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そもそも【この世界の片隅に】とは、どのような作品なのでしょうか?ざっくりとご紹介します。
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【この世界の片隅に】は、こうの史代原作の漫画。終戦間際の広島呉を舞台に、主人公「北條(旧姓浦野)すず」が戦火に翻弄されながらも、工夫を凝らしてたくましく生きていく様子を、イラストのような優しいタッチで描いた作品です。
2016年には、片渕須直監督によりアニメ映画が公開。ミニシアター系で公開規模も大きくはありませんでしたが、その秀逸な内容が口コミで広がり、異例の大ヒットを飛ばしました。2018年にはTBS系列でのドラマ放映が予定されています。
劇中で非常に印象的な活躍を見せる水原哲。そんな彼の概要を見ていきましょう。
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水原哲は、北條すずの幼馴染にして小学校の同級生。海軍兵学校に通う4歳年上の兄を海難事故で失った影響で少し荒れており、学校では乱暴者のガキ大将的存在でした。
小学校卒業後、水原は兄の意志を継ぎ海軍に志願兵として入隊。作中では、軍艦「青葉」の搭乗員として活躍しています。
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小学校時代は乱暴者のガキ大将で、作中当時は海兵。そんな水原とすずはどのような関係があったのでしょうか?
ガキ大将気質だった哲は、ややどんくさいすずに意地悪をすることも。しかし、すずが哲の代わりに絵をかいてあげたことをきっかけにお互いの距離は急接近、以後は友達以上恋人未満の関係であったような描写がされています。
お互いに憎からず思っていたものの、哲の入隊と共に関係は自然消滅。すずも北條家にお嫁に行きました。それでも、お互いに未練を断ち切れていない様子が散見されます。
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北條家の人間となったすずにとって、水原は既に過去の人物のはずでした。
友達以上恋人未満の関係のまま最後を迎えたかのように見えた2人でしたが、すずが北條家にお嫁に行ってしばらくたったある日、突如として水原がすずを訪ねてきます。乱暴者の印象だった哲はすっかり好青年に成長しつつも、すずとは変わらない息のあったやりとりを見せます。
紆余曲折を経て、北條家の納屋に泊めてもらうことになった水原。そこに、すずが訪ねてきて、なんと共に一夜を過ごすことになります。何か起こりそうな気配でしたが、既にすずの気持ちが周作に傾いていたため何も起こらずでした。
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お互いに想いを断ち切れていないすずと水原。すずの現旦那の周作の目には、そんな水原がどう映ったのでしょうか?
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すずとの間にどこかたどたどしさの残る周作に比べ、水原とすずは非常に親しげ。自分には見せないようなすずの態度に明らかな嫉妬心を見せています。それは宿を求める水原の願いに、母屋ではなく納屋に泊めてるという形で現れました。
一方で、水原に嫉妬心を露にしながら、すずと水原を2きりで一夜を過ごさせる計らいを見せました。現代の感覚だと理解に苦しむ行動ですが、当時は、いつ死んでもおかしくない立場の兵隊の願いは可能なだけ叶えてあげようと言う風潮があったそうです。周作も軍属の端くれだったからこその苦渋の決断だったのではないでしょうか?
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すずにとっても周作にとっても、いろいろな意味で忘れがたい水原哲。彼はその後、どのような最後を迎えたのでしょうか?彼が搭乗していた青葉の最後と共に考察していきます。
水原の登場艦「青葉」は、太平洋戦争の開戦期からラスト近くまで戦い続けた艦船。その最後は、修理のため留置中だった呉で米軍の空襲に合ったためでした。物語ラストの佳境ともいえる、すずが大けがをしたあの空襲です。民間人の被害も甚大でしたが、反撃した日本軍の被害も大きく800人近くの犠牲が出ました。
水原の生死は作中では明言されていません。しかし、水原の死を思わせるような描写が劇中のラスト付近には散見できます。かつて水原がすずにプレゼントしたサギの羽が、米軍の機銃によって破壊されたシーンなどはその最たる例でしょう。
終戦後にすずは物々交換の帰り道で、朽ちた「青葉」を見つめる水原を発見するシーンがあります。違和感があるのは、このとき登場艦の亡骸を前に水原が笑みを浮かべていたこと。そして何より、すずが水原に声をかけなかったことです。これらのことから、すずがラストに見た水原は彼女の心象風景なのでは、とも言われています。
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ラスト付近に死亡フラグが散りばめられていた水原ですが、公式のアートブックによると生存が明言されています。すずが最後に声をかけなかったのも、それこそが過去の決別の証と言うような説明がなされています。
すずの心に決して小さくない存在感を残しながら、しかし、劇中での登場シーンは少なめの水原。その中で、彼が残した印象的な言葉をいくつかピックアップします。
すずと2人きりで過ごした時に言ったセリフ。一見何気ない言葉ですが、戦場と言う普通ではない世界で日夜戦っている水原が言うと、どこか空恐ろしさを感じさせます。彼はいったいどのくらい普通ではない世界を見てきたのでしょうか?
劇中で、水原がすずにかけた最後の言葉。想い合っていながら結ばれなかった2人の最後の言葉は、未練にも激励にも受け取れます。
主人公すずのかつての思い人と言う非常に難しい役どころを演じた声優についてご紹介します。
水原哲を演じたのは、人気声優の「小野大輔」さん。爽やかでとても奇麗な声質の半面、演技の幅が広く様々な役どころを演じ分けられる実力派声優です。
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声優「小野大輔」さんは、【涼宮ハルヒの憂鬱】の古泉一樹や【黒執事】のセバスチャン、【ジョジョの奇妙な冒険】の空条承太郎など、クールなイケメンキャラを多く演じています。一方で、【みなみけ】の保坂や『おそ松さん』の松野十四松などぶっ飛んだ3枚目役にも定評があります。
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声優として精力的に活動する一方で、音楽活動にも精力的。なかでも、【Original Entertainment Paradise(通称おれパラ)】では、リーダーとして毎年12月に大きなライブを開催し、ファンを熱狂させています。
アニメ映画の印象が非常に強い【この世界の片隅に】ですが、民放局でドラマ化されています。それぞれで水原を演じた俳優を軽くご紹介します。
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2011年に放送された今作で水原哲を演じたのは、俳優の「速水もこみち」さん。【ごくせん】や【ラフ ROUGH】などで好演を見せたほか、近年ではお料理コーナー「MOCO'Sキッチン」などでも活躍する人気イケメン俳優です。
この作品で水原哲を演じるのは若手俳優の「村上虹郎」さん。ドラマ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」にてじんたんを演じた人と言えばピンとくる人も多いのでは?ちなみに、父に俳優の「村上淳」さん、母に歌手の「UA」さんを持つ芸能界のサラブレットでもあります。
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水原哲は、【この世界の片隅に】の主人公の北条すずの初恋の相手であり、幼い日々の淡い思い出の象徴でもあります。その象徴の水原哲が、すずのなかでどのように変化していくのを見ると、【この世界の片隅に】にまた違った味わいを見つけられますよ。