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ジョジョの奇妙な冒険

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【ジョジョ】ディオ(DIO)が最後に負けた理由|スタンド「ザ・ワールド」の能力・名言・声優を紹介

2021.06.17

「ジョジョ」シリーズでも屈指の人気を誇る悪役、ディオ(DIO)。彼の名言やスタンド・アニメでの声優情報などをまとめました。ディオとDIO、両方の最後(最期)についても考察し、「ジョジョ」シリーズでの彼の存在感の秘密を追っていきます。

  1. 『ジョジョの奇妙な冒険』ディオ(DIO)とは
  2. アニメでのディオ(DIO)の声優は子安武人
  3. ジョジョ第1部|ディオ・ブランド―登場
  4. ディオの名言①
  5. ジョジョ第1部|ディオとジョナサンの関係
  6. ジョジョ第1部|石仮面で吸血鬼になるディオ
  7. ディオの名言②
  8. ジョジョ第1部|ディオとジョナサンとの死闘!
  9. ディオの名言③
  10. ジョジョ第1部|ディオとジョジョの最終決戦
  11. ディオの名言④
  12. ジョジョ第1部|ディオの最後
  13. ディオの名言⑤
  14. ジョジョ第3部|DIOの復活
  15. DIOの名言①
  16. ジョジョ第3部|DIOとジョースター家との因縁
  17. DIOの名言②
  18. ジョジョ第3部|DIOのスタンド「ザ・ワールド」
  19. DIOの名言③
  20. ジョジョ第3部|DIOのカリスマ性
  21. DIOの名言④
  22. ジョジョ第3部|DIOと部下たち
  23. DIOの名言⑤
  24. ジョジョ第3部|DIOと空条承太郎の対決!
  25. DIOの名言⑥
  26. ジョジョ第3部|DIOの最後(最期)
  27. DIOの名言⑦
  28. ジョジョ第4部へのディオ(DIO)の影響
  29. ジョジョ第5部の主人公ジョルノ・ジョバァーナとディオ(DIO)
  30. ジョジョ第6部のラスボス、プッチ神父とディオ(DIO)
  31. まとめ考察:ディオ(DIO)の目的は何だったのか?

主に第1部・第3部で立ちはだかるラスボス

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(画像はAmazonより)
2012年にTVアニメ化もされた、荒木飛呂彦(あらき ひろひこ)先生のライフワークともいえる作品『ジョジョの奇妙な冒険』。部ごとに物語が完結するこの連載の中で、最も存在感のある悪役がディオ(DIO)です。
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彼は第1部で野心を持ったアクの少年として登場し、主人公ジョナサン・ジョースターの生涯にわたって、最後まで敵であり運命共同体という不思議な存在であり続けます。さらに第3部にもスタンド能力を得て登場し、ジョナサンの子孫に討つべき仇として立ちはだかりました。
そしてようやくジョナサンの玄孫(やしゃご/孫の孫)である承太郎に倒され最後の時を迎えますが、何と第4部以降の物語にも影響を与え続けるのです。
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また「悪のカリスマ」と呼ばれるほどに計算高く決断力・行動力があることから、名言も多く、彼をカリスマ的に崇めるファンも少なくありません。「ジョジョ」シリーズでも屈指の人気キャラなのです。
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(画像はアニメ公式Twitterより)
TVアニメでディオ(DIO)の声を担当したのは、ベテラン声優の子安武人(こやす たけひと)さん。
子安さんは悪役の演技に定評のある声優で、特に『∀ガンダム』の悪役であるギム・ギンガナム役での演技は、多くのアニメファンの印象に残っています。また声や抑揚にも特徴があることから、替えの効かない声優の1人でもあります。子安さんがアニメで2度演じた最後(最期)は、さすがの悪役ぶりでしたね! 「ジョジョ」は子安さんの声優人生の代表作と言っていいのではないでしょうか。
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(画像はアニメイトタイムズ公式Twitterより)
子安さんの声優としての代表作は他に、『ボボボーボ・ボーボボ』(ボーボボ)、『ONEPIECE』(クザン)、『銀魂』(高杉晋助)などのアニメがあります。
その他、TVアニメ以外の媒体でディオ(DIO)の声を担当した声優には、子安さんとも仲のいい声優の緑川光さん(映画・1部ゲーム青年期)をはじめ、野島健児さん(1部ゲーム少年期)、塩沢兼人さん(SFCゲームCM)、若本規夫さん(CDドラマ)、千葉一伸(3部格ゲー)、田中信夫さん(OVA)がいます。さすがにベテラン声優が多いですね。
ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース コンプリート DVD-BOX (全13話, 450分) [フランス盤]
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ディオ・ブランド―の生い立ち

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ディオは早くに母を亡くし、飲んだくれで品性のかけらもない父親とロンドンの貧民街で暮らしていました。ディオは父を嫌い、見下げ果てていましたが、結果的にその父のゲスさと縁によって、彼は田舎の貴族ジョースター家に養子として迎え入れられます。
ジョースター家で暮らし始めたディオは、表向きは何でもできる優等生として振舞っていましたが、財産や地位を奪い取るという野心を抱いていました。貧しい暮らしのせいでひねくれるのはよくあることですが、普通に考えれば恩しかないジョースター家に対して、ずっとその野心を抱き続けたのがディオのすごいところです。こういった人となりが、後に「生まれついての悪」と呼ばれる所以なのです。
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「 おまえの「遺産」受けとるぜ! ひとりでも生きられるが利用できるものはなんでも利用してやる! だからこのジョースターとかいう貴族を利用してだれにも負けない男になるッ! くずめッ 」 (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第1巻21ページ)
ディオが父の葉かに向かって吐いたセリフ。彼の最後(最期)までを知ったうえで見返せば、間違いなく彼の「生まれついての悪」ぶりのよく表れた名言です。アニメでは彼の幼少期が少し加筆されていましたね。
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(画像はAmazonより)
ディオとジョナサンは、「ジョジョ」シリーズの始まりとなった因縁の2人です。境遇も性格も全く違う同い年の少年2人が出合ったことは、その後のそれぞれの人生を見ても運命だったとしか思えません。
最初はディオはジョースター家を乗っ取るためにジョナサンを徹底的に潰そうとあらゆる策を講じましたが、あるときジョナサンの爆発力を知ってから、攻撃するだけでは彼を高めることになると気づきます。奇しくもジョナサンを叩き潰すための行動が、彼を成長させていたのです。声優の子安武人さんも言っていましたが、ジョナサンが立派な青年、立派な紳士として成長できたのは、悪たるディオの存在ゆえなのです。
片方が縦糸、もう一方が横糸のように運命という絵を織りなす正反対の2人。2人はその運命を最後の最後まで共にし、次世代へ因縁をつないでいくこととなるのでした。
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第1部の転換点となったのが、石仮面によるディオの吸血鬼化です。実父のダリオに盛ったのと同じ薬で養父ジョースター卿を殺そうとしたことがバレたディオは、手っ取り早くジョナサンを殺すことにします。
証拠を残さないために、2人以外には知られていない石仮面の仕掛けを使った方法で。しかし実はその仕掛けは、人間を吸血鬼化するためのものでした。それを知ったディオは、自ら石仮面をかぶり、吸血鬼となるのでした。スタンドを身につける前の、ディオの特殊能力です。
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(画像はAmazonより)
「おれは人間をやめるぞ! ジョジョ――ッ!! おれは人間を超越するッ!」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第1巻232ページ)
石仮面を高く振りかざし、ディオはこの台詞を吐きます。吸血鬼化することを「人間をやめる」と表現するセンスがキレッキレですね! 「人間を超越する」というフレーズにも、ずっと誰よりも上に立ちナンバーワンになることに固執してきたディオの性格がよく表れてる、名言中の名言。
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人間を超越した力を持ち、人間を食らって生きる吸血鬼となったディオに、ジョナサンはそれでも果敢に立ち向かってきます。ディオがジョースター家を荒らし、父であるジョースター卿を殺したことが許せないだけでなく、ディオという悪魔を生んでしまったことに責任を感じたからです。
対してディオは、すべての人間の上に立つ存在となれたことに酔いしれ、自分の能力のテストとばかりに慢心をもってジョナサンを迎え撃ちます。最初はすべての能力で上回るディオが圧倒的に優勢でしたが、結局はジョナサンの強い意志と勇気、そして爆発力を侮ったばかりに炎に包まれる館の中で焼き尽くされることとなりました。
このエピソードはある意味、ディオの最後(最期)とも言えますね。連載当時はこの時打ち切りの話が出ていたそうで、荒木先生は最終回のつもりで書いたという逸話があります。またアニメでもこの死闘は第1部でも1・2を争う名シーンで、ジョナサン役の声優・興津和幸(おきつ かずゆき)さんとディオ役の子安武人さん、そしてナレーション担当の声優・大川透(おおかわ とおる)さんの3人の熱演が絶賛されました。
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「よ…よくも! よくもきさまッよくもこんなァアアアアアアア―――ッ!! わ…忘れていた! 子供のころからあったあなどってはいけないヤツの爆発力を!!」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第2巻39ページ)
これが最終回であれば、ディオの最後の断末魔となっていた台詞。個人的にディオというキャラクターの面白さは、必ず調子に乗って最後に公開するところだと思っています。アニメでのディオ役の声優・子安さんのディオ評はもっともですね!
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ジョースター邸とともに燃え尽きたと思われたディオですが、吸血鬼特有の治癒力によって何とか回復し、さらに“波紋”という超自然的な能力を会得したジョナサンと再び戦うこととなります。ディオを今度こそ葬ろうとやって来るジョナサンに、ディオはゾンビとなった手下たちをぶつけました。しかし、これがディオの失敗でした。ジョナサンは仲間とともに戦い抜いたことで、さらなる強さを手に入れたのです。
このことをディオは「自分の甘さ」と認め、勝ち抜いてきたジョナサンと前回以上の激しい戦いを繰り広げて、お互い何度も窮地に陥ります。そして勝利を勝ち取ったのは、「人間」として「成長すること」を決してあきらめなかったジョナサン。ディオの最後の悪あがきも無駄に終わり、ディオの体はバラバラになってがけ下へ落ちていきました。
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「猿(モンキー)が人間に追いつけるかーッ おまえはこのディオにとってのモンキーなんだよジョジョォォォォ――――――ッ!!」 (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第3巻212ページ)
石仮面によって一足飛びに吸血鬼へと“進化”したディオ。しかし人間としての“成長”を続ける姿勢に完敗しました。この名言には人間を超越したディオの人生観と、作品全体のテーマである“人間賛歌”がよく表れていますね。
再びジョナサンはディオに勝利しましたが、再びディオは死んではいませんでした。すべてに決着をつけて、恋人のエリナとの新婚旅行に船で旅立つジョナサン。そこを狙ってディオは船に乗り込み、船倉でジョナサンと再会します。
バラバラになりつつも生き残るために首だけになったディオの目的は、ジョナサンの首から下の体と繋がって永遠の命を手に入れることでした。ディオの不意打ちに倒れるジョナサンですが、それでもディオを葬ることをあきらめず、船ごと沈没させて乗客を逃がすことを考えます。
そして最後の力を振り絞ってディオの首をとらえ、ともに海の中へ……。奇妙な縁でつながっていた2人は、この時完全に2人で1人となり、青春時代の最後を迎えました。
「おれはこの世でただひとり尊敬する人間のボディ(肉体)を手に入れ、絢爛たる永遠を生きる! それがこのディオの運命なのだ! 苦痛は与えん! それがわが好敵手(ライバル)への最後の礼儀!」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第3巻254ページ)
最後の最後で、ようやくジョナサンを唯一無二の好敵手と認めたディオ。“運命”という言葉の使い方に図々しさはありますが、それでも彼が人間をここまで認めるなんて、この2人の関係がまさに運命というべきものだったからに他なりません。ただ、こんなことを言っても100年後には忘れてしまうんですけど……。
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(画像はアニメ公式Twitterより)
ジョナサンが最後の力を振り絞って葬ったディオ。しかし彼の眠っていた棺桶が100年後に海底から引き揚げられ、この世に復活を遂げます。ディオではなく、スタンド使いとして生まれ変わった帝王DIOとして!
ディオからDIOになったことに特に説明はありませんが、第1部と第2部、あるいは吸血鬼だった頃とスタンドを手に入れた後を区別するのに便利なことから、ディオ/DIOの使い分けがなされています。
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(画像はアニメ公式Twitterより)
「やはり ジョナサンの子孫か…………この肉体が何らかの魂の信号を子孫どもに送っている…」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第8巻81ページ)
第3部でのDIOの初登場のシーン。この時はまだ後ろ姿のみの登場でスタンドについても全くわかっていませんでしたが、その謎の多さが存在感を引き立てていました。DIOがスタンドを出し姿を現すのは第3部の終盤になります。アニメでもこのシーンはミステリアスな演出でワクワク感がありました。
引用: https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61sYt8N8mUL._SS500.jpg
(画像はAmazonより)
さて、ジョナサンと運命的な結びつきで深い因縁を築いたディオですが、海底からよみがえったDIOは、ジョースター家の子孫たちとやはり浅からぬ因縁がありました。DIOの肉体はジョナサンから奪ったもので、DIOにスタンドが発現した影響を、ジョナサンの子孫たちも受けていたのです。
よってジョナサンの孫のジョセフと玄孫の承太郎には、それぞれハーミット・パープルとスター・プラチナというスタンドが発現。そしてジョセフの娘であり承太郎の母であるホリィは、その温和な性格ゆえに発現したスタンドが重荷となり、このままでは衰弱死してしまうという状態に。そんなホリィを救うため、ジョセフと承太郎はディオのいるエジプトへと旅立ったのです。
「ジョジョ」シリーズでは“受け継ぐこと”を大事な要素のひとつとしています。札付きの不良である承太郎でも、4代前(あるいは5代前)の祖先からつながっている因縁を放り投げることはしないのです。それらを受け継いで自分で決着をつけようと考えるジョースター家の人間だからこそ、DIOとも強い因縁で結ばれていると言えます。
「「幽波紋(スタンド)」! この「スタンド」も子孫の体に影響を与えている ………… 「長所」と「短所」は表裏一体…ままならぬものよ… 根絶やしにせねば… ジョナサンの一族は…排除せねば」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第8巻90ページ)
“「長所」と「短所」は表裏一体”といいことを言っているようですが、人の体を奪っておいて「排除せねば」なんて盗人猛々しいですよね。しかしこれがDIOらしさなんですよね~。自分以外は死ね! 浜名物は死ね! で100年以上生きてきた恐ろしい奴です。
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(画像はAmazonより)
ここでDIOのスタンド「ザ・ワールド」について。
【破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - A / 射程 - C / 精密動作性 - B / 成長性 - B】
時を止める能力があります。荒木先生は時間を操れる能力は最強だと考え、スタンドという概念が生まれた第3部のラスボスの能力にしたのだそうです。実際、DIOのみが止まった時間の中を動くことができるため、近距離での戦闘には非常に有利。かつザ・ワールドは近距離パワー型のスタンドなので、数メートル圏内で時間を止められれば、その優位性は圧倒的です。
またDIOは時間を止めている間に飛び道具を大量に放ち、時間が動き出すとともにすべて的に命中するという戦い方を編み出しました。これは非常に有効なやり方で、DIOの狡猾さによって生まれた最強の戦い方と言えるでしょう。
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「静止したときの中を動けるのはたったひとりでなくてはならない… 思うに自動車という機会は便利なものだが誰も彼もが乗るから道路が混雑してしまう 止まった時の中はひとり……このDIOだけだ」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第17巻171ページ)
この台詞はDIOのいつも自分がナンバーワンでなくてはならないというプライドと、久しぶりに目覚めて知ったばかりの自動車への的確な考察、そして確実に承太郎を葬るという冷徹さが出ているなかなかの名言です。やはり100年も眠っていれば、色んなことを深く考える時間があったのでしょうね。
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(画像はアニメ公式Twitterより)
第1部のディオは清々しいほど自分勝手で行動力のある悪として同年代の少年たちの憧れを集めましたが、第3部のDIOは気高い“カリスマ性”を持っていると感じる人は多いです。花京院は肉の芽を受け付けられることによってDIOのカリスマ性を感じましたが、そんなものはなくともDIOにひれ伏し、心酔するものは多いです。
吸血鬼の能力に加えてスタンド能力、そしてカリスマ性まで備えたDIO。残忍さはそのままですが、自分で手を汚したり下劣な実験をしたりしなかったからこそ、第3部のDIOは第1部のとき以上の人気キャラとなったのでしょう。
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「『君は…普通の人間にはない特別な能力を持っているそうだね?』 『ひとつ………それをわたしに見せてくれるとうれしいのだが』」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第8巻138ページ)
アヴドゥルが初めてDIOに出会った時に言われたセリフですが、この台詞がアニメで子安さんの声で再現されたとき、本当に声優が子安武人さんでよかった!と思った人は多かったはず。アニメではよりDIOのカリスマ性が見事に表現されていました。

DIOとエンヤ婆

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DIOの側に仕え、スタンド能力の指導も行っていたような描写のあるエンヤ婆。彼女はDIOの信奉者の1人であり、とても強い忠誠心を抱いていました。
そのことが最もよくわかるのが、彼女が承太郎たちに拘束された場面です。DIOは情報が漏れるのを恐れ、即座に部下に命じてエンヤ婆を殺させました。しかしエンヤ婆は裏切られたことを知っても、DIOの秘密を守ったままの死を選びました。エンヤ婆に言わせれば、DIOは生きがいであり自分を信頼している王なのだそうです。

DIOとホルホース

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エンヤ婆の信奉は異常ですが、逆にホル・ホースはDIOと直接会ったスタンド使いにしては、あまりに忠誠心も信頼もなさすぎるのではないでしょうか。
彼がDIOの下についているのは、『一番よりNo.2!』というモットーと利益のために他なりません。DIOに従うことが損だと判断すれば、銃口を頭に突きつけるほどです。結局は逆らっては命がないと悟り、下働きをすることになりますが……。
しかもホル・ホースはしぶとく承太郎たちの前に現れ、再起不能にはなりつつもそのうちどこかで復活してそうな雰囲気もあります。そんな彼のスタンスには、カリスマ性も無縁なのかも?

DIOとヴァニラ・アイス

DIOの側近中の側近、DIOに絶対の忠誠を誓っている肉体派のスタンド使いがヴァニラ・アイスです。彼はDIOに殺されてもかまわないどころか、命令ひとつで自分の首をも落とし、それが幻だとわかっていてもDIOの姿をしたものを攻撃してしまったことに我を忘れるほどの怒りを覚えます。
彼をここまでにしたものこそがDIOのカリスマ性なのでしょうが、ヴァニラに対してはDIOも全幅の信頼をおいていたような節があります。あくまで帝王とその部下としてですが、お互いに揺るぎない信頼があったからこそ、ヴァニラもここまでの狂信者となったのでしょう。※ただし友達ではない※
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「自ら首をはねるとは……うれしいぞ…… しかしヴァニラ・アイス お前ほどの者の生き血は受けとれんな… 誰か他のヤツのでわたしのキズは完治させるとするよ」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第16巻80ページ)
「生き血をくれ」と言われて「喜んで」って、居酒屋かよ! というツッコミも出てこないほど、濃密な関係を感じさせる2人のやり取り。何のためらいもなく自分の首を落としたヴァニラ・アイスにかけたDIOのこの台詞は、穏やかさを感じさせます。
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すべての部下を撃破した承太郎たちはDIOを追い、最終的に承太郎とDIOの一騎打ちとなります。お互いが講じうる限りの策を講じ、腕力やスタンド能力だけでなく度胸やハッタリまで駆使しての全力以上の勝負。時を止められるDIOがやや優勢で戦いは進みますが、ついに承太郎も止まった世界の中で自分だけが動く能力を手に入れます。
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(画像はアニメ公式Twitterより)
「実に! スガスガしい気分だッ 歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だ~~フフフフハハハハ (中略) 最高に「ハイ」ってヤツだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第17巻245ページ)
DIOが人生で最も調子に乗っている瞬間の台詞。原作でも充分にこの狂気と歓喜は伝わりましたが、アニメの子安さんの演技はやはりさすがです。
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(画像はアニメ公式Twitterより)
承太郎が時を止めても、まだ勝利を確信していたDIO。しかしここでも、ジョースター家の人間が持つ爆発力にDIOは完全敗北を喫し、今度こそ朝日の中で灰となって本当の最後を迎えたのでした。
ジョセフが「DIOには大勢の人間があらゆるものを貸していた」と言いましたが、この言葉、ジョナサンとディオの少年時代までさかのぼって考えれば、感じるものは大きいですね。ジョースター家とディオ(DIO)の因縁に、ようやくひとまずの決着がつきました。
「『あと味のよくないものを残す』とか『人生に悔いを残さない』だとか…便所のネズミのクソにも匹敵するそのくだらないものの考え方が命とりよ!クックックックッ このDIOにはそれはない…あるのはシンプルなたったひとつの思想だけだ…たったひとつ! 『勝利して支配する』! それだけよ…それだけが満足感よ!」  (出典:『ジョジョの奇妙な冒険』文庫第17巻274ページ)
さすが100年生きた男は違います。人生が長いから悔いが残ると凡人は考えがちですが、確かに100年も生きれば同じような失敗を何度も繰り返し、逆にどんな失敗だろうとどうでもよくなってしまうものです。100年間海底で自分の失敗について後悔しまくって、その意味のなさに気づいたんでしょうね。しかしまた慢心という同じ失敗を繰り返し、今度こそ塵となって消えてしまうのでした。
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第3部完! とともにDIOの人生も完!ですが、続く第4部の事件のきっかけも実はDIOでした。DIOがスタンド能力を持つことになった要因は、エンヤ婆がある発掘場で手に入れた弓と矢であり、その弓と矢が日本の地方都市・杜王町で新たなスタンド使いを生みます。
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第5部の主人公ジョルノ・ジョバァーナは、DIOとある日本人女性の間に生まれた少年です。DIOの息子なのにジョジョ!?と思うかもしれませんが、DIOの体はジョナサンの者であり、ジョルノもジョースターの血を引いていることになります。ジョースターの一族らしい正義の心(と異常な行動力)と、どことなくDIOに似た冷徹さと口癖を持った少年です。
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さらに第6部にも、ディオ(DIO)は大きな影響を及ぼしています。第6部のラスボス、プッチ神父はDIOがエジプトにいた頃の親友で、彼の遺志を継いでジョースター家の末裔である空条徐倫(くうじょう じょりーん)に罠を仕掛けました。
ところで第6部の回想シーンに現れるDIOはプッチのことを「初めての友達」と言うのですが、この台詞には「おいおいヴァニラは?(違うとしても、)ジョナサンは?」と疑問が湧きますが100年生きてあらゆることを超越した精神の持ち主の考え方だとすれば、納得します。もしかしたら棺桶の中では「ジョジョめ~~~!」と恨み続けていたのかもしれませんね。
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ディオ(DIO)はとにかくナンバーワンに固執し、吸血鬼となり最強のスタンド能力を手に入れてもまだ満足している風ではありませんでした。第3部まで見れば、それはジョースター一族との因縁があったからとも考えられますが、第6部で「天国へ行く方法」を模索していたのを考慮すると、宗教家や哲学者に近い探求心があったのではないでしょうか。
「幸せ」を手に入れる方法を模索していたということは、DIOは幸せではなかったということですね。それは心穏やかに暮らせないからであり、第3部で語っていた、「生きることは恐怖を克服すること」だという考えとも合致しています。
その上で、幸せになる方法が「すべてを知って覚悟すること」と考えたのだとすれば、よっぽどジョナサンにやられた後悔が大きかったんだろうか…という気がしますが、いかがでしょうか。
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