清水寺・胎内めぐり!場所・料金・ご利は?:①胎内めぐりとは
「胎内めぐり」はお寺や神社のお堂の地下回廊を歩く行為です。長野の善光寺「戒壇めぐり」がたいへん有名で、「胎内めぐり」は日本各地で体験できます。桎梏の闇の中を通るので、不安がよぎり、怖さもあり、同時に光の有り難さをひしひしと感じます。現代は闇のない時代といわれています。夜道の外灯、深夜のコンビニの灯り、余りにも明るいために、星を見る権利を主張して「光害」という言葉も生まれています。
清水寺の胎内めぐりは、本堂に安置されるご本尊「十一面千手観音像」が33年ぶりに開扉された記念に始められました。歴史は浅いです、無いといっても良いくらいです。ここでは、その清水寺の胎内めぐりが、何処でするのか、どうやってするのかを解説していきます。
清水寺・胎内めぐり!場所・料金・ご利は?:②場所は何処でしょう
清水寺に入って仁王門を通り、階段を昇りきって、三重塔の左側にある「随求道」が見えてきます。ここが「清水寺胎内めぐり」の舞台です。明治までは塔頭(お寺の中の小さなお寺)「慈心院」で、廃仏毀釈で廃寺となり、いまのお堂だけが残りました。
清水寺の拝観券を買うところはまだ先で、胎内めぐりだけなら、清水寺の拝観券を買わなくても大丈夫です。清水寺は観音様も大日如来もいることから、法相宗と真言宗(密教)の二宗兼学で、随求堂の本尊は大随求菩薩という座像で密教に登場します。通常は秘仏で見ることは出来ません。「随求」とは、「人々の祈願、求めや願いに随(したが)ってその求願を叶えてくださる」ご利益絶大な仏様とされます。
清水寺・胎内めぐり!場所・料金・ご利は?:③料金と方法
お堂の入口で入場料100円を払います。直ぐ脇の狭い階段が地下に通じていて、そこを降りて行きます。既に不安な気分になります。右側に大きな数珠が連なっていて、それを頼りに前へ前へと進みますが、階段を降りきって左に折れたところから、真っ暗!になります。
数珠を離すと立っていられない気持ちになり、随求堂の仏様の胎内へ入っていく感じです。暫く闇が続きます。不安です。混んでいるときは声しか聞こえず、さらに不安になります。しばらくよたよたと歩くと、ぱっと蝋燭の灯が見えて、続いてサンスクリット語が一字刻まれた石が現われます。その石、ぐるりと一周廻せます。廻しながら願い事をひとつすると、願いが叶うというものです。
清水寺・胎内めぐり!場所・料金・ご利は?:④ご利益
胎内の底と覚しき、無明解脱の道を辿って、明るい随求堂の表に再び出てきて、陽の光と出逢う、仏様の胎内を巡って癒やされ、再生、蘇生することが出来るというような感じがひしひしと感じる場です。
随求堂の仏様が読むお経「陀羅尼」は他人が誦しているのを聞くだけでも、あらゆる罪障が消え去ると言うほどの力があり、この陀羅尼の一節を書写して、お守りとして身につけておくと、あらゆる厄災から守って下さるというもので、この御札が後の「お守り」の元祖といわれています。
清水寺・胎内めぐり!場所・料金・ご利は?:⑤「千日詣り」の日はご利益千倍
京都のお盆は、余りの暑さ故に、夜のお墓詣りもあり、お盆の最盛期は清水寺はライトアップされ、市街地の灯りや京都タワーなどがくっきり見えます。とくに8月14日から16日の胎内めぐりは「清水寺千日詣り」といい、夜間拝観のハイライトとされます。
夕方一度、お寺を閉めて、午後6時頃に再び開門して、随求堂に向かいます。年に3日間だけ、それも一度お参りすると、千回分の参拝とされるので、結構混み合います。順路は同じですが、ご利益がさらに大きくなるというすぐれものですね。
まとめ
いかがでしたか。清水寺の胎内めぐり、神にも仏にもすがる日本人、辛いことや願いごとがあるときは、清水寺の胎内めぐりに行って、気持ちも心もすっきりいたしましょう。