒の飲み方-②カクテル
シェリー酒はカクテルにして飲むのもおすすめです。シェリー酒を使ったカクテルはたくさんあるので、色々な味わいを楽しむことができます。
シェリー酒を使ったカクテル①レブヒート
レブヒートは、シェリー酒と炭酸で作るカクテルです。アルコール度数は、8%程度。
ドライシェリーと炭酸を1:2または1:1の割合でタンブラーに注ぎ、軽くステアするだけで作ることができます。お好みでライムやミントを添えて。
シェリー酒を使ったカクテル②アドニス
アドニスは、ドライシェリー・スイートベルモット・オレンンジビターズで作るカクテルです。シェリーの風味を生かしたカクテルの傑作といわれています。アルコール度数は普通です。
氷を入れたミキシング・グラスに、ドライシェリー45ml、スイートベルモット15ml、オレンジビターズ1dashを入れて混ぜ合わせます。グラスに氷が入らないように注ぎ入れれば完成です。オレンジの果皮を付ければおしゃれになります。
シェリー酒を使ったカクテル③バンブー
バンブーは、ドライシェリー・ドライベルモット・オレンジビターズで作るカクテルです。明治時代に横浜で生まれ、その名も「竹」という日本をイメージして作られたカクテルです。アルコール度数は普通です。
氷を入れたミキシング・グラスに、ドライシェリー45ml、ドライベルモット15ml、オレンジビターズ1dashを入れて混ぜ合わせます。グラスに氷が入らないように注げば完成です。
シェリー酒を使ったカクテル④ロック・ア・コー
引用: http://www.drinkplanet.jp/files/cocktail_todays/488-l.jpg
ロック・ア・コーは、同量のジンとシェリー酒をブレンドしたキリっとしたドライな口当たりのカクテルです。アルコール度数は高めです。
ドライ・ジン30mlとドライ・シェリー30mlをステアして、カクテルグラスに注ぎます。レッド・チェリーをグラスの縁に飾れば完成です。
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まとめ シェリー酒の魅力を知ってシェリー酒を楽しむ
シェリー酒の種類やおすすめ銘柄、おすすめの飲み方をご紹介しました。ティオペペやアモンティリャードなど、深い香りと味わいのシェリー酒の魅力を知って、シェリー酒を楽しみませんか。