【4月】時候の挨拶文例|そもそも“時候の挨拶”って?
4月は入学・入社など新生活が始まる時期でもありますね。新しい環境になったことを大切な人へ報告したり、お祝いをいただいたお礼の手紙を書いたり、さらにはビジネスでは新しい年度の挨拶をしたりと、何かと手紙を書くことが多い時期でもあります。そんな時、4月ならではの季節感を表した手紙を書くことができれば素敵ですよね。今回は4月の時候の挨拶についてご紹介します。
まずは、「そもそも時候の挨拶ってなに?」という話からです。時候の挨拶とは、手紙の最初にその季節を表した文章のことを言います。有名なところでは、「暑中お見舞い申し上げます」があります。ビジネス文書などより格式高い文書では、「〜の候」という言葉を用います。
4月の時候の挨拶の特徴は?
だんだん暖かくなってきて、お花も咲き誇る4月の時候の挨拶は、暖かな春の訪れを喜ぶような華やかな文面が特徴です。新生活の期待や喜びを報告する時にもぴったりです。
季語とは違うの?
季節を表す言葉と聞いて思い浮かべるのが、俳句の季語です。手紙の冒頭部分で使われる季節の言葉は、「時候の挨拶」と呼び、俳句の季語とは区別されていますが、季語を用いる例もあります。
【4月】時候の挨拶文例|「漢語調」と「口語調」
時候の挨拶には、「漢語調」と「口語調」の2つの種類があります。
「漢語調」
「漢語調」とは、例えば「陽春の候」といった具合で季節を表す言葉の後に「〜の候」という言葉をつけます。“候”とは、“兆し”を意味します。つまり、「陽春の候」とは、「陽春の兆し」となり、「春の兆しが感じられる季節になりましたね」といった意味になります。「漢語調」はより格調高く文章を作成したいときに使うため、主にビジネス文書で用いられます。
「口語調」
「口語調」は、話し言葉で季節感を表します。例えば、春の時期では「春風に吹かれれば、身も心も生き生きしてくるような気がいたします。」や、夏の時期では「梅雨明けと共に猛暑が到来していますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」などです。「口語調」は、一般的には個人間での手紙に使われますが、ビジネスでも顧客に対して柔らかい印象を与えたいときにあえて使うこともあります。
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【4月】時候の挨拶文例|4月を表す言葉
時候の挨拶ではその月を表す言葉を使います。使う言葉によりその月の中でも上旬を表しているのか下旬を表しているのかが異なります。
4月上旬に使う言葉
「陽春」・「菜種梅雨」・「花冷え」・「花の便り」・「桜・桜花」・「春眠」・「春風」・「春爛漫」・「春暖」など
4月中旬に使う言葉
「陽春」・「惜春」・「菜種梅雨」・「桜・桜花」・「春風」・「春爛漫」・「春暖」など
4月下旬に使う言葉
「陽春」・「惜春」・「桜・桜花」・「穀雨」・「春風」・「春爛漫」・「春暖」など
【4月】時候の挨拶文例|【漢語調】「陽春」の意味と例文
「ようしゅん」と読み、「陽気の満ちた暖かい春の時候」という意味です。
3月初旬~4月全般
3月初旬~4月全般に使うことができ、4月の時候の挨拶の代表的存在でもあります。
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【4月】時候の挨拶文例|【漢語調】「春爛漫」の意味と例文
「はるらんまん」と読み、「春の花が咲き、光に満ちた様子」といった意味です。
4月全般・遅くても5月4日まで
4月全般に使うことができますが、地方によって花が咲きそろう時期は異なるため、その地に合わせて使うようにしましょう。
【4月】時候の挨拶文例|【漢語調】「春暖」の意味と例文
「しゅんだん」と読み、「春の暖かさを感じる季節」を意味します。暖かい日が続くようになった頃に使うとぴったりです。
3月中旬〜4月全般
3月中旬から4月全般で使うことができます。その年によって暖かい日が続き始めるタイミングが異なるので、その年の気候に合わせるようにしましょう。
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【4月】時候の挨拶文例|【漢語調】「穀雨」の意味と例文
「こくう」と読み、「穀物を育てる雨が降り始める季節」という意味です。穀雨とは、二十四節気という1太陽年を日数または太陽の黄道上の視位置によって24等分して、その分割点を含む日に季節を表す名称をつけたもののことを言います。
4月20日頃に
4月下旬の中でも20日頃に使います。二十四節気のうちの穀雨が4月20日頃を意味するためです。二十四節気は毎年1日前後変動し、毎年4月20日とは限らないので、使用する際には事前にチェックしましょう。
【4月】時候の挨拶文例|【漢語調】「惜春」の意味と例文
「せきしゅん」と読み、「春が過ぎてしまうことを惜しむ季節」という意味です。過ごしやすい時期である春の季節がすぎてしまうのを惜しむ気持ちから生まれました。
4月中旬〜下旬・5月上旬までOK
春は初春・仲春・晩春と分けることができますが、その中でも晩春にあたる4月中旬〜5月の上旬頃に使います。新生活や入学祝いなどのお返しに添える手紙にもぴったりです。
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【4月】時候の挨拶文例|【口語調】「菜種梅雨」の意味と例文
菜種梅雨とは、「なたねづゆ」または「なたねつゆ」と読み、季節の変わり目に降る梅雨のような長雨を意味します。俳句で使われる季語でもあります。
4月上旬〜中旬
菜の花が咲く時期でもある3月下旬~4月上旬に降り続く雨のことをさし、ギリギリ4月中旬まで使うことができます。
【4月】時候の挨拶文例|【口語調】「花冷え」の意味と例文
「はなびえ」と読み、「春だがまだ少し寒い日も時々ある季節」を意味します。俳句で使われる季語でもあります。
4月上旬
花冷えの花は桜を表すので、ちょうど桜の花が咲く頃に適しています。候をつけて「花冷えの候」とすることもできます。
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【4月】時候の挨拶文例|【口語調】「花の便り」の意味と例文
「はなのたより」と読み、花という言葉は桜を中心とした春を象徴しています。
4月全般
4月全般に使うことができますが、開花に合わせて4月の上旬〜中旬頃に送ると季節にマッチします。
【4月】時候の挨拶文例|【漢語・口語調】「桜・桜花」の意味と例文
4月を象徴する花として、桜の花が用いられています。俳句で使う季語でもあります。
4月全般
4月全般に使うことができますが、桜の開花時期に合わせて桜の中が咲いている最中なのか、桜の満開を過ぎたのかで文書を変えます。
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【4月】時候の挨拶文例|【口語調】「春眠」の意味と例文
「しゅんみん」と読み、「春眠暁を覚えず」からきている言葉です。
3月中旬頃から4月上旬
冬の厳しい寒さが緩和され、春らしい暖かな気候が続くようになった頃にちょうど良い言葉です。新生活の報告などにもぴったりです。
【4月】時候の挨拶文例|【漢語・口語調】「春風」の意味と例文
「しゅんぷう」と読み、「春の穏やかな風が吹く季節」を意味します。比較的相手にも伝わりやすい言葉で、使いやすいのが特徴です。俳句で使われる季語でもあります。
4月全般
基本的には4月に使う言葉ですが、暖冬などで暖かく感じる日が早めにきている年には、3月の中旬から下旬頃にも使うことができます。少しずつ暖かくなってきたという季節感と、早くもっと暖かくならないかなという期待を表しています。新生活の挨拶にもぴったりです。
【4月】時候の挨拶文例|まとめ
いかがでしたか?ビジネス文書や個人文書でも使うことができる4月の時候の挨拶についてご紹介しました。4月の季節を表す言葉を入れることで、華やかな印象の文書になりますよね。新社会人・新生活のスタートとして、ビジネス文書や大切な人に手紙を書く時などにぜひ使ってみてくださいね。