レザーカービングってなに?
レザーカーピングとは、革素材のものに対して凸凹を作ってデザインを加えていくことです。革はしっかりとした頑丈な素材ではありますが、意外と可塑性があります。カービングという技法によって、数ミリの厚さの革に、ナイフでカットしたり、刻印で凹ませたり、裏から押して出っ張らせるようなことをして、凸凹を作っていきます。そうすることで、革にさまざまなデザインが刻まれ、彫刻のような仕上がりになります。
レザーカービングといっても、デザインはさまざまです。シンプルに文字のみのカーピングをしているものもあれば、描画的なものや芸術的なもの、可愛らしいイラストなどさまざまです。自分がどのようなイラストのカーピングをしたいかによっても、やり方や道具の使い方もすこし変わってくるようです。
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バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【材料】
まずはカーピングをする上で必要な道具ですが、カーピングを施していく革素材がまず必要です。タンニンなめしと言われる革は吸水性に優れており、造形しやすい特徴があるのでおすすめです。革屋さんにいってカーピングをしたいと伝えれば、カーピングをしやすい革を紹介してくれるはずです。また、作業の際に下敷きにする石も必要です。レザークラフトショップに行くと、大理石などの石が売っているので、それを使いましょう。ネットでも販売しているので、見てみてください。
そして、レザーカーピングをするデザインを決めていくために、紙とペンは必須になります。そして、トレーシングペーパーも必要です。そのトレーシングペーパーは耐水性のものがおすすめ。革へ転写する際、革に水分を入れるので、ペーパーがふやけたり破けてするのを防ぐためです。あとは彫刻した後の色付けに必要なレザーコート、アンティックダイが必要です。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具】
カービングをする際の道具ですが、まずはラインをカットするための、スィーベルナイフが必要です。これは、革の表面のみをカットするカッターナイフです。刃の厚みや形状でさまざまな種類がりますが、初心者の方でしたら普通の刃厚で良いでしょう。そして凹ませたり質感を表現したりするのに必要な刻印。これもデザインによっても使うものが変わってきます。刻印の形状によって凹み方も変わってくるので、自分のやりたいデザインによって用意するようにしましょう。初心者の方におすすめなのはベベラと言うものです。
その刻印を打つ打ち具も必要です。こちらも形状がいろいろあるので、好きなのを選ぶようにしましょう。刻印の大きさや使い方、深さなどによっても適した重さが変わってくるので、ショップなどで相談してみるのも良いでしょう。もう一つ必要なのが、トレスモデラと言われる鉄筆です。鉄筆トレーシングペーパーから革に転写する際は、鉄筆がおすすめです。革への描写は革そのものに跡をつけるやり方です。鉄筆がなければとにかく先のとがった固いもので行いましょう。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具・材料】①デザインを決める
まずはレザーカービングのデザインを決めましょう。とりあえずなるべく初心者のうちはシンプルなデザインのものを選んで、革の切れ端などで練習をして、慣れてきてからいろんなデザインやものにチャレンジすると良いでしょう。特にシェリダンスタイルなどの難しいデザインになってくると複雑な模様でかなり難易度が高くなります。しかし、図案集を使えば簡単に下絵として使うことができるため、おすすめです。レザークラフトの専門店などで1枚単位で売られていたり、本になって販売されているものもあるので、ぜひ見てみてください。
インターネットを利用したデザイン決めもおすすめ!
レザークラフトのサイトなどでは、図案を公開しているサイトもたくさんあります。ダウンロードして利用すれば、デザインをそのままプリントして使うことができます。最初からデザインをしたり、まだ初めのうちはデザインをインターネットから出してくると便利です。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具・材料】②スーベルカッターの刃を研ぐ
レザーカービングに必要だということで用意しておいたスーベルカッターの刃研ぎを行っておきましょう。スーベルカッターは、そのままではすぐに切れ味が悪くなります。使用前に刃を鋭く研いでおくことによって、購入したときの切れ味を維持することができます。そうすることで、細かいデザインを施す場合でもきれいに彫刻することができます。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具・材料】③デザインの図案を写す
そこまでできたら、デザインした図の上にトレーシングペーパーを乗せ、鉛筆を使ってデザインしたイラストのアウトラインのみを写しましょう。そうしたらデザインを転写したトレーシングペーパーを革の上に置き、革に傷をつけない弱めのクリップで固定し、鉄筆でアウトラインの上を丁寧になぞり革に写します。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具・材料】④アウトラインのカット
デザインを写すことができたら、革に彫刻を始めましょう。革をあらかじめ湿らせておき、転写したデザインのアウトラインをカットします。スィーベルナイフを使って、革の厚みの半分ぐらいを目安に、カットしていきましょう。切りすぎないように注意してください。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具・材料】⑤刻印を打つ
全体的にアウトラインのカットをしたら、スタンピングに入ります。用意しておいた刻印で、スィーベルナイフでカットしたラインにアレンジを加えていきます。さきほどつけたラインの周りに、模様を彫刻していくイメージです。刻印は、トントンと叩いて行います。右や左に傾けて打ったり、強弱をつけてデザインを変えます。
バッグや財布でレザーカービングのやり方・仕上げのコツ!初心者向け【道具・材料】⑥デコレーションカット
スーベルカッターを使って先ほど入れたものの切り込みを彫刻しましょう。このときも、革を水で湿らせしばらく水を行き渡らせてから切り込みを入れていきましょう。そして彫刻した部分に焦げ茶の染料を塗って味を出しましょう。染料は筆を使って乗り、その後レザーコートを柔らかい布を使って全体に塗ります。次に歯ブラシを使ってアンティックダイを凹面に染み込ましょう。凸面部分に乗っているアンティックダイは、布を使って拭き取ります。
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さまざまなデザインのレザーカービングに挑戦しよう!
いかがでしたか?なかなかゼロからのレザーカービングは難易度が高く、やりにくいかと思いますが、みんな最初は初心者です。やっていくうちにどの道具が自分に合っているか、そのデザインがやりたいのかなどがしっかり見えてくるはずです。レザーカービングのショップなどでわからないことを聞けば、レザーカービングについて詳しい方がやりたいものや初心者の方でもやりやすいものを紹介してくれるはずです!上達すれば、複雑な難しいデザインもやってみたいですよね!ぜひ簡単なものから練習をして、さまざまなデザインに挑戦してみてくださいね♪