カタールとはどんな国?
カタールは正式名称を「カタール国」と言い、ペルシア湾に面しアラブ首長国連邦やバーレーン、サウジアラビア、イランに周りを囲まれています。国の面積は秋田県ほどで、その中に約250万人の人が住んでいますが、全人口の約20%がカタール人で80%程度がインドやパキスタン、スリランカから出稼ぎなどの移り住んだ人となっています。カタールは、石油や天然資源が豊富で世界的にも裕福な国として知られています。そのため、消費税や所得税、医療費、学費などが全て無料となっています。カタールはイスラム教徒が多く、次いでキリスト教、ヒンドゥー教となり、豚肉の摂取やアルコールを飲むことは厳しく禁止されています。
カタールの治安は?
石油や天然資源が豊富なカタールは、世界中の企業が注目しています。そのため、治安維持にも力を入れており、中東でも治安の良い国として知られています。カタールは「世界で最も退屈な街」とも言われていることが治安の良さを物語っているのではないでしょうか。しかし、いくら治安の良い国と言われていても、注意するべきこともあります。
カタールは、就労目的の外国人には厳格な身元保証人制度を実施するなど治安維持に力を入れています。そのため、治安は安定していますが、一部不法滞在者となった外国人によるとみられる犯罪も多発しています。こうした背景もあり、ドーハの一部市内や郊外では、強盗や空き巣、デパートなどの商業施設では、スリや置き引きが報告されています。しかし、治安当局によって随時、大規模な取り締まりを行っているので、件数は少ないと言えるでしょう。
国交団絶後のカタールでは治安などの影響はある?
カタールが、サウジアラビアと対立しているイランとの関係が密なことやムスリム同胞団、イスラム国などのテロ集団を支援しているとして、サウジアラビアをはじめ、エジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦、イエメンの中東5か国が2017年にカタールと国交を断絶しました。カタール政府は、イスラム国を始め、テロ集団を支援していることを否定していますが、サウジアラビアは国境を封鎖し、陸海空路を封鎖しました。国交断絶と言う異例の措置はペルシア湾沿岸諸国の大きな断裂となり、一触即発の気配もあります。このことによって、イスラム国を始めとするテロ集団を制圧する協力体制がうまくいかなくなる可能性もあります。イスラム国は、力を失いつつありますが、依然として中東危機の要素となっているため、国際的な協力体制は不可欠です。
このまま、国交断絶が続くと、観光産業や経済活動に大きな影響を与えてくる可能性があります。しかし、今のところ、治安などに問題はなく観光客も多く訪れています。カタールは、資産も多く今すぐに経済的に困窮することもありませんが、国交断絶が長引くと物の流通などで、経済的に問題を抱えるようになるでしょう。また、イスラム国などのテロ活動が活発化する可能性もあります。
カタールを旅行する時に治安などで注意すること
現在は、外務省のホームページでも治安上の問題は少ないとされているカタールですが、旅行する時に注意すべきこともあります。例えば、カタールはイスラム教が国教となっています。イスラム教では、肌の露出や体型がはっきりわかる服装は禁止されています。旅行者であっても、無用なトラブルは避けるために服装には注意をしましょう。また、政府が決めた場所以外での飲酒も禁止されています。
また、ショッピングモールや空港など人混みの多い場所では、スリや置き引きに注意が必要です。しかし、近年はテロや反政府活動などは発生していません。治安の良いカタールですが旅行する時は、通常の海外旅行と同じような心構えが必要です。
カタールの治安は外務省のホームページでチェック
カタール旅行を計画したら、外務省のホームページをチェックしましょう。外務省の「海外安全ホームページ」に、カタールの近況と犯罪状況、医療事情、在カタール日本国大使館などの情報が載っています。
外務省 海外安全ホームページ
外務省による海外安全情報
カタールの治安は比較的安心
砂漠の中に突然現れる近未来的な高層ビル群は、SF映画の中にいるような錯覚に陥ります。そんな世界的にも裕福で知られるカタールは、中東の中でも安全で治安も問題ありません。カタールは歴史的にも古く観光名所も数多くあるので、旅行先としておすすめです。外務省の情報をもとにルールを守って旅行をすれば、きっと楽しく思い出に残る旅になるでしょう。